5年生後半の「志望校判定系」テストでわかること
5年生の9月。夏休みが終わり、学校でも2学期が始まります。
さて、6年生までの数ヶ月、どういったことに気をつければいいのでしょうか。
ここでは、6年生になるまでの約5か月の間に行われる、「志望校判定系」テストの結果でわかることを考えてみます。
5年生後半に行われる「志望校判定系」のテストの出題傾向とは
サピックスでは、9月上旬に志望校診断サピックスオープンが行われ、同様のテストが次は11月下旬に行われます。
日能研でも、1月まで月1回のペースで実力判定テスト(公開模試)が行われる一方、12月にはPRE合格判定テストが行われます。
他の塾でも、5年生後半のこの時期は、いよいよ近づく6年生にむけて、現時点での合否の可能性を判定するテストが行われる場合が多いです。
こういったテストの役割は、合否の可能性を把握するということもあるのですが、それのみに注目してしまってはいけません。
こういった志望校判定のテストは、問題がいわゆる入試問題レベルです。
入試問題レベルというのは、難度が高いというだけでなく、問題のタイプが入試問題的なのです。
入試問題的というのは、いわゆる「定番問題」「パターン問題」ではないということです。
パターン問題に対応できるだけでは、難関校の入試問題には対応できない
「定番問題」「パターン問題」というのは、いろいろな学校でよく出題されるタイプの問題、つまり塾では基幹講座、サピックスではデイリー、日能研では本科教室といった平常の授業テキストに収録されているタイプの問題です。
テストでいうとサピックスのマンスリー復習テスト、日能研のカリキュラムテスト、四谷大塚の週例テストなどに出題されるタイプの問題が、いわゆる定番問題です。
サピックスのオープンテストや日能研の公開模試でいうと、算数の大問1や2に出題されるような問題ということになります(大問1は計算問題の場合が多いですが)。
それに対して、テスト後半の大問はよりオリジナリティの度合いが強い問題、多くの受験生が過去に見たことがない、つまり初見の問題が多く、だから難度も高いのです。
テストが入試問題的というのは、このタイプの問題が占める割合が多いということです。
特に難関校、首都圏では御三家を中心とした学校は、こういった問題傾向が強く、定番の問題やパターン問題をいくら解けても、合格点が取れないような出題になっています。
5年生の後半に行われるテストも、そういった出題傾向に近い問題構成になっていることが多いのです。
志望校判定系のテストで分かるのは、現時点でお子さんが初見の問題に対してどのくらいの対応力を持っているかということなのです。
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志望校判定系のテスト結果=学力 というわけではない
こう考えてくると、志望校判定系のテスト結果が悪かったとしても、それがそのまま「学力が足りない」ということではない、ということがわかります。
志望校判定系のテスト結果が悪かった場合、その原因は以下の2つ考えられるからです。
- 1.学力が足りないため点が取れていない
- 2.学力はあるが、入試問題的な問題、つまり「初見」の問題への対応力がついていないため点が取れていない
ですから、5年生後半の時期に行われるテストの結果をうけて(もちろん結果がいい場合はいいのですが、そうでない場合は)、いくつかの原因の可能性をしっかり考えて対策を立てる必要があるのです。
もちろん、初見の問題への対応力まで含めて本当の学力とも言えるのですが、今お子さんに足りないのはどの部分なのかを正しく把握して対策することが、5年生の後半の時期には大切なことなのです。