新学年を迎えると、塾での学習内容はぐんと難しくなります。
この時期に成績が下がってしまうお子さんも、少なくありません。
そんなとき、家庭教師（派遣センターなど）の利用を検討するご家庭もあるのではないかと思います。
いざ家庭教師を利用すると決めたとき、どのように選んだらいいかを迷う親御さんもいらっしゃるようです。
そこでここでは、失敗しない家庭教師の選び方について考えてみたいと思います。

親ができる家庭教師のスキルチェック方法とは

知り合いや友人関係の紹介で家庭教師を依頼する場合、信頼できそうだというメリットがありますね。
しかし、いい方だったら問題ないのですが、不満がある場合に断りづらいというデメリットもあります。

では、家庭教師派遣センターなどを利用する場合はどうでしょう。
本来「プロ」と自称する家庭教師であれば、教科の知識や指導力が一定の水準以上であることはもちろん、さまざまなタイプのお子さんに合わせた指導ができるはずですが、残念ながらそのようなレベルの家庭教師が少ないのが現実です。

いずれにせよ、知り合いの方にお願いする場合も、プロである（はずの）家庭教師派遣会社に依頼する場合も、その判断は親がしなければなりません。
ではその判断は、どのような基準ですればいいでしょうか。
そこで意識していただきたいのが、かなり「厳しめ」に判断することを心がけることです。

大切なお子さんの中学受験の合否が左右される選択ですから、かなり高いハードルを設定して審査するくらいの気持ちで判断するのが適切です。
もちろん、その判断には情報が必要です。
授業は、親御さんが見られる状態で行われるのが必須条件となります。

親御さんが授業を見て「この先生なら任せられる」と思えるかどうかで判断するといいでしょう。
親御さんは中学受験の専門家ではないので、判断に自身が持てないという方もいると思います。
そんなときは、親御さん自身が授業を聞いて「わかった」「これなら自分も問題を解ける」と感じたかどうかを判断基準にしましょう。

中学受験に対応できる家庭教師の指導料金は、決して安いものではありません。
むしろ特殊な知識や技能が求められる分、かなり高額であるというのが近年の相場です。

その意味においても、しっかり親が見て失敗のない選択をしたいですね。

信頼できる家庭教師派遣会社の見分け方

家庭教師派遣会社を利用する場合に、どのような業者が信頼できるか、その判断に迷うこともあるかもしれません。
信頼できる家庭教師派遣会社かどうかを、親が判断できる方法はあるでしょうか。

まず、入会、授業の開始を急ぎすぎる業者は敬遠するのがいいですね。
家庭教師の授業を請け負う場合、お子さんの成績やふだんの学習状況などをかなり綿密に把握しなければ、的確な授業計画は立てられません。
お子さんに関する話を聞くこともそこそこに、いきなり授業の開始を急ぐような業者に任せても、成績が上がる可能性は低いと言えるでしょう。

また家庭教師の役割は、最小の時間でお子さんの塾の成績を上げ、志望校合格に近づけることです。
「成績が上がらないなら、いつでも講師を交代させますよ」といった業者にも注意が必要です。

中学受験において最も大切なものの一つが、時間です。
入試までに与えられた時間は限りがあります。
家庭教師を1年試したけど成績が上がらなかったとしたら、1年間に支払った指導料はもちろん、その時間は取り返しがつかないのです。

家庭教師派遣会社を利用する場合は契約前に「誰が先生か」を確認する

家庭教師派遣会社を利用する場合、まずは体験授業、というケースが多いと思います。
もちろん体験授業があるのはいいことなのですが、体験授業に来る先生が入会後に実際に教えに来る先生なのか、しっかり確認しておく必要があります。

冒頭で「プロ講師は、さまざまなタイプのお子さんに合わせた指導ができるはず」と述べましたが、実際にはそのようなスキルの高い講師は少数で、体験授業では素晴らしい講師に出会えたのに、実際に授業に来ている先生では今ひとつ効果を感じられないというケースも多いからです。

また、家庭教師派遣会社は講師と契約を結んでトラブルがないようマネジメントはしますが、講師としての指導スキルを伸ばす努力は講師にゆだねられているのが多くの会社の現状です。
もちろん講師個人の努力によって素晴らしい指導技術を身につけている場合もありますが、判断はご家庭に委ねられていると考えましょう。

このように、中学受験において家庭教師利用する場合、その業者や講師は親が中心になって選定することが求められます。
ぜひ上記のような視点で親御さんが授業に同席し、間違いのない先生を選ばれることをおすすめします。

この記事を書いた人

主任相談員 西村 則康