中学受験に役立つ習い事と、習い事を選ぶときの注意点
最近は習い事の種類も多く、たくさん種類の習い事をしている子どもも多いですね。
今回の記事では。中学受験に役立ちそうな習い事と、そのメリットとデメリットについてご説明します。
公文式で低学年のうちに学習の土台を作る
学習をする上で習慣はとても大切なので、その土台を作るという意味では、公文式などの学習系の習い事は有効です。
決まった日に決まった内容を勉強したり、決められた宿題をこなすので、子どもに生活リズムを作ることができるでしょう。
早い段階で6年生までの内容をやっていて、しかもその精度が高く仕上がっていることもあるので、中学受験において公文式は有効とも言えます。
計算問題に定期的に取り組むので、ひとりで計算問題ができない子ども、苦手な子どもにはとてもいいでしょう。
特に低学年のあいだにやってほしいこととして、受験学年が持つべき能力という視点で見れば、とてもいい習い事だと思います。
ただ、公文だけをやらせていけば大丈夫というわけではなく、特に文章題に関しては、日々の家庭内の会話も大事ですし、読み聞かせや読書で文章を読む練習も並行してやってほしいと思います。
そろばんで十進法を身につける
学習系の習い事では、そろばんもいいですね。乗除なら3ケタ同士、加減なら5ケタ同士以上の計算が暗算できるようになれば、入試においても有利になります。
時々、「そろばんの暗算のせいで、計算間違いが多い」という相談を受けますが、その場合は子どもがそろばん3級程度であることが多いようです。
もちろん3級でも得られることはたくさんあるのでかまわないのですが、暗算で役立つのは1級以上だと考えておいたほうがいいかもしれません。
暗算だけでなく、そろばんは十進法の仕組みがよくわかり、それが体にしみこむのは算数の学習を進めていくうえでとてもいい影響があるでしょう。
5にするにはあといくつ必要だとか、足すと10をいくつ超えるかというようなことが感覚として身につきます。
五感を刺激する「理科実験教室」
最近は、理科の実験教室を習い事として選ぶご家庭もあるようです。
理科の先行体験という観点から、いい習い事だと思います。
子どもの学習には、匂いや音、手さわりや色など、言葉で説明を受けるだけではなく、五感への刺激も必要です。
また、「どうしてそうなるんだろう?」と理科への興味を広げるきっかけになることもあり、それがのちの中学受験に役立つことがあります。
積極的に実験に参加するタイプの子どもには効果がある習い事ですが、いつもうしろのほうで友達がやっているのを見ているだけの子どもにとっては効果が半減するので、ただ通わせるだけならあまり意味がないかもしれませんね。
スポーツ系の習い事で成功体験を
子どもが好きなスポーツがあるなら、それを習い事に選んでもいいかもしれません。体力をつけるという意味では、中学受験に役立つとも言えます。
また「いざというところでがんばれる」など精神的な成長につながるのもいいですね。
子どもがそのスポーツに夢中になり、自分で努力したり練習したりして「できること」をどんどん増やしていったり、苦手なことを克服するのはいい経験になります。
「最初はできなくても、何度も練習することでできるようになった」という成功体験があれば、勉強にもいい影響を及ぼすでしょう。
子どもの気が進んでいないことをやらせるのは逆効果です。「体にいいから」「通いやすいから」「親がやってほしいから」という安易な理由で習い事を選ぶと、子どもの自己肯定感を育むという視点から言っても、いい影響はないと思います。子どもの意見も尊重するようにしましょう。
習い事をするときの注意点
習い事そのものにデメリットはほとんどないですが、関わり方次第で、「与えられた場所で、与えられたことしかできない」という受動的な子どもになってしまうリスクもあります。
たとえば、「体を動かすために水泳をやらせています。でもチームプレーも学んでほしいからサッカーもやっています。科学的な好奇心も育みたいから理科実験教室にも通っています。芸術的センスも身につけてほしいから美術系の習い事もやっています」と毎日のように習い事をさせているご家庭もあるようです。
そうすると、通っている習い事でさまざまな経験はできますが、学校の往復やふと時間があいたときに、自分で何かを感じにくい子どもになってしまうこともあります。
たくさんの習い事をさせることには、慎重になったほうがいいでしょう。
また、習い事が忙しすぎて親子の会話が少なくなったり、家ですごす時間が減るのはもったいないことだと思います。
なにげない会話や家のお手伝いから学べることがたくさんあります。
これは習い事では代用できないことなので、大切にすべきではないでしょうか。
中学受験を考えているなら、習い事は計画的に
習い事は子どもに実体験の量や種類を増やしてくれます。
子どもが夢中になれるような習い事が見つかると、それはとてもいい経験になります。
ただ、習い事が多すぎたり、そのせいで家庭ですごす時間が減ることのないように注意してください。
また、中学受験を考えているなら、やめる時期もおおまかでいいので計画しておく必要があります。
習い事を始める前に、何年生まで続けるのか、なにかできるようになってからという目標を決めるなど、ある程度やめどきも決めておけたらいいですね。