合格者数と合格率の違い。合格者数の多い塾を選べば、子どもが合格する確率が高い?
塾を選ぶとき「●●中学校合格者数◯人」というような塾の実績が気になる親御さんも多くいらっしゃるのではないでしょうか。
でも本当は、重視するべきなのは「合格者数」ではなく「合格率」なのです。ここでは、塾選びに役立つ塾の合格者数、合格率などの見方を詳しくご説明します。
「レベルの高い塾」とは?
「◯◯塾は、御三家の合格者数が多くてレベルが高い」という言葉や噂だけで塾を選ぶことは、あまりおすすめできません。
本来、重要視するべきなのは「合格者数」ではなく「合格率」です。合格率とは、受験者数に対する合格者数の割合のことです。
進学塾にとって何より大切なのは「難関校への合格実績」。それが生徒集めに有効なので仕方ないことなのですが、できるだけたくさん優秀な子を集めて、できるだけたくさん難関校に合格させたいというのが実情です。
なので、塾がもっとも大切にするのは、入塾者の上位10%の子どもたちだといえるかもしれません。
受験は確率の世界でもあるので、同じ塾から多くの生徒が受験すれば、合格者数も増えます。
つまり、たくさん生徒を集めて「ちょっと無理かも」というレベルの子どもにも難関校をすすめるということが実際にも行われています。
たくさんの子どもが受験すると、合格する確率が低いといわれていた子の中にも、多くはないですが合格する子が出てきます。
つまり、「レベルの高い塾」といわれていても、それは難関校合格者の人数が結果的に多かったというだけで、同時に不合格者も多かったかもしれないのです。
だから「合格者数の多い塾を選んだら、子どもが合格する確率が上がる」というわけではないことを頭に入れておきましょう。
塾の「クラス」はできるだけ上を狙う
塾のパンフレットにも書かれていませんし、保護者説明会でも語られませんが、塾がいちばん重要視しているのは成績上位の子どもたちで、カリキュラムもテキストもその子たちに合わせられています。
だからこそ、塾のレベルや合格者数よりも「一番上のクラスで入れる塾」をポイントにして塾選びをするといいと思います。
レベルが高い塾に成績下位ですべり込むよりは、上のクラスで入れる塾を選びましょう。
塾に入ってからクラスを上げていくというのは、そんなに簡単なことではないからです。
もちろん、塾の先生たちは下位クラスの授業や指導を手抜きしたりはしないでしょう。
でも大手進学塾で、すべての生徒に対して個別にきめ細かく対応することは、実質不可能です。
塾側から「しっかり学習すればクラスが上がっていきますよ」と説明を受けるかもしれませんが、「入塾後にがんばってクラスを上げたらいいから、なにがなんでもレベルの高い塾を選ぶ」という考えはしないほうがいいでしょう。
塾選びは、合格率とクラス分けも考慮して
塾を選ぶ際には合格者の数だけでなく「合格率」を注視すること、そして入塾後の「クラス分け」を意識することが大切です。
下位から上位にクラスを上げていくには相当の覚悟が必要ですので、お子さまの志望校などを踏まえつつ慎重に塾を選んでくださいね。