中学受験 『プロ家庭教師』の見分け方 -6か条- 上手に見つけ出す方法は?
「大手の集団塾は、どこが一番良いですか?」
「毎日何時間くらい勉強すれば合格できますか?」
中学受験生の保護者の方から、このような質問を受けることがよくあります。
しかし、「〇〇塾が一番」「〇時間くらい勉強すれば安心」という、唯一の答えは存在しません。
お医者さんが同じ病気を治すときに、患者さんごとに治療法が異なるように、中学受験においても、「お子さま一人ひとりに合った最善の選択」を見出してあげることが大切なのです。
とはいえ、それぞれのお子さんにぴったり合ったアプローチを発見するのは容易ではありません。
今回は、そんな「一人一人に合った最善の選択」を見出す名人である、「プロ家庭教師」を上手に見つけ出す方法をお話しします。
1.『家庭教師』派遣業者の宣伝文句を鵜呑みにしてはいけない
家庭教師を探そうとインターネットを検索すると、たくさんの派遣業者がヒットします。
ここで気を付けたいのは、必ずしも上位に表示される業者が良いとは限らないということです。
中には悪質な業者も存在するので、宣伝文句を鵜呑みにせず、内容をしっかり確かめましょう。
まずは、家庭教師や派遣業者に関して実際にあったトラブルと、回避のコツをご紹介します。
料金に関するトラブル
- 指導料は安かったけれど、色々な追加料金を請求された。
- 高額な教材を無理やり買わされた。
- 中途解約をなかなか承諾してもらえなかった。
- 中途解約の際、説明のなかった違約金が発生した。
【回避のコツ】
契約の際、入会金や授業料はもちろん、その後発生し得る料金もしっかり確認しましょう。
高額な教材を無理やり購入させられた場合は、クーリングオフ制度が適用できます。
中途解約を拒否された場合は、消費生活センター等に相談しましょう。
契約書に記載がなければ、請求された違約金を支払う必要はありません。
講師に関するトラブル
- (講師自身の)大学の試験等で、しょっちゅう授業が休みになった。
6年生の夏休みという大切な時期にも、あまり来てもらえなかった。 - カリキュラムや指導法がまったく確立されていなかった。
- 先生と子どもが打ち解け過ぎて、雑談や無駄話ばかりだと感じた。
- マナーや言葉遣いが悪く、子どもが真似して困った。
【回避のコツ】
小学校の宿題サポート程度であれば、アルバイトの「学生」講師でもかまいませんが、中学受験の場合は(中学受験=教育熱心な一部の家庭の、成績の良い生徒のみが受ける試験です。)「プロ」講師を雇うことが望ましいでしょう。
「学生」講師は、自身の大学の試験やクラブ・サークル活動にスケジュールが左右されがちです。
年令が近いため、打ち解けやすいメリットはありますが、逆に生徒がだらけてしまうこともあります。
「プロ」講師は採用基準が厳しく、大手塾のカリキュラム、偏差値、受験の動向などを熟知し、中学受験のサポートに欠かせない情報を備えています。一人ひとりに合った的確な指導法・カリキュラムの提案が可能なことはもちろん、常識的な礼儀をわきまえ、適切な距離感で生徒と接することができるでしょう。
その他のトラブル
- 契約直後に業者が倒産し、支払った一年分の費用が戻らなかった。
- 数か月待っても教師が派遣されず、解約せざるを得なかった。入会金も戻らなかった。
- 成績がまったく上がらないのに、何の対処もなかった。
【回避のコツ】
基本、家庭教師の授業料は月単位(前払い)です。
契約時に一年分まとめて請求してくるような場合、悪質な業者の可能性があるので注意しましょう。
何か月も「マッチングがうまくいかない」などと講師の派遣がされない業者も存在します。
契約前にきちんと講師の紹介(提案)があり、体験授業が出来る業者を選びましょう。
講師変更の制度が整っているか、事前にしっかり確認しましょう。
2.良い『プロ家庭教師』派遣業者の見分け方 6つ
ここで、良い派遣業者の見極めポイントをご紹介します。
その1:所属する講師がプロであること
家庭教師を利用するご家庭のお子さんの多くは、大手の集団塾を併用しています。
深い知識と的確な指導力はもちろん、通っている塾の特長を最大限に生かした効率的な学習計画を立てられる分析力を持ち、各大手集団塾の内情・強み・弱みや模試の特徴をはじめ、中学受験に関するあらゆることを熟知している「プロ」講師が所属していることが必須です。
その2:体験授業が受けられること
入会したものの、良い講師に出会えないというのでは意味がありません。
契約前に講師の紹介(提案)があり、その講師での体験授業が受けられる業者を選びましょう。
体験授業では、お子さんと講師の相性や、講師の指導法をよく確認してください。優れた講師であれば、1回の体験授業でも、ある程度お子さんの癖や特長を見抜くものです。
初回からお子さんに解ける喜びを感じさせるなど結果を残し、今後の学習計画を提案できる講師が望ましいでしょう。
その3:保護者が授業を見られること
力量不足の家庭教師は、保護者の方に授業を見せたがらないものです。
保護者の方に、授業に同席してもらうことをいとわない家庭教師・派遣業者を選びましょう。
その4:体験授業と実際の授業を担当する講師が同じであること
体験では良い講師が来るけれど、実際に担当する講師は別、という業者もあります。
体験授業と実際の授業を担当する講師が同じであるかどうか、事前に確認しましょう。
その5:講師の交代が迅速にできること
家庭教師は相性も重要です。講師の交代が気軽にできる制度が整っている業者を選びましょう。
その6:明確な契約書や規約の発行があること
基本的なことですが、授業料の支払い・講師の交代・途中解約について等、細かい部分までしっかり記載された契約書や規約を発行してくれる業者を選びましょう。
契約書などを発行しないような業者との契約はトラブルの元ですので、気を付けてください。
3.おもな家庭教師派遣業者
在籍講師 | 体験授業 | 対応エリア | |
---|---|---|---|
学参家庭教師 |
プロ・学生 | 有り | ほぼ全国 |
家庭教師ノーバス |
プロ・学生 | 有り | 東京、神奈川、埼玉、千葉 |
家庭教師のトライ |
プロ・学生 | 有り | 全国 |
中学受験家庭教師ドクター |
プロ | 有り | 東京、神奈川、埼玉、千葉 |
中学受験鉄人会 |
プロ | 有り | 首都圏 |
名門会 |
プロ | 無し | ほぼ全国 |
名門指導会 |
プロ | 有り | 関東圏・関西圏 |
(五十音順。詳しくはそれぞれの公式ページをご参考ください。)
一見すると大差ないようですが、家庭教師派遣業者の実態は様々です。
数名の学生がアルバイト感覚で会社を装っているようなところから、講師陣が毎月嬉々として集まり、最新の受験情報共有や研究会・勉強会を行っているプロ集団まで……。
当たり前のことではありますが、しっかりしたサポート体制を整え、何よりもお子さんのことを第一に考えている、責任感のある派遣業者を選びましょう。
以上、結果を出すプロ家庭教師を見つけ出す方法について考えてきましたが、いかがでしたでしょうか?
優れた熱い講師との良い出会いがあり、皆さんが合格を勝ち取れることを、心から願っています!