中学受験の勉強のとも「椅子」
中学受験のために日夜勉強する子どもたち。そんな子どもたちを陰ながら支えているのが「椅子」。
普段あまり気にかけない椅子ですが、意外にも勉強の効率を上げるヒントが隠されています。中学受験の勉強のともである椅子について少し掘り下げてみていきましょう。
机より椅子が大切!?
小学校に入学するときに念入りに調べて購入した学習机。けれど、椅子は学習机についてくるもの、くらいの印象ではなかったでしょうか。
机には使いやすい機能がたくさんあって、使いやすいものがたくさんあります。
どんな機能を選べばやる気が出るのか、長く使えるか、などとあれこれ吟味し選んだことと思います。
一方、椅子の方は高さ調節はどのくらいできるか、固くないかといったことを少し確認する程度なのではないでしょうか。
実は、勉強ときの集中度合いに影響があるのは、机よりも椅子の方なのです。
確かに、使いやすい本棚や引き出し、引き出せるライトなどは子どもにとって勉強しやすい環境を与えてくれます。
けれど、実際に勉強をする子どもの体を支えるのは椅子ですから、選ぶ際は机以上にしっかりしたものを選ぶ必要があるのです。
購入時にはもちろん、長期間使っていくうちに高さが合わなくなったり、がたつきが出てきたり、クッションのコンディションが悪かったりすると集中力が落ちたり、疲れやすさを感じてしまいます。
また、椅子の種類によっては姿勢が悪くなることもあります。
一方、椅子の中には正しい姿勢を身に付けるための形状のものもあり、こういった椅子を取り入れることは、効率を上げるのに役立ちそうです。
子どもの勉強へのモチベーションを上げる机、集中力を高め勉強の質を高める椅子。どちらも慎重に選びたいものです。
姿勢が悪いと勉強にどんな影響があるの?
姿勢が悪くなると、なぜ勉強に悪影響なのでしょうか。
姿勢の悪さは、血液の流れを悪くし脳の働きを低下させるだけでなく、早々と疲れを感じ勉強に集中できなくなる原因になります。
猫背の姿勢は肩がすぼみ、頭が前方へ落ち込むような形になります。このような姿勢では首と肩で頭を支えることになり、肩や首が緊張し肩こりや首の疲れの原因になります。
特に子どもは体に対し頭が大きいので、姿勢が悪いと長時間集中できず姿勢がどんどん崩れていきます。
頬杖をついたり、べたっと机にくっつくような姿勢になってきている時は疲れて勉強に集中できていない証拠。少し休憩を取った方がよさそうです。
また、自分の書いている字や図が見にくく、ミスもしやすくなります。
これは特に低すぎる椅子に座っていると起りやすいことです。子どもの成長に合わせ、机も椅子もしっかりと調整が必要です。
姿勢が悪いと、教科書や参考書などと目が近くなり視野も狭まります。
文字が書かれている部分に集中してしまい前後関係を見落としたり、俯瞰的にみることができなくなるためひらめきや着眼点を得にくくなり、効率的な学習ができないことにも繋がります。
姿勢が悪いことによる弊害はこのほかにもたくさんあります。姿勢を正しく保つことが学習能力を上げることは学校や塾などでも言われることですが、高さが合っていなかったり、しっかりと腰を支える形状になっていない椅子では正しい姿勢を保ち続けることが難しいのです。
学校や塾、入試ではどうすればいい?
姿勢を正しくする椅子を使うことにより、集中して勉強するのに最適な姿勢を保つことができることをお話ししてきました。
けれど、家では「集中できる椅子」を使うにしても、学校や塾、そして入試の本番ではどうしたらいいのでしょうか。
早稲田アカデミーIBSのように生徒の学習能力を上げるための積極的な試みとして、姿勢を良くし集中力を高めるために機能的な椅子を導入している塾も増えつつあります。そしてその効果を十分に感じているようです。
そうでない塾や学校ではどうしたら良いでしょうか。
学校や塾で使う椅子を全て機能的な椅子に変えてもらうわけにはいきませんが、ガタガタしないか必ずチェックしましょう。
机や椅子がガタガタしていると気が散るだけでなく、がたがたしないように重心を傾けるため姿勢が悪くなります。
これは入試本番でも同じです。机や椅子のコンディションが悪く実力が発揮できないと大変です。
もし机や椅子がガタガタするようであればしっかりと申し出て対処してもらいましょう。
昔から言われてきたことですが、勉強に集中するためには正しい姿勢を保つことが大事です。
正しい姿勢を支えてくれるのが椅子の役目。中学受験を成功させるためにももう一度いい椅子選びをしてみてはいかがでしょうか。