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中学受験 6年生が9月からやるべきこととは

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公開: 最終更新日:2021年07月15日

6年生の9月。

「受験の天王山」と言われる夏にたくさん勉強したはずなのですが、この時期に成績が下がってしまう6年生は意外にも多いものです。
大切な6年生の9月から秋にかけて、どのようなことに気をつけて過ごせばいいのでしょうか。

ここでは、中学受験を控えた6年生のお子さんの9月〜11月の過ごし方について考えてみたいと思います。

なぜ6年生の9月に成績が下がるのか

6年生の夏休みが終わり、親としては「いよいよここから、しっかり志望校に向かってがんばってほしい」と思うものです。
ところが当のお子さんの成績が、急に下がることがあるのが夏休み明けのテスト。
お母さんも気が気ではありませんね。

夏休み明けのテストで、お子さんの成績が急に下がってしまう原因には、どのようなものがあるのでしょうか。

ひとつの理由として、夏の間に時間に追われて「あたふた学習」を繰り返してしまった可能性が考えられます。
テストでも気持ちが焦ってしまい、問題文を最後まできちんと読めなくなったり、最後まで読まずに思い込みで解いてしまったりといったことが起こっている可能性があるのです。

また、毎日暑い中、塾での長時間の拘束などで、体力面で疲れが溜まっている可能性もあります。
夏の間、あまりにもたくさんの問題を解いたため、1問1問の問題の解き方が雑になっているのかもしれませんね。

いずれにしても、一時的なものだったら10月、11月と時間がたつにつれて調子が戻ってくるでしょう。
しかし、夏のあたふた学習が10月以降も続くようだったら要注意です。

基本的なことですが、ここで今一度「問題文をなぞって、大切なところに線を引きながら読む」「算数の文章題の問題文では、数値や単位に丸を入れる」といった基本的な問題の解き方をチェックし、実行するようお子さんに伝えるのが効果的です。

理科や社会といった暗記ものは、テストの前に重要事項を見直したり、まとめ直すといった作業をさせてみるのもいいでしょう。

テスト結果の合格可能性が低くても、まだ今ならチャンスはある

8月末、9月の段階で、志望校への合格可能性が70%を超えているお子さんは、実は少数です。
4か月、5か月後に第一志望校に合格するお子さんの大半は、9月の時点では合格可能性が20〜40%(あるいはそれ以下)だった子です。

つまりここから数か月の過ごし方で、合格の可能性が大きく変わるということです。

8月末、9月のテストで結果が出なかったのなら、まずは自信とモチベーションを蘇らせることが大切です。
9月〜11月の時期はまだまだ力が伸びている時期と考えて、ひとまず落ち着いて学習できる心理状態になることが大切です。
焦りは禁物です。

9月からの学習で求められることは、実は夏期講習と同じ

9月からの学習で塾から求められることは、実は夏期講習のときと同じで、とにかく問題を多く解くことです。
とにかく問題を解き、解くことで見つかる課題を自分なりに解決することで、実践力をつけることを目指します。

ある意味、夏期講習は9月からの学習の「予行演習」だったということですね。
夏休み前までに(社会の公民分野を除いて)受験に必要なことはすべて学んでしまったので、夏休み以降は「アウトプット」の練習が学習の中心です。

ここから本格化する志望校別特訓も、まさにアウトプットの練習に他なりません。
しかもその題材になるのは、お子さんの志望校の過去問とその類題です。
志望校別特訓の勉強を通して、志望校の出題傾向や問題パターンにも慣れていくはずです。

それを信じて、とにかく前向きに「解いては学び直す」ということを繰り返していく必要があります。

11月には大きな決断が必要

9月からの学習によって第一志望校合格への「目鼻」がついたかどうかを判断するのが、11月くらいの時期です。
多くの塾で、この期間に学校別の模擬試験が行われることと思います。
自分の志望校の模試を受け、塾からの合格者の予測人数を目安に、合格を現実的に狙える位置にいるかどうか、成績順位で確認します。

その結果により、もし成績、順位が全く届いていない場合は、第一志望校を受験するのか変更するのかという、大きな決断をする必要があります。

ただここでも「順位が届いていないから志望校を変更する」という決断をするのか、それでも現実的に受験する方法で勉強を続けるのか判断するのは、ご家庭です。
お子さんの思い、ご家庭の方針などすり合わせて決めるのがいいですね。

9月から11月は、学校行事も多く疲れも出やすい時期です。
精神的にも良い状態で勉強に取り組めるよう、親御さんはお子さんの体調管理に留意してサポートしていきたいですね。

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