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小学校低学年の子どもに進学塾は必要?塾や習い事はどの程度させたらいいのか

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公開: 最終更新日:2023年11月05日

小学校低学年の時期には、どのように勉強をさせたらよいのでしょうか。
中学受験を考える場合、低学年から進学塾は必要なのでしょうか。
このあとの受験勉強の土台になるような学習の進め方について考えていきます。

小学校低学年に進学塾は必要?

実は、低学年から中学受験対策として進学塾に通わせる意味はほとんどないと思っておいていただいていいと思います。
塾が低学年の子どもを集めるのは、小学4年生以降も通ってもらう「囲い込み」の意味合いが大きいからです。

学校の授業が十分に理解できていない場合は、低学年のうちから「補習塾」を利用してもいいと思います。
ただ、塾にまかせっぱなしで塾の宿題をとにかくさせておけばいいというわけではありません。
塾で学習したことを復習させ、宿題やテスト直しもちゃんと親がフォローすることが必要です。低学年の子どもに、計画を立てて学校の宿題や塾の宿題などを自分でやらせるのは無理があるので、必ず親が関わってあげましょう。

公文などの基礎訓練の反復は、それなりに効果が出る子もたくさんいます。
ただ、発展的な受験勉強に直接役立つものではありません。

面白みのない基礎訓練は親が「楽しくさせる」

小学校4年生以降の進学塾は学校とはまったく違う内容の授業そのものの楽しさがあり、「わかった!」「なるほど!」と感じたときのうれしさもあります。
この「なるほど」という納得やうれしさを繰り返すことで子どもは伸びていくのですが、これは基礎訓練の土台ができているという前提でのことです。

でも、小学校1年生〜3年生の塾においては、成績が良いと親が喜ぶことから、点数を取ることばかりが気になって、勉強を楽しめないお子さんも多いのです。
ですから、家庭学習を楽しくできれば塾に行って成績を競う必要はまだありません。
家庭で学習しているときに楽しい演出をしてあげられるのはお母さんしかいません。
ゲーム感覚で「昨日より早くできたね」と励ましたり、笑いかけたり、褒めてあげてください。

塾も習い事も子どものキャパシティを見極めよう

早期教育、公文、そろばん、英語、補習塾…。さらに通信教育やスイミング、1週間のほとんどに予定が入っていて、お母さんはすべて熱心に指導する。こういう環境で育った子どもは、いざ中学受験の勉強をしているときに、成績が伸び悩むことがあります。
このようなお子さんは、小学校2年生ぐらいの時点ですでに「勉強ぎらい」になっているケースが多いのです。

塾も習い事も、子どもの年齢や性格によってキャパシティがちがいます。
自分の子どもの限界がどのあたりなのか、常に注意深く見てあげてください。
習い事の場合、本人が楽しくないものはやはり結果にはつながりません。
塾も同じで、楽しめないものは効果が出ません。
でも授業や宿題をこの時期の子どもが自ら楽しむというのはあまり現実的ではないので、親が楽しめるような工夫を考えてあげましょう。

もし「塾に行きたくない」と言い出した場合は、理由をきいてあげましょう。
勉強だけが理由でなく、塾の友達とうまくいっていないことや、先生に厳しく叱られたこと、先生が嫌いなどの原因も考えられます。

子どもが楽しいかどうかか最優先

小学校低学年の塾や習い事は、まず子どもが楽しんでいるかどうかを優先させましょう。
もし「親子の会話がとげとげしくなった」「子どもも楽しそうじゃない」「お母さんもイライラしている」という状態になったら、一度塾や習い事を減らすか全部やめる、という選択肢もあることを思い出すとよいと思います。

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