【中学受験】〜学校選び・基礎編〜偏差値や学校名で学校を選ぶのはもう古い?
中学受験において「学校選び」は最重要事項の1つです。
偏差値や学校名のブランドに左右されることなく、子どもに合った学校を選ぶにはどうしたらいいのでしょうか。
この記事では、学校選びの重要なポイントについてお伝えします。
学校選びで大切なのは「家庭の教育方針
これまでの中学受験では偏差値が重要視されがちでしたが、今、時代の変化とともにその価値観は変わろうとしています。
「御三家」といわれる私立の伝統校は人気が高いものの、すべての子どもにとってそれらの学校に入学することが最善の道ではありません。
多様な価値観が存在するこれからの社会を生き抜くためには、それぞれの子どもに合った学校選びが重要です。
とは言っても、まだ小学生の子どもが自分の性格や将来を見据えて学校を選ぶことは不可能ですので、親が主体となって子どもの学校選びをすることが必要です。
時代とともに移り変わる私立校
それでは、これまでの中学受験の学校選びに変化について見てみましょう。
今の親御さんたちが学生だった頃とは大きく変化しています。
私立校の変化には、いくつかのタイミングがあります。
1960年代から1970年代、教育熱心な家庭の子どもが私立校に流れるようになりました。このきっかけは「学校群制度」です。
「学校群制度」とは、偏差値の近い公立高校をグループにし、生徒が特定の学校の合格を勝ち取るのではなく、この「学校群」の合格を得る、そしてどの学校に進学できるかはランダムに決められる、という制度です。
この制度が施行されると、子どもたちは学力レベルでは達していても第一志望校に進学できない、という状況が発生します。
都立高校がこの「学校群制度」を設けたことで全体の平均化が進み、日比谷高校や西高校など、かつて名門校と言われていた学校の進学実績が低迷しました。
学校群制度で第一志望校に進学できない成績優秀者の多くが、現在「御三家」と言われる私立の伝統校あ国立高校に進学するようになったのです。
また、ゆとり教育も私立校に大きな影響を与えました。
1999年の秋、日能研が打ち出した「円周率が3になる」「さよなら台形君」という広告コピーが、ゆとり教育に不安を感じていた家庭の親御さんたちの心情に、大きく影響を与えたといわれています。
本郷中や巣鴨中、世田谷中など、それまで進学校ではなかった学校も進学実績を意識するようになり、実績を伸ばしていくようになりました。
また、男子校、女子校から共学化するのを機に、大きく変貌を遂げたのが渋谷教育学園渋谷中や広尾学園中、三田国際学園中などです。
経営陣がまるごと入れ替わったという背景もあり、同じ学校でも以前とは別の学校といっても過言ではないほど教育内容が大きく変わりました。
子どもの学校選びは「まっさらな気持ちで選ぶ」
以上のように、私立校は時代とともに大きく変化しています。
子どもの学校選びの際は、親の時代のイメージや先入観はいったん捨てて、まっさらな気持ちで学校を見ることが必要です。
たとえば、新型コロナウイルスの影響で一斉休校を余儀なくされた時、各校のICT教育が露見しました。
学校現場ではその対応に四苦八苦していましたが、いち早くオンライン授業に切り替えた学校、一方的に課題を出すことしかできなかった学校など、その対応に大きな差が出ていたことは記憶に新しいと思います。
こうした状況を見ていると、今はあまり注目されていない学校、そんなに人気が高くない学校でも、いつかガラリと変わるかもしれません。
これはもちろん、逆のパターンもあり得ます。
その時に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためには、偏差値や学校名、イメージではなく、「子どもをどういう人に育てたいか」という本質的な部分をしっかり考えて学校を選ぶべきではないでしょうか。
中学受験や学校選びがうまくいくのは「ブレない家庭」
学校選びのためには、まず子どもをどんな人に育てたいのかを考え、そのためにはどういう教育が必要か、どの学校が最適かを考える必要があります。
このためには、夫婦でしっかり話し合い、価値観をすり合わせておく必要があります。
夫婦で意見のずれがあると、家庭の方針としてブレが生じてしまいます。
その小さなブレが積み重なることは、子どもの中学受験に大きな影響を与えるでしょう。
逆の言い方をすれば、夫婦の意見が一致していて教育方針がブレない家庭は、中学受験がうまくいきやすいです。
もし今現在、中学受験がうまくいきそうにないと感じるなら、ぜひ一度「なぜ子どもに中学受験をさせたいのか」を夫婦で話してみてください。
なぜならそれは「子どもをどういう人に育てたいか」ということに直結するからです。
その考えにブレがなければ、失敗や後悔のない学校選びはそんなに難しくないと思います。