中学受験 6年生の塾費はいくらかかるのか
中学受験のために塾に通わせてはいるものの、家計の中で大きなウェイトを占めている塾の費用。受験全体で一体どのくらいお金がかかるのでしょうか。また6年生になると一気に塾代が高くなると言われますが、具体的にいくらくらいなのでしょう。
ここでは、中学受験の6年生にかかる費用について、説明していきます。
中学受験の塾の6年生のカリキュラム
6年生になると、いよいよ受験本番に向けて、本格的な総まとめに入ります。
進度の速い塾では、5年生の終わりまでに中学受験に必要な学習範囲を終え、6年生から演習を中心とした授業になっていきます。
比較的ゆったりとしたカリキュラムの塾だと、6年生の夏までに新しい単元の学習をし、夏期講習明けから演習授業に入るところもあります。
6年生になると、これまでの復習や苦手の克服、過去問を使った志望校対策など、これまで以上にやるべきことが山積みになります。パンクしてしまわないよう、何を優先させるのか、取捨選択が重要です。
入試に勝つための仕上げ
6年生では、合格をめざして、志望校別のクラス編成で授業を進める塾もあります。
また、普段の授業とは別に週末に志望校別の特別講座を開設する塾もあります。
どの塾も様々な施策を練り、入試本番に向けて学習の仕上げに入るのです。
塾での通常授業で全体を満遍なく復習し、志望校別特別講座では志望校の出題傾向に特化した対策を練っていく。また、単元ごとの得意不得意を見極め、単元別の特訓講座があれば、そこで自分の苦手分野を克服する必要があるでしょう。
子どもの学力やメンタルには、その時々で波があります。入試当日に実力のピークがくるように考えながら、どの講座を受けるのかを選択する必要があります。
6年生の塾費用
中学受験塾では、3年生の2月からカリキュラムが組まれるところがほとんどです。
3年生の2月から6年生の1月末までの間に、総額200~300万円の費用がかかると言われています。
そのうち、6年生でかかるのは約半分。100~150万円ほど。
通常授業に加え、期間講習、苦手克服のための単元別特訓、志望校別講座、模擬試験など、お子さんによって受ける講座やテストにバラつきがあり、その分、かかる費用にも差が生じます。また、講座を受講するとなると、受講料に加え、教材費が別途かかることもあります。
これまでとはかかる金額の桁が変わってきますので、お子さんが6年生になってから慌てないよう、事前にしっかり準備しておきましょう。
6年生の月謝と講座別費用
先述のとおり、中学受験での塾の費用は、一般的に、3年間の通塾で200~300万かかると言われています。
100万円もの開きがあるのは、塾によって授業料が異なること、特別講習などの選択が子どもによって異なること、塾以外に個別指導や家庭教師をつけるご家庭もあることなどが原因です。
首都圏の中学受験大手塾であるSAPIX・日能研・四谷大塚・早稲田アカデミーの塾費用は、下図のとおりです。
SAPIX | 日能研 Wコース4科 |
四谷大塚 W教科本科コース |
早稲田アカデミー Sコース4科 |
|
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入会金 | 33,000円 | 22,000円 | 22,000円 | 22,000円 |
4年生 | 41,800円 | 20,900円 | 36,300円 | 27,600円 |
5年生 | 52,800円 | 36,344円 | 45,100円 | 44,440円 |
6年生 | 59,950円 | 32,076円 | (〜7月)57,750円 (9月〜)79,750円 |
44,980円 |
別途費用 | 特別講習代 地図帳・問題集等の書籍代 公開模試代 |
期間講習代 学習力育成テスト代 教材費・副教材費 |
期間講習代 志望校判定テスト代 合不合判定テスト代 |
年会費(2,900円/月) 教材費・必修テスト代 |
※税込み金額
※上図の金額は各塾公式サイトの情報を元にしています
※費用については変更されることがあります
学年が上がるにつれ、授業料は増えていきます。
また、毎月の授業料の他に、春期講習、夏期講習、冬期講習、公開模試などの費用が別途かかります。
中学受験大手塾では、4年生で年間約40〜50万円、5年生で年間約60〜70万円、6年生で年間約100〜120万円ほどかかります。
これらを単純に合計すると、3年間で約200万~240万円。これに加え、志望校対策費用などもかかります。
個別指導や家庭教師も利用する場合には、300万円以上かかることも珍しくありません。
テスト受験料
テストや模試などの受験費用も、授業料とは別にかかります。
受験料はテスト1回につき、5,000~6,000円程度。
6年生なら、年間で5万円以上はかかるものと思ってください。
教材費
ほとんどの塾では、入会金や授業料、期間講習受講料のほかに、教材費がかかります。
塾や学年にもよりますが、テキスト代は15,000~30,000円程度。上巻・下巻に分かれているため、これを年2回支払うことになります。
つまり、年間3~6万円かかるということです。
テキスト以外にも、指定の年表や参考書などを購入する必要があることも。
教材費は金額が大きいため、あらかじめ塾に確認をして、しっかり備えておきましょう。
中学受験の塾以外にかかる費用
中学受験を目指して塾に通うとなると、必要な費用は授業料や教材費だけではありません。塾に支払うお金以外にも、交通費や通信費などもかかってきます。
どのような出費が発生するのか把握しておかなければ、のちのちやりくりに困ってしまいます。
資金計画は塾選びに影響してくることもあるため、塾費用以外の細かな出費についても把握しておきましょう。
交通費
近くに塾があればよいのですが、徒歩圏内に最適な塾があるという方は少数派でしょう。車で送迎する場合にはガソリン代、公共の交通機関を利用する場合には、バス代や電車賃などがかかります。
バスと電車を乗り継いでいくような場合、塾に通うための交通費で月額1万円を超えるということもあるようです。
通いたい塾が遠い場合には、3年分の交通費も考慮し、中学受験に向けた資金計画を立てましょう。
文房具代
中学受験勉強のための文房具代もバカにできません。ノート、ペンケース、シャープペンシル、消しゴム、赤ペン、蛍光ペンなど、学校とは別に一式揃える必要があります。
色や柄、形に制約の多い学校で使う文房具と違い、塾には好きなものを持っていくことができます。特に女子は、お気に入りの文房具を使うことで気分が上がることも多いため、思いのほか出費がかさんでしまうことがあります。
お弁当・おやつ・飲み物代
お腹がすいていたのでは、授業に集中できません。そのため、授業の前や後に軽く何かを食べるという子もいます。
また、学年が上がるにつれて授業時間が長くなります。中には、20分程度の長めの休憩を入れて、子どもたちがお弁当を食べられるようにしている塾もあります。
お弁当と水筒を用意できればよいですが、パンやおにぎり、お茶などを買うとなると、お金がかかります。一度に大金がかかるわけではありませんが、塵も積もれば…で、なかなか侮れない出費です。
通信費
電車に乗っている間など、スマホアプリで勉強したり、動画を見てリラックスしたりする子もいます。
また、新型コロナウイルス感染症の流行による緊急事態宣言下で、塾がリモート授業に対応するようになりました。事態が収束すれば、通常通りの対面授業が主流になりますが、今後、リモートでの新しいサポートなどが始まる可能性があります。
動画配信を見て勉強する場合、大容量のデータ通信が必要です。格安SIMやWi-Fiを利用するなど、工夫するとよいでしょう。
入学試験の受験料・入学金
中学受験の費用というと、どうしても塾にかかる学習費用ばかりに気が向いてしまいますが、肝心の志望校に支払うお金を忘れてはいけません。
当然のことながら、入試を受けるには受験料がかかります。
第1志望しか受けないということは考えにくく、併願校を合わせて3~5回は受験すると思います。1月にも入試を受ける場合には、7校以上受験するということも珍しくありません。
私立中学の受験料は2~3万円のところが多く、受験料だけでかなりのお金を用意する必要がでてきます。
また、無事に合格が決まったら、入学金を納めます。昔は入学金納付の締切日までに第一志望校の合否が判明しない場合、併願校の入学金が無駄になってしまうこともありました。今では、学校によって入学金の納付期限を延期する延納措置を取ってくれる学校もあります。ただ、納付期限を延ばしてもらうための延納金が必要なこともあるので、注意が必要です。
入学金は15~30万円ほどであり、学校によってだいぶ異なります。入学金とその納付期限、延納制度の有無を事前によく調べてから、併願校を決めておくとよいでしょう。
中学最初の授業料
最後に、中学の授業料です。
これは、入学後のことなので、中学受験に関わる出費ではありませんが、中学受験の資金計画を立てる上で、無視できない出費です。
私立中学の初年度にかかるお金というのは、80~120万円ほど。(全寮制などの特殊な学校は除きます)
分割払いに対応している学校がほとんどですが、分割の回数は学校によって数回~10回と開きがあります。
例えば、3回の分割で、初回の支払額が大きく設定されているという学校もあります。
6年生の高額な塾費用を支払い、受験料に入学金ときて、ボーナスを待つ間もなく、4~5月に50万円以上の授業料納付が待っていることもあるのです。
合格したら終わり、ではありません。入学後も、子どもたちの学習にはお金がかかります。合格後のことまで考え、しっかり資金計画を立てるようにしてください。