学年別 春休みの使い方
春休みは、新学年が始まって2ヶ月、学習サイクルの見直しをする絶好の機会、というよりは見直しをすべき機会です。
塾で新学年に切り替わると、学習内容が高度になり、学習量も増えます。塾に通う日数や時間も、長くなることがほとんどです。
算数でいうと、ほとんどの進学塾では、この時期に計算や数に関する問題を学習します。4年生では小数や四則混合計算、5年生では分数の通分や、そのもととなる公倍数、公約数の考え方などです。
以降の学習の大もととなる計算ですから、確実に身につけておく必要があります。ここで不完全な知識や技術を習得してしまうと、後々まで影響が出るからです。
少しでも不安や苦手意識のある単元、分野が、この2月~3月の学習の中にある場合、春休みに確実に克服しておくことが必要ですね。
そこで、学年ごとの春休みの有効利用方法を説明していきます。
各塾とも、4年生の春期講習の通塾回数は4日~5日。時間も午前中のみで終わるなど、時間の余裕があります。これは、各塾とも春休みは新入塾生募集の時期にあたり、春期講習をきっかけに入塾する新入生に気遣った、無理のない日程になっているためです。
しかし、内容は復習ばかりとは限りません。たとえばSAPIXの場合、春休みまでに「大きな数」「角と角度」「植木算」「場合の数」「計算の工夫」「図形の性質」といった単元を学習します。この中に不安の残る単元がある場合、春休み中に確実に習得しておく必要がありますが、その際、春期講習で扱われる単元の中に同じような項目があると、そこで復習ができると考えてしまいがちです。しかし、2月~3月に学習する単元よりも一歩進んだ内容になっているため、前の単元の理解が十分でないと、さらにわからなくなってしまうのです。
空いた日程を上手に使い、それまで習った単元の復習をしておくことが大切です。
5年生になると、ほとんどの塾で2月~3月に「倍数・約数」の単元を学習します。その後の分数(通分)や、あまりに関する問題など、様々な単元の大もととなる単元だけに、確実にマスターしておく必要があります。幸い5年生も、春期講習の日数が4日~5日と、家庭での学習時間が取りやすい日程になっていますので、計画的に復習の機会をとりましょう。
5年生で注意したいのが、繰り返し学習に頼った学習法がついてしまっていないかということです。4年生のときに、毎週の単元を繰り返し学習して「暗記」することで、ふだんの成績を維持してきたお子さんは、思い切って春休みに学習スタイルを変えることが必要です。「復習テストは取れるけど、公開テストになると・・・」というお悩みがある方は、試してみてください。
1問をじっくり考えて解ききる、ということに1日数問ずつ取り組むのです。春休みが終わったら、1日1問にして継続すると良いですね。どのような問題を解けばいいかは、お通いの塾の先生に聞いてみるとよいでしょう。
6年生になると、日程的にも8日間以上と忙しくなります。学習内容ですが、日能研や四谷大塚のようにそれまでの復習をするタイプの塾と、SAPIXのように春期講習も年間カリキュラもの一部と捉えてどんどん進んでいく塾、浜学園のように単元を絞って掘り下げるタイプの塾と、様々です。お子さんがお通いの塾がどのタイプか、確認しておきましょう。特にSAPIXや浜学園タイプの塾にお子さんがお通いの場合は、2月~3月の学習内容のうち不安なものを復習する機会を、春期講習とは別にとることが必要です。
6年生は春期講習の拘束時間が4~6時間(例:SAPIXの首都圏教室では17時~21時)です。1日の空き時間を有効に活用しましょう。これまでのテストから、点数の悪かった単元を割り出し、そのテストそのものを解き直すのもよいですし、同じ単元を別の教材で復習してもよいですね。特に重要なのは比や割合に関する単元です。春を逃すと、夏は塾が忙しくて復習の機会がなかなかとれません。重要な事は、復習のテーマを決めて、きちんと時間を確保することです。