中学受験の勉強、いつからどんなことを始めればいいの?
中学受験の勉強を始める時期はいつがいいのでしょうか。
早ければ早い方が良いという考え方もありますが、実はそうではありません。お子さんによってベストなタイミグは若干違いますが、覚えておいていただきたいことも多いのです。
ここでは、中学受験の準備を始めるベストなタイミングについて、考えてみたいと思います。
早ければ早いほどいいわけではない
子どもに中学受験をさせることを考えた場合、親は「いつから受験勉強の準備をするべきなのか」と悩みます。
そして、早い時期から始めれば有利だ、と考える方も多くいます。
しかし、基礎学力を身に付けるのにはいくつかの段階が存在します。
基礎学力を鍛える時期に詰め込み学習をしてしまうと、「このような手順で作業すれば◯がもらえる。◯がもらえればお父さん、お母さんから褒められる」と、「暗記型」の勉強しかできず、公式にあてはめることは得意でも、自分で考えることができなくなってしまうのです。
受験に有利だと考えて先取り学習をさせた結果、雑な思考回路を持つ子になってしまうと本末転倒です。
中学受験のための勉強をするのは、知的好奇心をじゅうぶんに養ってからでも遅くはありません。
むしろ早い時期に受験勉強の先取りをさせたことによって、その後の受験勉強がうまくいかなくなる可能性が大きいのです。
子供に少しでも楽をさせたいという親心は分かるのですが、早すぎる受験の準備はマイナスにしかなりません。
小学校1年生、2年生くらいまでは、子どもが学びたいように学ばせてあげる時間をとることが大切です。
子供が学ぶ能力は大人が思っている以上に高いので、興味があることを学ぶ手助けしてあげてほしいのです。
豊富な実体験をさせておくことが大切
未就学のうちは、実体験が全て子どもにとっての授業となります。
豊富な実体験は、学校で習う勉強の基礎にもなっていきます。
その点をしっかり把握したうえで、様々な体験をさせてあげてください。
興味を持つことすべてが授業の一環ととらえ、一つ一つの疑問に対して解決するまで付き合ってあげるのも良いですね。
「分かった!」と納得することに快感を感じると、子どもは同じようなことを繰り返すようになります。
この時期は机に向かって勉強することと同じくらい、外に出て疑問を解決していくことが重要です。
日常生活の中には子どもにとっての疑問点や問題点が数多く存在します。
それらを解決することで、知的好奇心が満たされて快感を得られるのです。
親は、別に子どもの疑問すべてに答えられる必要はありません。
親にもわからないことは「いっしょに調べてみようか」でいいのです。
そうやってお父さん、お母さんといっしょに調べ物をした経験は、確実に子どもの財産になります。
「わからないことがあれば調べればいい、それがわかったときにとても気持ちいい」という基本的な考え方は、親との調べ物で子どもに根付かせることができるのです。
小3の2月までに「読み」「書き」「計算」の練習を
中学受験に備えて進学塾に入塾するのは、小3の2月がいいでしょう。
一般に、中学受験の進学塾では2月に新年度が始まります。
塾での新小学4年生は、学校で小学3年生の2月に始まるのです。
ではなぜ新小学4年生から入塾するのがよいのでしょう。
それは、塾のカリキュラムは4年生~6年生の3年間で、中学受験に必要な学習をすべて網羅し、受験対策の実戦的学習まですべて行うようにできているからです。
塾の新4年生で塾に入るためには、それまでに「読み・書き・計算」の勉強を重点的に行っていると良よいでしょう。
小1~小3までの間は基礎学力を繰り返し学ばせることが重要です。
子どもの集中力は短いと割り切り、毎日30分程度に収めて「学校の宿題以外の勉強」に取り組ませるのです。
「読み・書き・計算」をそれぞれ10分程度ずつ学習させますが、あとは反復練習です。
「読み」「書き」は、音読(後に黙読へ)や漢字の書き取り練習、これに「計算」も加えて30分。この継続が大切です。
新4年生で塾に入ってスムースに受験勉強を乗り切っていくためには、小学校での1学年上くらいの漢字や計算を身に着けておくことが大切です。
この「読み「書き」「計算」の反復練習に親が一緒に付き合ってあげると長続きします。
勉強は嫌なことではなく、お父さん、お母さんと毎日一定時間取り組むものなんだ、という「スタンダード」をお子さんの中に作ってあげるのです。
ここまでの準備を小3までに整えることができたら、入塾テストで上位クラスに入れる可能性が高くなります。
基礎学習の習慣がしっかりできているので、テストもそんなに難しく感じないでしょう。
分からないことは学ぶ姿勢もできているので、テストを受けた後もそれが次の勉強につながっていきます。
以上、中学受験の準備について考えてきましたが、いかがでしたでしょうか。
子どもの中学受験の準備は早ければ早いほどいいものではありません。
基礎学習はいくつかの段階を経てついていきますが、大切なのはお子さんが学ぶことで知的好奇心が満たされ、それが次の学習への意欲につながっていくということです。
読み・書き・計算を小3までにお父さん、お母さんと習慣化しながら、「新しいことを学ぶのは楽しい」ということを経験したお子さんが、中学受験でもその後の学びでも、大きく成果を出します。
ぜひ、学ぶ楽しさを小学校低学年までにお子さんにたくさん経験させてあげてください。
お子さんの将来への大きな財産になることと思います。