大切な学習スキル「自分を客観的に見る力」を育むためには
いわゆる「勉強ができる子」に共通していることのひとつに、ある程度自分のことを客観的に見られる、精神年齢の高さがあります。
この、客観的に自分を見る力はどのように育まれるのでしょうか。
「自分を客観的に見る力」は、大切な学習スキル
大人になると、ある程度自分を客観的に見られることはふつうの感覚かもしれません。
一方で、人生経験の浅い子どもにとって自分を客観的に見ることは、なかなかむずかしいようです。
でも、難関校の受験に合格するような子の多くは、自分を客観的に見られる精神年齢の高さを持っています。
これをもう少し具体的に、勉強を進めるうえでお子さんにあてはめてみましょう。
自分が出した答えが正しいかどうかを、まるで学校や塾の先生が見るような視点で、落ち着いて検証できる子どもがいます。
こういう子は勉強をすればするほど、どんどん伸びていきます。
なぜかというと、たとえば自分で解いた問題の答え合わせをするとき、まちがった答えを赤ペンで直しながら、「自分はどうしてここでまちがったのかな」と冷静に振り返ることができるからです。
そしてその習慣が、次に同じまちがいを繰り返す可能性を低くします。
「自分を客観的に見る力」は大切な学習スキルのひとつでもあるのです。
共通しているのは「共感力」
この「自分を客観的に見る力」を持っている子どもに共通しているのは、高い共感力です。
人の立場になって考えることができる、少し大人っぽい感情です。
「人の立場になって考えられる」ことが「ひとりよがりではない考え方ができる」ということ、そして、自分を客観的に見ることにつながります。
たとえば、お子さんが友だちと喧嘩をしたとき、自分の感情だけではなく、相手の気持ちや言い分を察してあげられるでしょうか。
子どもにとってはむずかしいことかもしれませんが、この周囲の人に対する共感力が、自分を客観的に見る目につながり、それが学力に大きな影響を与えていきます。
国語や算数が得意な子は、共感力が高い
共感力が学力に関係している例として、国語の読解問題があります。
読解問題の物語文は、おもに小説などが題材として選ばれ、登場人物の心情などが問われます。
解答を書くためには、登場人物が置かれた状況を理解し、その感情の動きを想像することが必要なのですが、これには共感力が大切になってきます。
論説文などでも、著者の考え方に共感することで、その文章全体で著者が主張していること、もっとも言いたいことを、共感力を持って読み解くことができます。
国語が得意な子は、ほぼ例外なく、共感力が高い子どもだともいえるでしょう。
算数の問題にしても、出題者の意図や客観的な視点が、解答を導くためには必要になってきます。
ひとりよがりだと、「これで大丈夫だろう」と安心してしまうことも、客観的な視点から「この解き方で論理的に大丈夫かな」とちょっとした違和感にも敏感になることができます。
客観力は、学習を進めるうえでの大切なスキルといえるでしょう。
そのためにも、子どもの「共感力」をじっくりと育んであげられたらいいですね。