中学受験 リビング学習は何がよいのか 学習に適した環境とは
家庭学習に関しては、私は子ども部屋での学習よりもリビングでの学習をすすめています。
今回は、リビング学習がなぜ良いのか、より良い学習ができるお部屋の環境作りについてお話ししていきます。
なぜリビング学習が良いのか
リビングやダイニングではお母さんが料理したり、きょうだいが居たりすることもあるため、集中できず勉強には適しないというイメージを持つご家庭もあります。
しかしそうでもありません。適度な生活音の中で学ぶことは、悪いことではないのです。
実際の試験会場では、まわりの受験生の鉛筆のコツコツ音、用紙をめくる音など様々な音が聞こえてきますし、塾でもまわりのお子さんの声や物音など、様々な音が聞こえてきます。
そんな中で集中して学習するということは、とても大切なことなのです。
また、お母さんの目の届く場所での学習ですから、お互いに安心感があります。
調子はどうなのかとか、わからない問題で長い時間を使っていないかなど、ちらちらと視界に入るだけでも得られる情報は多いものです。
また、これが最も大きいのかもしれませんが、お子さんはお母さんに褒めて欲しくてがんばるもの。
お子さんの褒めポイントをたくさん探してあげられるのも、リビング学習のいいところです。
コミュニケーションを取りながら学習できる環境は、学習効果以上に親子関係にいい影響があります。
リビングの整理整頓
私は家庭教師としてお家にうかがうときも「できるだけリビングで授業をさせてください。授業は親御さんもご覧になってください。」とお願いするのですが、そんなとき「リビングをできるだけ片付けなくちゃ」ときれいに整理整頓されるご家庭があります。
しかし、できればふだんどおりにしておいていただきたいのです。
学習に向くリビングの状態は、キレイなリビングではありません。
適度に物があった方が、お子さんは学習に集中できます。
理想は、ある程度の広さがあって、いろいろな用途に使える収納スペースがあること。
お父さん、お母さんの使う書籍とお子さんの本が、共存するような書棚があるといいですね。
お子さんが片付けをしたと言っても、親御さんからすれば「散らかってるじゃないの!」と言いたくなることはあるでしょう。
でも、それくらいがいいのです。
まずはリビングに、お子さんのものが収納できるスペースを与えてあげてください。そしてそこはお子さんに管理させます。
片付けたかどうかを机や部屋を見るだけで判断せずに、しっかり過程を見てあげましょう。
片付けも学習と深い関係があります。
与えられたスペースの中に、何を入れてどうまとめるのか、完成イメージまでの段取りを考えられているか。
親御さんからは散らかっているように見えても、お子さんが、「ハサミはここだよ」「プリントはこっち!」としっかり置いた場所を記憶しているのなら、片づけは成功です。
学習に理想的な家とは
学習に理想的な家があるとすれば、それは”温かい雰囲気”があるお家だと思います。
コンクリートの打ちっぱなしなどは現代的でかっこよくはありますが、冷たいイメージもあります。
やはりウッドデッキや、生き物を感じさせる木を使った温かみのある素材に囲まれているといいですね。
炎はそれ自体、そして様々な化学変化を起こすためのものとしても、身近におきたいものの一つです。
IHよりも、ガスコンロを使ったキッチンの方が、お子さんの五感を刺激してくれるのでオススメです。
最近では高層マンション住まいの家庭も増えましたが、低層マンションにもいいところがあります。
もちろん一戸建てもですが、地面に近いと動植物との距離が近く、学習のチャンスが多いのです。
花を見たり、風になびく木々の葉の音を感じたり、虫を発見したらすぐ見に行ける利点があるからです。
中学受験に限らず、学習全般において家庭の環境はとても大切です。
家族の気配を感じ、コミュニケーションを取りながら、集中力をしっかり高めて学習ができるようになる環境が準備できるとよいですね。