併願校を決めるときの注意点。「サンデーショック」や試験会場、入学金納付期限など
中学入試のスケジュールは地域によって異なります。
今回はおもに首都圏の入試日程を見ながら、「サンデーショック」や試験会場、入学金納付期限など入試スケジュールを決めるときの注意点についてご説明します。
首都圏の入試スケジュール
首都圏の場合、中学入試の日程は1月から千葉、埼玉で始まり、東京や神奈川では2月1日〜5日に集中します。
受験計画で多いパターンとしては、力試しという意味で1月に千葉や埼玉の通える範囲の併願校を受験し、2月に本命校を受けるというものがあります。
関東の難関校の多くは、入試が2月1日で、2日か3日に合格発表という日程なので、2日にも試験がある場合は1日の合否がわからないまま入試を迎えることになります。
もちろん自己採点などである程度は検討がつきますが、やはり落ち着かないものでしょう。
こうしたことも入試直前には頭に入れておき心の準備をしておくことが大切です。
「サンデーショック」とは
東京の難関中学の中でミッション系の学校(主に女子校)は、日曜は安息日として入試を行わないことがあります。
このことを「サンデーショック」や「ミッションショック」と呼ぶことがあります。
東京と神奈川は私立学校間の申し合わせで受験開始日を2月1日としているので、難関校はここに試験日が集中しています。
ところが、2月1日が日曜日の場合、ミッション系の学校は入試を翌日の2日に実施することが多いのです。
たとえば東京の女子御三家である桜蔭中学、女子学院、雙葉の場合、通常は入試日が2月1日で、併願は不可とされています。
ところが「サンデーショック」にあたる年は、女子学院の入試日が2月2日になるので、桜蔭もしくは雙葉との併願が可能になります。
そのため、女子学院の入試は倍率が上がり厳しくなりますが、例年通り2日に入試を行っているほかの学校の受験者数が減ることもあるので、志望校によってはチャンスになることもあります。
サンデーショックの影響は御三家以外にも
この「サンデーショック」は女子御三家を狙っていない子どもたちにも影響が出てくるので注意が必要です。
サンデーショックはほぼ6年に1回あり、次は2021年です。この年に6年生になる女の子はおそらく中学入試のときに「女子学院と雙葉」「女子学院と桜蔭」という選択肢が可能になるということです。
そして、御三家を目指さない子どもたちにとっても2月2日か3日が日曜日にあたる年は「プチサンデーショック」と呼ばれており、併願校選びに影響が出ます。
実際に2014年に首都圏模試センターが発表した「中学受験レポート」を見てみると、志望校の人気にサンデーショックの影響が出ているようです。
入試日を2日に変更した女子学院とフェリスは前年並みでしたが、1日に入試を実施した桜蔭、雙葉、そして東京女子館、普連土学園、横浜女子館、恵泉女学院は志望者が増加したようです。
2020年も2月2日が日曜日なので注意が必要ですね。
試験会場や入学金の納付期限も事前に確認を
合格した場合の入学金納付期限も、事前によく調べておく必要があります。
第一志望と第二志望の合否発表の日と入学金の納付期限が同じ日だと、夫婦間など誰かとの連携が必要となります。
たとえば第一志望校の発表をお母さんが見に行き、不合格だった場合は連絡を受けたお父さんが入学金を振り込む、などです。
最初に授業料の納付も必要で進学しなければ授業料だけ返金する学校もあるので、事前によく調べておきましょう。
そして、少し特殊な例になりますが、「全寮制」の学校を受験する場合の注意点をお伝えしておきます。
西大和学園(奈良県)、ラ・サール(鹿児島県、北海道)、愛光中学(愛媛県)、海陽中等教育学校(愛知県)、不二聖心女子学院中学校(静岡県)、盛岡白百合学園(岩手県)など、地方の全寮制の学校を受験する場合、試験会場は現地と東京の両方に用意されています。
その際に、同日に同じ問題が出題される場合と、異なる問題が出題される場合があります。
一般的に東京のほうが合格点が高いので、どうしてもその学校に入りたい場合は現地に行って受験したほうが合格の確率は高くなります。
インターネットや資料請求で事前情報を集めましょう
本命校はもちろんのこと、併願校の入試日程も事前にしっかり確認してください。
今は多くの学校がインターネットでも日程などの情報を発表しています。
塾の先生任せにするのではなく、各ご家庭でしっかり日程を確認し、サンデーショックや納付期限、試験会場などに注意しましょう。
地方の全寮制の中学校を受験する場合、東京の試験会場では合格点が20点近く高くなるようなので、それも念頭に入れておくといいでしょう。