本が好きなのに、どうして国語が苦手なのか 効果的な本の読み方とは
本をたくさん読んだからといって、それが国語力にそのままつながるわけではありません。
今回は、国語力を高めるためにより効果的な、本の読み方についてご説明します。
読解力が身につかない読み方とは
「うちの子は本を読むのは好きなのに、国語の成績が悪いんです」という相談を受けることがあります。
そこで「普段、どんな本を読んでいますか?」と聞くと、たいてい「ストーリーのおもしろい物語が大好きです」という答えが返ってきます。
ストーリーだけを追うような読み方をしていると、いくらたくさん本を読んでも読解力は身につきません。
ストーリーがおもしろい本は、読みやすいので子どもは大好きです。
でも、こうした本が悪いと言っているのではなく、バランスよくいろんな本を読むといいと思います。
「子どもになにを読ませたらいいのかわからない」という方は、まずは親子で図書館に出かけてみてください。
図書館には子ども向けの読書情報もあり、話題の本をテーマ別にまとめたコーナーもあります。
司書さんに相談すればアドバイスもしてくれるので、ぜひ活用してみてください。
「情景」をイメージしながら読む
童話や文学作品を読むときは、ぜひ「情景」を想像しながら読む習慣をつけさせてあげましょう。
また、主人公の気持ちを考えながら読むことも大切です。
「情景」と「心情」は、結びついた形で描かれることが多いからです。
実は、これを理解できているかどうかは、中学受験では大きなポイントです。
情景や心情を味わいつつ理解していると、読書そのものが楽しくなるだけではなく、受験にも役立つのです。
文章に書かれた内容を頭のなかで情景として想像できていると、どの教科にも役立ちます。問題文の理解につながるからです。
説明文を読みながら、自分の実際の体験、過去の記憶などを映像として思い浮かべることができるかどうかはとても大切です。
理科の「コップに入っている水のうち、20mlを隣のコップに移す」という記述があった場合、まずは「コップに水が入っている様子」を想像できるかどうかで、理解度に大きな差が出ます。
子ども向けの新聞も「音読」してみよう
大手新聞各社が出している子どもの向けの新聞は、内容もたいへん充実しているのでおすすめです。
記事は1行の文字数が少なく、4、5行先まで目で追って読んでいくことができ、ふりがながついているので音読にも最適です。
最近は「ニュースはテレビとインターネットで十分」と新聞を取らないご家庭も増えてきましたが、子ども向けの新聞はニュースだけでなく、毎日少しずつ読み進められる連載小説や、子どもが興味を持ちやすい記事も多いので、親子で楽しめます。
また、子ども向けの新聞の記事を書き写すという学習で書くことが好きになったという例もあります。
体で覚える「暗唱」も将来に役立つ
単語の意味がわからなくても、文章の調子やリズムがおもしろい文章を「暗唱」することもおすすめします。
百人一首や落語、「平家物語」の冒頭など、なんでもいいのです。
百人一首の和歌の意味を正確に理解する必要はありません。なんとなく、雰囲気だけで暗唱するのでかまいません。
子どもはかなり長いものでもすぐに覚えてしまうでしょう。
課題として「覚えなさい」と押し付けるのではなく、遊びの一環として親子で「暗唱ごっこ」をしてもいいですね。
子どもに、楽しい暗唱の経験を増やしてあげてくださいね。