学習が本格化していく5年生。塾のカリキュラムと家庭学習
授業時間も増え、学習内容も本格化する5年生。家では何をどのくらい勉強させればいいのか、お悩みの親御さんも多いことでしょう。
学習量が格段に多くなる6年生になる前に、5年生のあいだにしっかり身につけておくべきことがたくさんあります。具体的な学習方法については、中学受験情報局のメルマガでご説明しているので、気になる方はぜひご購読ください。
今回の記事では、中学受験を目指す5年生の塾のカリキュラムや家庭学習について、詳しくお伝えします。
中学受験の塾の5年生のカリキュラム
基礎力を充実させるとともに、志望校をある程度絞り込んでいくのが5年生。
塾での授業日数や授業時間も、4年生に比べて増えていきます。一般的な中学受験塾では、5年生は週に2日、2~3時間の授業を行うというのが標準的です。
中学受験の追い込み学年である6年生ももちろん大切なのですが、基礎力をつけて志望校を見極めていくこの5年生こそが、中学受験全体を考えた時、もっとも重要な学年であるとも言われています。
4年生で少しずつ身についてきた学習習慣を確実なものとし、基礎力をしっかり固め、中学受験の土台を作るこの時期。中学受験塾では、受験に必要な技術や知識を一気に学習していくようなカリキュラムが組まれます。
それまでの学習の延長だと思ってのん気に構えていると、夏期講習あたりから、一気に成績が下降してしまうことになりかねません。
中学受験塾の5年生国語学習
4年生では、国語の基礎力を固めてきたと思います。5年生からは、入試を視野に入れ、より確実な読解力と高度な表現力をつけていかなくてはなりません。
じっくり取り組む姿勢を身に着けることが重要です。塾の授業でも、さまざまな分野、さまざまな形式の問題を扱っていきます。
長文読解だけでなく、文法や慣用句など、言葉の知識についても、幅広く学びます。
中学受験塾の5年生算数学習
5年生では、中学受験算数の基礎を身につけた上で、問題に応じて解法を使い分けたり組み合わせたりする判断力、応用力を養います。
5年生の後半では、いつくかの分野が混合された複合問題などに取り組む塾も多いでしょう。
このような応用問題が出てくると、「なんだか一気に難しくなったな」と思ってしまうかもしれません。しかし、応用問題のほとんどは、基礎的な問題の組み合わせです。臆することなく、取り組んでいきましょう。
中学受験塾の5年生社会学習
5年生の夏休みまでに地理学習を終え、夏期講習以降、歴史学習に入るというカリキュラムが一般的。5年生までで、中学受験の社会科3本柱(地理・歴史・公民)のうち、地理と歴史を一通り学び終わることになります。
特に歴史学習においては、普段の生活の中では聞いたこともないような事件や人物の名、和暦の年号などが出てきます。時代が進んでいくにつれ、覚えなければならない事柄も増えていきますが、歴史は一続きのストーリーです。単なる暗記学習ではなく、物語を辿るように丁寧に学習していくことで、入試でも対応できる実力がついていくでしょう。
中学受験塾の5年生理科学習
5年生の終わりまでに小学校理科の全範囲を学習するというのが、一般的な中学受験塾のカリキュラムです。生物分野(植物・動物)、物理分野(運動・電気)、化学分野(水溶液や気体、燃焼など)、地学分野(気象・天体・地層など)と、学ぶ範囲が非常に広く、その分、授業の進度も速くなります。
なんとなく聞き流してしまうと、その項目はすぐに過ぎ去り、そのまま苦手な単元となってしまいかねません。1回1回の授業に集中することが大切です。
家庭での勉強時間の目安
塾がある日の復習
塾から帰ったら、なるべくすぐに復習をしたほうがいいでしょう。5年生のうちは、あまり遅くまで授業をしないと思いますので、帰宅後、復習の時間がとれるといいですね。
もし、塾から帰ったらヘトヘトで、復習なんてやっていられないようであれば、ぜひ、お父さん、お母さんが手伝ってあげてください。塾で習ってきたことを、お父さん、お母さんに伝えてもらうのです。これは、机に向かわなくても、テキストやノートを開かなくても構いません。お迎えの車内での15分ほどでも構いません。習ったことを自分の言葉で伝えることで、塾で習ったことが定着します。
塾がない日の勉強時間
塾がない日の勉強時間については、ご家庭によって異なります。サッカーや水泳など、塾以外の習い事をしているかどうかでも、随分と勉強時間に差がでてきます。
長時間勉強すればいいというものではありません。メリハリをつけ、上手に集中を保っていれば、他の習い事との両立も可能です。
とはいえ、うまく受験勉強が回っているお子さんは、5年生のうちからある程度の勉強時間を継続的に取れているというのも事実です。
宿題のための時間を確保する
宿題の量は塾によって差がありますが、1科目あたり2時間程度は時間を確保する必要があるでしょう。
塾のある日は復習をやり、塾のない日に宿題をやる。そのような流れで1週間の学習を回している子が多いようです。
算数、国語、理科、社会の4科目について、それぞれ2時間かけて宿題をするとなると、1週間で8時間の学習時間が必要になります。適宜休憩なども必要です。
この時間を安定的に取れるかどうかが、今後の成績を左右します。
「大変だな…」と思うかもしれませんが、この学習習慣は、一生の財産になります。子どもの頃に身につけた学習習慣は、中学受験のあとも、大きく学力に影響を与えるのです。
苦手克服は5年生のうちに
誰にでも苦手な科目、苦手な単元があると思います。しかしこれは、本当に苦手なのでしょうか。
学びたての頃というのは、どうしても難しいと感じてしまうもの。丁寧に読み返せば理解できることでも、「なんか難しそう。苦手かも」そう思いこんでいることも、多いのです。
運動会の練習で疲れていた日に習った単元だとか、解説ページに難しい漢字が多いとか、そんな理由で「ここが苦手」と勘違いしてしまうことがあります。
苦手だと思い込んでいる単元を克服するには、5年生が最後のチャンスです。
6年生になると、本格的な受験勉強に入ります。テクニック的な苦手克服はできるでしょうが、じっくり学ぶことで「なんだ、別に苦手なわけじゃなかったんだ」と気づくような本質的な学習をしている時間はありません。
苦手意識のある単元こそ、5年生のうちにじっくり丁寧に学習しておきましょう。
中学受験本番に向けた6年生の学習
6年生になると、学習内容はより高度に、そして学習量も格段に多くなります。
5年生までの間にしっかり学習習慣と基礎力を身に着けていれば、6年生での本格的な受験勉強にも、ついていくことができるはずです。
メルマガでは、学年別・塾別に毎月の学習のポイントについてお伝えしているので、ぜひ参考にしてください。
ほとんどの塾では、6年生の春のうちに受験範囲の仕上げをし、夏以降は演習を中心とした授業に入ります。学力別や志望校別のクラス編成を採用する塾もあります。この時期にそれまでのインプット中心の授業から、アウトプット中心の授業へと一気に変わるということです。
問題を解き、できない部分を直すことで得点しづらい単元を補強していきます。過去問を教材にすれば、志望校の出題形式や出題傾向になじんでいくこともできます。
これは、演習授業に入るまでに、中学受験出題範囲の学習が、それなりに身についているというのが大前提。
6年生での本格的な受験対策にスムーズに入れるよう、5年生のうちに苦手克服を終えておくことが大切です。