中学受験情報局『かしこい塾の使い方』

四谷大塚のかしこい使い方 攻略マニュアル 2023年度(新カリキュラム対応版)

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公開: 最終更新日:2024年01月29日

こちらの記事は、四谷大塚をお子様が使いこなすために重要なことを実績をもとに分析したものとなります。ぜひ最後までご覧ください。記事の末尾に四谷大塚をお子様が使いこなせているかチェックするスピード診断がありますので、ぜひご利用ください。

目次

四谷大塚とは?

四谷大塚は、もともとテスト会として始まったこともあり、 6年生が受ける「合不合判定テスト」は指標として非常に安定しています。

サピックスの生徒も合不合判定テストには参加していますから、難関校の合格判定はかなり正確で役立ちます。

しかしここ数年、レベルの高い生徒を他塾に取られているのか、以前の「準会員になるのも難しい」という権威は、見る影もありません。

また、サピックスや日能研が「復習主義」で伸びてきたのに対して、家庭学習において「予習シリーズを使っての予習が不可欠」という面において、「予習主義」と格好の批判の的にされてきました。

四谷大塚に通うお子さんが体験する3つのハードル①「多種類の問題集に目利きが必要」

まず、一口に四谷大塚といっても、平日教室、日曜教室、通信教育、準拠塾(YTネット)、とその受験への取り組み方は多種多様です。

準拠塾に通われている場合は、志望校や学力に応じて適切な教材が使われているのかどうかに特に注意を払う必要があります。

計算・漢字とことば・最難関問題週・四科のまとめ・算数難問題集・週テスト問題週・演習問題集など多種類の問題集からどれをメインとして使っていくかの目利きがその塾の力量です。

もちろん自宅学習という選択もありますが、その際はさらに使用する教材を絞り込まねば何処からどう手を付けて良いものやら解らなくなってしまうことも良くあるようです。

また、算数の予習シリーズも良くできたテキストで、定期的な改定により、収録される問題数も豊富になっています(むしろ多くなりすぎているきらいもあります)。

理科と社会の予習シリーズは、受験参考書として最高と言えるものです。

写真が多く子供の視覚に訴える要素が多いのが特徴です。

説明の文章をしっかりと読み、写真や図も注意深く見ていくという勉強を是非させてください。

ただ、理科においては、計算単元の問題数が不足しています。

「力学(てこ・輪軸・滑車・バネ・浮力)」もそうですし、もっと不足しているのは「化学(気体の発生・中和)」です。

こちらは「中学受験 すらすら解ける魔法ワザ 理科・計算問題」などの問題集で補填していく必要があるでしょう。

となってくると、どうしても先に申し上げた目利きが重要になります。

準拠塾の場合は担当の先生方にしっかりと学習方法に関して質問しておかれるほうがよいでしょう。

四谷大塚に通うお子さんが体験する3つのハードル②「その週の学習が、日曜テストまでに間に合わない」

問題集についての内容が続きますが、いろいろな学力の生徒に対応するために、本当に多種類の問題集があります。

しかもそれぞれの問題集に必要なレベルの良問がそろっていますが、どの問題集のどの部分をやっていけばいいのかの判断が一番難しいのです。

場合によっては、もっとコンパクトにまとまっている四谷以外の問題集を利用する必要も出てきます。

お子さんにとって、易しすぎる問題や難しすぎる問題を省いていくことが大切です。

そうでなければ、いろいろな問題集を全てやろうとして自滅してしまうことになりかねません。

四谷大塚の授業は事前予習→授業→復習→確認のサイクルで進みます。

具体的には、事前学習で予習シリーズを使い予習をした上で、授業を聞いて理解を深めます。

その後、家庭で問題演習による復習を行い、週末にテストを受けて理解度をチェックするという流れになります。

そして5週に1度、総合確認のためのテスト(公開組分けテスト)を行い、既習事項に再度取り組むことによって、学習内容を確実な定着を狙うカリキュラムになります。

このサイクルのうち、事前学習が曲者で、なかなか上手く家庭での事前学習が進まず、むしろ授業後の復習に手間取って予習ができない、当然授業内容もいまひとつ解らず復習に更に手間取り、テストに間に合わない、なんていう声を良く聞きます。

四谷大塚に通うお子さんが体験する3つのハードル③「親が関わることが前提」

四谷大塚のカリキュラムは、「予習シリーズ」という名前からも分かりますが、親が関わることを前提にしていますので自学自習の上でのテストが基本です。

ただし四谷大塚の日曜テストは、模擬テストです。テスト後に解説はあるものの、授業に比べると短時間で、限られたものです。

日曜テストに出席して、短時間の解説授業を受けたからといって、それだけで成績の伸びを期待するわけにはいきません。

このテストに向けての学習をお母さんが教える場合は、お子さんが混乱しないように、ご自身がしっかり勉強された上でフォローされる必要があります。

お子さんが小学校に行っている間にお母さんが予習をして、お子さんに教えられたお話を何人からも伺いましたが、うまくいった例は多くありません。

中には小学校の先生をされている方もいらっしゃいましたが、成功例はせいぜい20%です。

自分の子には、なかなか冷静に教えることができないものですから。

しかしそのシステム上、親が関わることがほぼ必須条件であることは頭においておく必要があります。

四谷大塚の攻略方法「特にaコースの方は算数に時間をかけてください」

組分けテストなどでも算数の配点が大きいので、算数の基本ができていればbコースに上がることはそれほど難しくはありません。

まずは計算と予習シリーズの基本問題を確実に解ける(=説明できる)ようになることを目指します。

予習シリーズの例題には難しいものも混ざっていますので、まだ全ての例題ができなくても大丈夫です。

予習の段階である程度の理解を進めておく事が非常に重要ですので、ある程度の学習時間を確保し、可能ならば予習をプロ講師に任せてしまうのも良いかもしれません。

特に、テスト直しはなかなか生徒一人ではできないので、自分でできるようになるまでは保護者かプロ講師が一緒に取り組み、正答率が高いのに間違えたところを確実に理解できるようにしたいところです。

四谷大塚の攻略方法「bコースでは教科バランスに留意してください」

bコースで伸び悩んでいるお子さんは、4教科のいずれかに苦手科目がある場合がほとんどのようです。
弱い科目があると、仮にcコースに上がったとしてもかなり厳しいテスト結果になるので、学習意欲が低下する場合があります。

得意科目を1つ作り、予習からスタートする学習サイクルを乱さないように成績を伸ばすと同時に、他の弱点科目の底上げを考えるようにしましょう。

例えば、最初に算数を十分得意と言える状態にまで早急に仕上げ、余裕を持って家庭学習に取り組む事ができる状態に仕上げつつ、同時に国語の学習時間をふやして、まずは漢字と語句の問題は間違わないように仕上げていく、といった手法です。

四谷大塚の攻略方法「cコースでは入試に直結した傾向対策を意識してください」

cコースに定着している生徒の多くは、首都圏の御三家をはじめ、関西では灘・東大寺・洛南などの難関校を志望しているでしょう。

このcコースの生徒の場合、必要な学習内容や目標設定は一人ひとりさまざまです。

校舎によっては、授業中に渡される補充プリントが多く、こなしきれないほどの枚数になることもあります。
難しくないものでも、量が多ければその分時間はかかるので、家庭学習の時間を圧迫することになります。
この場合は、志望校と今の学力を考えて取捨選択する勇気も大切になってきます。

一方、校舎やクラスによっては、授業、宿題の質・量が不足していることもあります。四谷大塚のメインテキスト「予習シリーズ」は、2021~2023年にリニューアルし、

  1. 1.算数の進度が大幅に早まり、サピックスと同等になった
  2. 2.算数は4年生の夏休みにカリキュラムを進めて、5年生上の内容を4年生下に移動
  3. 3.6年生の算数上は、旧版よりやや易しくなった

という変更が加えられました。

サブテキストである「演習問題集」の問題数も少なくなり、取り組みやすくなっています。

御三家など偏差値レベルが高い中学校を目指す子どもにとっては、「最難関問題集」が用意されていますが、別途、難関合格のための取り組みのスケジュールを組み、必要があれば問題集を買い足したり、個別に指導してもらえるプロ講師を探したりする必要があるかもしれません。

四谷大塚のテキスト類の解説は、全般的に「大人向け」で、子供が読んで理解しづらい印象ですが、cコースのお子さんは自分で読んで理解できる範囲が多いはずです。

予習→授業→復習→確認のサイクルを毎週しっかりこなし、週例テスト、月例テストだけでなく、組分けテスト、そして6年生になったら合不合判定テストで成績が出せる学習スタイルを目指してください。

四谷大塚をかしこく使って合格を目指す「慶応普通部」編

四谷大塚 慶応普通部「算数」対策

『予習シリーズ』で一通りの標準~応用問題の学習はできるので、通常の学習内容をきちんと理解して確実にできるようにすることを最優先に学習していきましょう。

その際に単なる手順の暗記ではなく、解説にあるような
「なぜそのように解き方で解けるのか」
という点もきちんと押さえた学習が必要です。

考え方は標準的であっても予習シリーズそのままの問題が入試で出るわけではないので、単なる丸暗記ではちょっとした違いに対応できないことにもつながります。

週例テストでは点がとれるのに合不合判定テストで急に成績が落ちるような場合には、解法丸暗記型の学習になっている可能性が高いので注意が必要です。

確実性を高める上では、一定量の問題演習も重要になります。
演習問題集、総合問題集なども併用し、演習量も確保しておきましょう。

実務教育出版の『中学受験 すらすら解ける魔法ワザ』シリーズなども併用することで、基本的な解法の使い方を演習することができるので、できればこちらも併用して学習することをおすすめします。

四谷大塚 慶応普通部「国語」対策

四谷大塚生は、予習シリーズという宝を持っているので、1回について読むだけの時間を30分くらい作って読み取り精度の向上に費やせばよいでしょう。
これが慶應普通部向けの家庭学習です。

文章の長さの割には設問数が多いので、予習シリーズは細かく深く読み取ることを目的として編集されています。書き抜き問題を重点的にやりましょう。

書き抜くためには問題文をどうしても丁寧に読まなければならないからです。

予習シリーズの知識分野は学校によっては学習量が多すぎる場合があります。
慶應普通部がまさにそれに該当します。

6年の1学期までは受験校に関係なく、きちんと知識分野を学習する時間が必要ですが、2学期以降は漢字と語句の意味用法に特化した知識学習を薦めます。

四谷大塚 慶応普通部「理科」対策

四谷大塚の週例テストの復習は正答率40%以上の問題を復習してください。

ミスによる失点に気がついたときには、

  1. 1.読み間違いによる失点
  2. 2.知識の曖昧さによる失点
  3. 3.考え方の勘違い

を自分なりに判断をして、そのミスをなくすように普段の学習から変えていく努力をしましょう。

四谷大塚 慶応普通部「社会」対策

四谷大塚のメインテキストである予習シリーズは、慶應普通部が要求している知識量を満たしています。

ただ、予習シリーズの問題は、その本文の充実した内容に比べて易しすぎるので簡単に正解してしまいます。
ここが、盲点になります。

知識を有機的に関連させて理解し、記憶する事を意識して授業に臨みましょう。
語句をばらばらに暗記するのではなく、他の事項と関連させて覚えるのです。

夏ごろ購入する最新年度の中学入試問題集をうまく活用し、記号選択問題だけを「つまみ食い」して演習するのも効果的です。

慶應普通部の時事社会問題に立ち向かうためにも、早い時期から時事社会問題に着手しましょう。
日常の学習の中で、時事的・社会的な問題意識を持っておくことが大切です。

2学期からの合不合判定テストなどの模擬テストで時事社会問題が出題されるのに、準備ができているのが理想です。

四谷大塚をかしこく使って合格を目指す「栄光中」編

四谷大塚 栄光学園中「算数」対策

四谷大塚の通常の学習で使用される『予習シリーズ』は標準的な解法の習得を主にしたものです。

従ってその内容をきちんと学習することは、どの学校を受験する上でも必要なものですが、それだけでは栄光学園の対策には不足しています。

四谷大塚の「算数難問題集」や「最難関問題集」や市販の「中学への算数」およびその別冊にある、中学入試に出された問題でパズル的要素の強いもの(このような問題の場合予備知識はそれほど必要としないことが多いです)に取り組んでみるとよいでしょう。

四谷大塚において栄光学園向けの対策が行われるのは、6年生後期からの特訓コースになります。

栄光学園の傾向を踏まえた問題を学習しますが、その解法を理解して使えるようにするだけでなく、自分で考えて「なぜその解法に至ったのか」ということを納得することが大切です。

四谷大塚 栄光学園中「国語」対策

四谷大塚の予習シリーズは、栄光学園の記述対策の基礎編と考えましょう。
早目に過去問を演習する、類題校の過去問を演習するなどして、実践演習をするのがよいでしょう。

予習シリーズの使い方を工夫することでも実践演習になります。
予習シリーズの物語文の心情理解に関する記号選択問題、自然科学系の文章の内容理解に関する記号選択問題を、記述問題にして訓練します。

選択問題で正解を選び出すことができていても、その内容と一致する文章を自分で書いて答えるのは難しいものです。

このような練習が、栄光学園の国語対策になります。

1週間あたり50字程度で5問、自分で記述の訓練用として予習シリーズを栄光学園向けに再利用してほしいです。

また、栄光学園は言語知識分野においては、漢字以外ほとんど出題されないので、予習シリーズのボリュームたっぷりの知識分野には、力を入れすぎないようにしましょう。

四谷大塚 栄光学園中「理科」対策

栄光学園の理解に対応するためには、クラスとしては、Cコースの上位またはSクラスであることが必要です。

また、栄光学園に実績がある校舎であればなお有利です。

どの大手塾でもあることですが、担当講師の指導法とその学校の相性があるものです。
やはり上位校の担当実績の高い講師は、難関校に適した解法を知っているものです。

小6の2学期からは、志望校対策を行っていくことになります。
その際、算数難問題集は必ず解き込むようにしてください。

また、志望校別特訓にも出来る限り参加するようにしてください。

四谷大塚 栄光学園中「社会」対策

栄光学園の社会の特徴に合わせて、記述問題を重点的に学習しましょう。
記述問題の正答率を上げるためには、予習シリーズを暗記ではなく理解と記憶に力点を置いて読むことが必要です。

特に、因果関係や事実関係を考えながら解くことが大切です。

栄光学園は1つの大きなテーマを巡って総合問題のかたちで出題するので、このような出題傾向に沿った問題もやる必要があります。

予習シリーズの知識を活性化するためにも、四谷大塚生は入試問題集などから同じようなタイプの問題を10題程度演習をしましょう。

四谷大塚をかしこく使って合格を目指す「駒東」編

四谷大塚 駒場東邦中「算数」対策

四谷大塚では、6年生前半の「予習シリーズ 6年上」は4年生、5年生内容をトレースする内容で、標準レベルの復習問題が中心になります。。
駒場東邦中の目指すなら、6年生前半までの予習シリーズの問題は、確実に解けるようにしておきましょう。

問題量・レベルが物足りないと感じるならば、「演習問題集」「最難関問題集」、市販テキストなら東京出版の「ステップアップ演習」などを使ってさらに力をつけるのも良いでしょう。

6年生後半からは、学校ごとのコースが設けられています。
駒東の過去問、類題演習をしますので、それを中心に学習を進めましょう。

四谷大塚では他の塾に比べると宿題に対する強制力も少なく精神的に追い詰められることは少ないですが、その分自分でしっかりと学習をする必要があります。

四谷大塚 駒場東邦中「国語」対策

予習シリーズは、記述問題が適度に織り込まれていますが、平常授業で記述問題をすべて演習するわけではないようです。

約半分の問題を記述で答えなければならない駒場東邦中に対応するために、授業で解かなかった記述問題にも取り組むようにするとよいでしょう。

一方で、予習シリーズは物語文の読み取り方を丁寧に説明しているので、その説明は何度でも読み返す価値があります。
これは国語の何度が高い駒場東邦中を目指す受験生にとって、四谷大塚が有利な点です。

予習シリーズ中心の問題演習が不十分だと感じれば、「演習問題集」「最難関問題集」などで演習量を確保しましょう。

また、四谷大塚の志望校別特訓の授業を活用するだけでなく、学習院女子など、駒場東邦中と似た出題傾向の学校の過去問演習にも早目に着手するのがよいです。

6年生後期には、四谷大塚生であっても思い切ってサピックスのSS特訓に参加することも、場合によっては視野に入れた方がいいでしょう。

四谷大塚 駒場東邦中「理科」対策

小4から予習シリーズを「しっかり学習」してきていれば、駒東受験のための知識単元は大丈夫です。

予習シリーズには、必要な知識が9割は網羅されています。
その知識が正しく使えるかどうかが最大のポイントになります。

予習シリーズを「しっかり学習」できている状態とは、知識同士をつなぎ合わせていくことや、事象の因果関係を理解しようという姿勢で学習していることです。

重要事項の暗記は、文章を読む中で行ってください。語句の単純暗記に陥らないようにお願いします。

駒東を受験するに当たって、「予習シリーズ」だけでは演習問題の量が不足します。
そして予習シリーズ自体、理科の計算単元の問題数が不足しています。

力学・水溶液や中和の化学計算など「演習問題集」、「最難関問題集」市販の「中学受験 すらすら解ける魔法ワザ 理科計算問題」などの問題集を使った問題補充をお勧めします。

四谷大塚 駒場東邦中「社会」対策

四谷大塚のメインテキストである予習シリーズ中心の学習だけでは、駒場東邦中への合格は難しいものがあります。

予習シリーズの熟読は、確かに合格への道の礎にはなりますが、早目に駒場東邦中の出題傾向に対応した学習を取り入れましょう。

テレビ、新聞、小学生向けの雑誌などで、国際社会や日本社会の様子に少しでも触れる必要もあります。

6年生の夏休み前後から、最新年度の入試問題集を活用して、資料や統計を読み取る問題、リード文が長い問題などに親しんでおきましょう。

四谷大塚をかしこく使って合格を目指す「女子学院中」編

四谷大塚 女子学院中「算数」対策

四谷大塚の「予習シリーズ」だけでは問題が不足します。
「演習問題集」「最難関問題集」で補充することも必要でしょう。

四谷大塚の教材はよくまとめられています。
図形や特殊算に関して必要事項は網羅できますので、予習シリーズの6年上まではしっかりとマスターしておいて下さい。

整数問題や場合の数、いくつかの単元の融合問題など新傾向の問題には、東京出版の教材(「中学への算数 わくわく算数100題」など)で練習をしておくとよいでしょう。

模擬テストは四谷大塚には合不合判定テストと学校別判定テストがありますから、これで実力が試せますが、判定については厳しめに捉えた方がよいでしょう。

四谷大塚 女子学院中「国語」対策

「予習シリーズ」の国語は、様々な塾テキストの中でも、まさに女子学院向けのテキストです。丁寧に読み取ることを要求する作成方針が、女子学院の入試問題の作成目的と合致しているからです。

四谷大塚生は、「予習シリーズ」をきちんと消化すれば、それ自体が女子学院対策になります。成績が伸びないのは、テキストの使い方に原因があります。

自分ではしっかり読んでいるつもりでも、いざ問題を解く段階になるとわからないという場合は、文章の読み方がまだ大雑把ということです。

そう感じなくなるまで丁寧に読む習慣がつけば、女子学院の問題への対応力がついたということです。

四谷大塚 女子学院中「理科」対策

小4から予習シリーズを「しっかり学習」してきていれば、女子学院中受験のための知識単元は大丈夫です。予習シリーズには、必要な知識が9割は網羅されています。

その知識が正しく使えるかどうかが、最大のポイントになります。

予習シリーズを「しっかりと学習」できている状態とは、知識同士をつなぎ合わせていくことや、事象の因果関係を理解しようという姿勢で学習していることです。

ですから、重要事項の暗記は、文章を読む中で行ってください。

知識の単純暗記に陥らないようにお願いします。
予習シリーズの説明を隅から隅まで読んでから、覚え込む学習を続けてください。

「予習シリーズ」のみだと、演習問題の量が不足します。
「演習問題集」「最難関問題集」も併用し、40分で40個程度の解答を素早く出していく練習をしておくと効果的です。

四谷大塚 女子学院中「社会」対策

四谷大塚のメインテキストである「予習シリーズ」は、時事社会問題が不足していること以外は女子学院が要求する知識量を「ほぼ」満たしているため、最適なテキストです。

ただし、予習シリーズを丸暗記のために熟読する学習姿勢は女子学院向けではありません。

女子学院の社会は、合格最低点が高いので、「捨て問」はありません。
知識の意味や因果関係、背景などを問う問題も正解しなければなりません。

丸暗記型の読み取りでは、このような問題に太刀打ちできないのです。
語句の暗記だけでなく、語句どうしのつながり、流れを覚えることを心がけることが大切です。

四谷大塚の合不合判定テスト・学校別判定テストなどの判定は、やや厳し目に見たほうがいいでしょう。

四谷大塚をかしこく使って合格を目指す「桜蔭中」編

四谷大塚 桜蔭中「算数」対策

四谷大塚で通常学習する『予習シリーズ』は、改定によって難度が上がりましたが、定型的な問題が中心なので、それ自体をしっかりと習得しておくことはとても大切です。
しかし、それだけでは桜蔭中の対策としては不十分です。

四谷大塚の学習において桜蔭中向けの学習を本格的に行うのは、6年後期の「学校別対策」でお茶の水校舎・横浜校舎・津田沼校舎で行われる「桜蔭コース」のみですから、このコースに在籍し、学習することは必須と考えてください。

6年前期までに標準的な解法をきちんとマスターし、後期は特別コースを軸として取り組むようにしていきましょう。

市販の書籍では『中学への算数』や『ステップアップ演習』などで定番問題とその中でもやや難度の高い問題も扱われているので、予習シリーズの内容がきちんと理解できた上でまだ余力があるのであればそのようなものに取り組むようにしていきましょう。

四谷大塚 桜蔭中「国語」対策

四谷大塚生は、よい指導者の適切なアドバイスの下に、桜蔭レベルの文章を選定してもらって読み込むトレーニングを積んでほしいところです。

段落の要約と文章全体の要旨、主要登場人物の心情展開を記述する学習を進めることが必要です。例えば、最新年度の中学入試問題集から高度な内容の文章を20題くらいピックアップして読み取りと記述の訓練をすることをお薦めします。

また、予習シリーズ自体が細部の読み取りに重点を置いているため、桜蔭の骨組み重視の出題傾向とはずれがあります。

予習シリーズを徹底的に消化するのは逆効果になるかもしれないので、注意してほしいところです。
予習シリーズの言語知識分野は、ほとんど桜蔭には出題されません。

手抜きしてしまうという方法もありますが、テストの成績や併願校の受験に悪影響を及ぼすので、学習時間に配慮して対応しましょう。

四谷大塚 桜蔭中「理科」対策

小4から予習シリーズをしっかり学習してきているならば、桜蔭受験のための知識は大丈夫です。予習シリーズには、必要な知識が9割は網羅されています。
その知識が素早く正しく使えるかどうかが最大のポイントになります。

桜蔭中の理科においては特に、知識同士をつなぎ合わせていくことや、ものごとの因果関係を理解しようという姿勢で学習することが大切になります。

重要事項の暗記は、文章を読む中で行ってください。
知識の単純暗記に陥らないようにしてください。

一問一答などで学習する際は「問題を読んで答えを出す」ことと「答えである語句を読んで問題文を答える(説明する)という両面からやっておくとよいでしょう。

桜蔭を受験するに当たって、予習シリーズだけだとどうしても演習量が不足します。演習問題集は、発展問題まですべてこなしておくとよいでしょう。

その上で余力があれば、市販本を使った問題補充をお勧めします。
小6の夏か2学期から、「4科のまとめ(理科)」を使うことになるのですが、余りにも穴埋め箇所が多すぎてやや非効率です。
市販の暗記用教材を使って、学習時間の短縮を図るのがよいでしょう。

四谷大塚 桜蔭中「社会」対策

桜蔭の社会の特色は、

  1. 1.出題傾向が地理と歴史に偏っていること
  2. 2.選択肢の文がかなり長く、その文章表現がかなり難しいので暗記中心型の学習では対応できないこと
  3. 3.記号選択問題では難問が含まれること(例えば3つの文章について「Aだけが正しければア、Bだけが正しければイ、Cだけが正しければウ、AとBが正しければエ…など選択肢が多く複雑など)
  4. 4.あるテーマに沿った問題が出題されること
  5. 5.資料の読み取りに関する問題が出題されること
  6. 6.社会的な問題・常識に関する問題が出題されること
  7. 7.時間の割には問題数が多いので処理スピードが大切であること(30分で記述問題も含めて50問程度)

です。

このような桜蔭の出題傾向を踏まえると、地理と歴史の記号選択問題でどれだけ得点できるかが合否の別れ道になります。

四谷大塚生は、予習シリーズの本文の内容消化が90%以上でないと桜蔭の出題レベルを満たすことができません。

桜蔭の入試の特徴である長めの選択肢問題、つまり語句の選択ではなく文の内容の妥当性を選ぶ問題に正解するためには、正解以外の選択肢がなぜ間違いなのかを徹底的に学習するという質の高い学習が必要です。

丸暗記型のテキスト読み取り学習では、このような問題に太刀打ちできません。

四谷大塚で実施される合不合判定テストを含めた諸テストの問題水準と桜蔭のそれとを比較すると、明らかに桜蔭の方が難しいです。

早目に桜蔭の過去問にとりかかりましょう。
問題水準を早く知ることが合格への近道です。

四谷大塚をかしこく使って合格を目指す「早稲田中」編

四谷大塚 早稲田中「算数」対策

改訂版「予習シリーズ」は問題レベルは早稲田中を目指す受験生にとって適していますが、単体では問題量がやや不足しています。「演習問題集」「総合問題集」も併用し、演習量を確保しましょう。
夏以降は、東京出版の「中学への算数 わくわく算数100題」などを使用し、秋以降は過去問を中心とした実践的対策を行うのが望ましいでしょう。

四谷大塚 早稲田中「国語」対策

四谷大塚の予習シリーズは、他塾のテキストと比較して最も早稲田中に対応したテキストと言ってよいでしょう。
予習シリーズは、読み取り精度の向上という観点から編集されているからです。

四谷大塚生は平常授業を大切にすることが早稲田中合格への近道になります。

ただし、実際の入試問題に比べて、予習シリーズの問題文は易しい傾向があるので、四谷大塚生には少し難しい文章にも慣れる学習をお薦めします。

早稲田中の類題校演習や、最新の入試問題集の中から、偏差値が高めで、文章がそれほど長くない、記号選択中心の中学をピックアップして演習すると、予習シリーズの長所が一層活かせて早稲田中の合格が近づきます。

四谷大塚 早稲田中「理科」対策

四谷大塚の「予習シリーズ」は、単体では問題量が不足しています。

「演習問題集」や市販の「中学受験 すらすら解ける魔法ワザ」なども併用し、典型的な入試問題への対応力をつけておく必要があります。

夏以降は市販の入試問題集や「演習問題集 有名校対策」なども併用し、近年の入試問題のトレンドにも馴染んでおくことが大切です。

問題傾向はオーソドックスですから、ある程度の演習量をこなして、高度すぎないレベルの問題をスピーディー且つ正確に解く訓練を積んでおきましょう。

四谷大塚 早稲田中「社会」対策

四谷大塚生にはメインテキストの予習シリーズの繰り返し学習をお薦めします。

早稲田中の対策としては、予習シリーズ以上の知識量はほとんど必要ありませんが、理解し暗記した知識がストレートに問われるとは限りません。

早稲田中の設問の切り口に対応できる正確な知識、記号選択問題の紛らわしい文を識別できるだけの読み取り能力を身につける学習が肝心です。

四谷大塚生はこのトレーングを自分で早目に意識して行ってほしいです。

四谷大塚をかしこく使って合格を目指す「麻布中」編

四谷大塚 麻布中「算数」対策

四谷大塚の平常の授業は「予習シリーズ」に準拠して進みますが、麻布中の問題とくらべると非常に易しいものです。

麻布中でも基本事項の理解が得点の土台となることは間違いないので、6年生前半までは予習シリーズに出てくる事項はその理由も含めてきちんと理解した上で、すぐに使えるように練習しておきましょう。
併願校の対策においても重要となります。

四谷大塚で麻布中に向けた思考力を身につけるには、学校別対策コースに入るのが合格への最短距離です。

麻布コースに入ったら、その教材を活かして麻布中の傾向を踏まえた演習を繰り返していくことで力はつきます。

四谷大塚 麻布中「国語」対策

四谷大塚生から麻布中を目指すなら、平常授業のメインテキスト「予習シリーズ」以外のテキスト、講座にも力を入れなければなりません。
麻布中レベルの記述問題がやや不足しているからです。

サピックスのように平常授業で記述問題をたくさん取り入れている塾でなければ、日頃から記述の訓練をして、学校別対策コースの授業で記述特訓を受けたときに、最大の効果が出るように備えておきましょう。

記述問題の不足を補うために、予習シリーズの使い方を工夫しましょう。
予習シリーズの物語文の心情理解に関する記号選択問題に、記述問題として答える訓練をするのです。

選択問題で正解を選び出すことができていても、記述問題としてその内容と一致する文章を自分で書いて答えるのは難しいものです。
一週間あたり50字程度で5問、記述訓練用にテキストを使えば、麻布の記述対策として効果があります。

四谷大塚 麻布中「理科」対策

四谷大塚の「予習シリーズ」はよくできたテキストですが、単体では演習問題が不足しており、麻布中学校のような特殊な傾向の問題には対応していません。

「演習問題集」(~6年生7月)
「演習問題集 難関校対策」(6年生9月~)

その他市販の入試問題集などを併用し、リード文の長い問題に馴染んでおくことが必要です。

麻布中学校の対策としてもっとも適しているのは、何よりも麻布中学校の過去問です。

リード文を読んで考える、分からなければリード文に戻ってヒントを探すという練習を繰り返し、解くときの手順が完全に身につくまでにしておけば、かなり合格に近づくといえるでしょう。

四谷大塚 麻布中「社会」対策

四谷大塚から麻布中を目指すなら、予習シリーズの記号選択と語句記入の問題をそのまま解くのではなく、麻布中用にアレンジして解くようにするとよいでしょう。

もちろん志望校対策コースでも鍛えられるのですが、平常授業で麻布中用の学習をすることも大切です。

単に語句の理解と暗記のためだけに予習シリーズを使うのではなく、読み方や解答の仕方を麻布中用にするのです。

記号選択問題では、正解の選択肢を自分で記述する訓練が効果的です。
1週間に100字程度何かを書く学習を行いましょう。
1日30分程度で済む学習で、志望校別特訓授業に参加するときの下地となります。

四谷大塚をかしこく使って合格を目指す「開成中」編

四谷大塚 開成中「算数」対策

どの塾においても「開成」を目指すコースが設定されており、傾向に合わせた問題を中心に演習が行われています。

このコースに入れないと合格が厳しくなるので、6年生の前半まではこのコースに入れるようにすることを最低限のラインとしなければなりません。

6年生後期から開成向けの特別コースが設定されているので、これを中心に学習しましょう。

四谷大塚は他の塾に比べ宿題などの強制力が少ないため、せかされずに1つ1つじっくりと理解する精神的余裕を持ちやすいというメリットがあります。
きちんとそれを実行して定着させていくことが必要です。

四谷大塚 開成中「国語」対策

予習シリーズの発展問題は全て消化しましょう。
開成中合格を目指すために、さらに予習シリーズの発展問題の記号選択問題を記述問題だと考えて、自分で記述する訓練を積むとよいでしょう。

開成中の国語はすべてが記述式の回答になるため、この練習が6年生後期の入試対策への下地になります。

2学期中に類題校である筑駒、栄光学園、学習院女子、白百合の問題を15本程度演習すると効果的です。

また、年度別の中学入試問題集から、難しそうな文章を選んでじっくり読む訓練をしておきましょう。

四谷大塚 開成中「理科」対策

2学期からの学校別対策コースは、開成中コースを受けることが必須です。
実験や観察のデータを読み取って、正確に問いに答えるためにはどうしても慣れが必要だからです。地理的な要因で日曜日の授業を受けることが出来ない場合は、次の中学校の入試問題を活用されることをお勧めします。

開成中同様、思考力や発想力を必要とする学校(開智中、浅野中、市川中、芝中など)の問題を、難易度の低いものから順に演習します。

そして、駒場東邦中、開城中、筑駒中などの過去問を利用して、応用レベルの問題に慣れます。

予習シリーズ4年生用の内容を、受験1ヶ月前に集中的に復習しましょう。
開成中によく出題される「身近な植物や動物」が、よくまとまっているのが予習シリーズ4年の上・下です。

この中の「春の生物」「夏の生物」「秋の生物」「冬の生物」は、写真を含めてしっかりと覚えた上で入試に臨んでください。

四谷大塚 開成中「社会」対策

予習シリーズと学校別対策コースだけでなく、開成中過去問、開成中の類題校である筑駒や駒場東邦などの演習はもちろんのこと、最新年度の入試問題集を購入して他校の過去問をできるだけたくさん演習して、開成中に対応した総合問題形式に慣れながら、幅広い理解と暗記に努める必要があります。

問題内容に合わせて柔軟に対応する力が、開成中に求められている社会の学力です。
覚えていることを答えるだけでなく、問題の流れの中で知識を答えに反映してく訓練が必要ですね。
学校別対策コースの学習と並行して、類題校の過去問をできるだけ多く演習してくことが大切です。

特に6年生が受験する四谷大塚の「合不合判定テスト」は、四谷大塚、早稲田アカデミーの生徒のほとんど、そしてサピックス生の多くも受ける、非常に信頼度の高いテストです。
ぜひ上手に結果を利用し、志望校への合格に近づいてください。

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