新4年生 進学塾に通い始めたら意識しておきたいこと
年が明け、2月に入ると、塾では新たな学年が始まります。
いよいよ小学校年生になり(3年生の2月から新4年生の授業が始まります)初めて塾に通いだすというお子さんも多いのではないでしょうか。
学校の授業とは違う学習のしかたに、戸惑うことも多いかもしれません。
ここでは、塾通いが始まったばかりのお子さん、そして親御さんにしっかり知っておいてほしいことを、お話ししていきます。
授業スピードの速さ
塾の授業、そしてカリキュラムのスピードは、学校とは全く違います。
授業でのんびりしていたり、うっかりしていると、先生の話を聞き逃してしまう事もあります。
これは、塾に通い始めて最初に感じる「壁」かもしれません。
黒板に書かれた文字や図も同様に、どんどん消されていくため、ノートを写すのに必死になるだけで授業が終わってしまう、なんていうお子さんも少なくないのです。
理想は、話を聞きながらメモを取り、黒板を写しながら先生の話を聞く、という作業ができるようになることです。
ただ塾の先生も、通い始めたばかりのお子さんが、授業を聞きながらしっかりノートをとれるとは思っていません。
多くの先生は「今は聞くところだから、顔を上げて話を聞きなさい」「時間をあげるから、黒板に書いたことをノートに移しなさい」といった指示を与えてくれます。
ついつい夢中になって指示を聞き逃さないように、親御さんはお子さんに「先生の指示通りに授業を受ければ、ノートを書く時間はある」ということを伝えていただければと思います。
先生が話しているのにノートを写すのに夢中になりすぎて、解き方や考え方がわからなくなってしまっているようなら、上記のようなアドバイスをしてあげてくださいね。
また「しっかりと聞きなさい」だけでは、お子さんはどのように授業を聞いていいのかがはっきり分かりません。
例えば「先生が説明を始めたら、先生の目を見て、何の説明をしているのか考えながら聞いてごらん。」「先生はあなたにわかるように説明してくれるから、途中で『わからない』と思っても、最後までがんばって聞いてごらん。」といった具体的なアドバイスをしましょう。
いちばん大切なのは、先生の説明を理解することです。
塾にお迎えに行った帰り道や、家に帰ってきてからの少しの時間に「今日はどんなことを習った?」「先生はどんな話をしていた?」といった質問をすることで、お子さんが先生の話をどれくらい覚えているか確認してみましょう。
また上記のような質問を習慣にすることで、お子さんも「お母さんに聞かれるから先生の話を覚えておいて伝えよう」「このことはお母さんに話そう」といったことを考えながら授業を聞くようになるので、先生の話はよく頭に残るようになります。
カリキュラムの進む速さ
塾では各科目、一週間に一つの単元の「きりのいいところ」までを勉強していきます。
塾によって様々ですが、例えば日能研のように、「分数」というテーマで何週にも渡って勉強するカリキュラムの塾もあれば、サピックスのように「今週は和差算、来週は分配算、その次の週は図形」と言ったように目まぐるしく学習単元が変わるケースもあります。
いずれにしても、カリキュラムの進む速さは学校の比ではありません。
毎週チェックテストや復習テストがあり、理解度の確認の機会はありますが、どんどん進むカリキュラムに沿って勉強しているうちに、ついつい「次の週までに宿題をこなすだけの勉強」になってしまいがちです。
この状態を私は「あたふた学習」と呼んでいます。
とにかく「終わらせること」が目的になってしまっているような学習です。
このような学習が癖になると、習った翌週くらいまでは何とか覚えているので「復習テスト」では点が取れるのですが、実力テストくらいまで時間が経つとほとんど忘れてしまいます。
こうなると、努力している割に成績が伸びず(むしろ下がっていきます)お子さんのモチベーションも上がりません。
このような悪循環を避けるためにも、2週、3週前の学習内容を復習する家庭学習サイクルを作り、 それを実行することが必要です。
各塾それぞれ、このような復習のサイクルに使う教材などが用意されていますから、それらをしっかり活用し「その週に習ったこと」だけに追われないようにすることが大切です。
クラスが落ちても一喜一憂せずすぐに手を打つ
進学塾でのクラス分けはとても重要です。
クラスによって同じ単元でも習う内容やレベルが違い、下のクラスで習ったことだけを勉強していても、なかなか上のクラスに上がることができません。
またクラスが上がったとしても、そのクラスのレベルについていけなければ、またすぐにクラスが下がってしまいます。
そして、1度落ちたらなかなか上がれないのです。
しかし、「もう上がれない」と諦めてはいけません。
塾では「クラス分けテスト」が行われ、その結果で次のクラスが決まります。
どのクラスの子も同じテストを受けるため、同じ問題で上のクラスの子と競わなければ、クラスアップが出来ません。
つまりクラスを上げるには「今のクラスの勉強プラスアルファ」をする必要があるのです。
このことを理解し、クラスを上げるための勉強、クラスが上がってからしっかり上のクラスについて行くための勉強を意識してできれば、上位クラスに定着することができるでしょう。
受験までにまだまだ時間があるからと「そのうちクラスを上がればいい」と思っていると、クラスを上げることはもちろん難しいですし、更にクラスが落ちる可能性も高くなっていきます。
「失敗したらすぐに起き上がる」というのは中学受験ではとても大切なことです。
クラス分けに限らず、調子が悪い、うまくいっていないと感じる時は、すぐに手を打つことが大切です
塾に通いだすと、驚かされることがたくさんあるでしょう。
特に最初のうちは、塾のスピードや環境、周りの子たちの学力の高さなど、驚きの連続です。
しかしそのような環境をも楽しめるようになるといいですね。
切磋琢磨する仲間に出会え、目標に向かってがんばる日々は、人生においての大きな経験となります。
ぜひ、中学受験に向けたお子さんの塾通いを、親子で楽しんでくださいね。