塾の雰囲気や勉強法の違いと、関西と関東の受験科目について
中学受験塾それぞれでは、拘束時間やカリキュラム、テキストのほかに、雰囲気にも大きな違いがあります。また、関東と関西では勉強法も大きく異なります。
塾の新年度が始まる時期などに、おさらいしておきたいですね。
それぞれご説明していきます。
子どもに合った雰囲気の塾を選ぼう
たとえば早稲田アカデミーの場合、塾の雰囲気は、わかりやすくいえば「体育会系」です。
子どもがそのノリについていける体力と気力があればいい選択でしょう。
大量の演習をひたすらこなしたりするスパルタ型は、付属系の中学校受験や中堅校受験などで効果を発揮しやすいといえます。
ただ、近年は御三家など最難関中学校でも実績を伸ばしてきており、2019年の入試結果では、
早稲田アカデミー
開成中 | 103名 |
---|---|
麻布中 | 65名 |
筑駒中 | 39名 |
灘中 | 39名 |
桜蔭中 | 73名 |
渋幕中 | 176名 |
早稲田中 | 161名 |
慶應普通部 | 59名 |
という実績をあげています。
参考までに、サピックスの2019年入試実績もあげておきます。
サピックス
開成中 | 273名 |
---|---|
麻布中 | 183名 |
筑駒中 | 73名 |
灘中 | 31名 |
桜蔭中 | 175名 |
渋幕中 | 351名 |
早稲田中 | 206名 |
慶應普通部 | 107名 |
宿題をやっていかないと授業で怒鳴られたりすることもめずらしくないようで、そのような「体育会系」のノリが苦手な子どもには向いていません。
対象とする志望校のタイプや難易度を考えたうえでの選択が必要です。
関東と関西の受験科目や勉強法の違い
関東と関西では、中学受験の事情が異なります。
関西は入試科目に社会が必須でない学校が多いのが特徴です。
また一般的に、関西の有名中学の入試問題は、関東より算数と理科の難度がとても高くなっています。
国語の問題は関東のほうがずっと難しいのですが、理数系の科目は関西の難関校の入試問題のほうが、関東より難問が多いと思います。
また、塾の雰囲気や勉強法にも違いがあります。
たとえば、首都圏にも進出している関西系の塾は、拘束時間が非常に長いのが特徴です。
4年生でも週4回塾に通い、帰宅時間も10時ぐらいで、夏休みはお弁当をふたつ持ちという塾も少なくありません。
こうした「丸抱え型」の塾は、「子どもの勉強は塾で丸抱えしますので、家では面倒をみなくてもいいです」という方針で、全体的に関西系の塾に多いようです。
また、これは関東、関西ではないですが、学習カリキュラムについても塾によって違いがあります。
サピックス、浜学園、希学園や近年の四谷大塚などは5年生のうちに入試に必要な単元すべてをひと通り終わらせて、6年生の1年間日能研は6年生の7月まで基礎練習にじっくり取り組みます。
超難関校に挑戦したいなら、前者の塾のほうが向いているかもしれません。
関西の難関中学の入試問題
関西の入試には、女子最難関校神戸女学院や四天王寺中学校などを除き社会科がない、あるいは選択で社会のない3教科受験が可能になっているので、関西の子どもたちは勉強時間が長いにもかかわらず、それを算数・国語・理科の三教科に費やすという特徴があります。
それに比べて、関東の子どもたちは一定時間、社会の学習に時間を費やさなければなりません。
関西の受験生に比べて首都圏の受験生が「バランス重視」で、中学校もそのような受験生に対応した問題を用意する、そんな環境ができあがっているのです。
塾や地方によって雰囲気やカリキュラムはさまざま
以上のように、塾や関東・関西の地方によって、雰囲気やカリキュラム、勉強方法が違うことをお伝えしました。
塾を選ぶときは、お子さんの性格にその塾が合っていると同時に、志望校の入試問題の傾向や難易度に合った塾を見極めることが大切です。