中学受験 複数回受験する具体的なメリットはどんなことがある?
近年、複数回受験の機会を設定する学校も増えました。
第一志望の学校にどうしても受かりたいという場合、同じ学校の入試に何度か挑戦できる場合があります。
同じ学校を複数回受験すると、有利になるなどの影響などはあるのでしょうか。
今回は、気になっている方も多い「中学受験 複数回受験」についてお話しします。
複数回受験とは?
複数回受験とは、1度受からなかった学校に再チャレンジできるということです。
体調が良くなかったり、緊張感から自分の力を発揮できなかったお子さんには嬉しい”複数回受験”の制度。
学校側も、「どうしてもこの学校に入りたい」という受験生の気持ちは嬉しいものです。
一般に、私立の難関校や国公立付属中は2回目、3回目のテストがない学校が多くなっています。
一方で、私立の中堅校では複数回の入試、午後入試などを予定しているところが多くあります。
お子さんの受験したい学校はどうか、前もって調べてみましょう。
学校案内の募集要項の入試日、塾が公表している偏差値表などをチェックしてみてくださいね。
複数回受験のメリット
同じ学校を複数回受験すると、学校によっては優遇措置がとられる場合もあります。
優遇措置とは、2回目以降は加点された状態で入試を受けることができたり、1つの教科の結果が良くなかった場合、2回目や3回目の結果も含め、受験科目の合計得点を計算してくれたりといった制度で、学校により異なります。
「優先して補欠合格、追加合格候補とする」「ボーダーラーンの際に優遇」と表明している学校も多いので、お子さんの志望校、受験の可能性のある学校はどうか、ぜひチェックしていくことをおすすめします。
おもな学校の複数回受験による優遇措置(2017年入試)
学校名 | 優遇措置 |
---|---|
桜美林 | 2/1午前・午後の両方受験・2/2午前・午後の両方受験・2/1午後、2/2午後の両方受験した場合、後者の得点に10点加算 |
大宮開成 | ■ボーダーラインの際に優遇 ■特別進学3回合格で英数特科合格 ■2/4入試加点 |
開智 | 先端B受験の場合、他の受験会の結果も参考に判定 |
かえつ有明 | ■2/1午前午後・2/2午後2科4科のうち、2回目以降で4科10点、2科5点の加点 ■2/1・2思考力入試が補欠で、2/4難関思考力特待入試が補欠相当の場合、正規合格 |
春日部共栄 | ボーダーラインの際に優遇 |
関東学院 | ボーダーラインの際に優遇 ※同時出願に限る |
國學院大學久我山 | ボーダーラインの際に優遇 |
埼玉栄 | ボーダーラインの際に優遇 |
栄東 | B日程・東大Ⅰ、東大Ⅱ入試が2回目以降の受験の場合、合計得点に20点の加点 |
芝浦工業大学柏 | ボーダーラインの際に優遇 ※同時出願に限る |
順天 | ボーダーラインの際に優遇 |
成城学園 | 加点した |
西武学園文理 | 2回目以降の受験の際、1教科につき5点加点 |
東海大学付属相模高等学校中等部 | ボーダーラインの際に優遇 ※同時出願に限る |
獨協埼玉 | 20点加点した ※同時出願に限る |
明治学院 | ボーダーラインの際に優遇 ※同時出願に限る |
明治大学付属明治 | 第2回入試の合格ボーダーラインで3点加点 ※同時出願・2回とも受験 |
京華 | 2科は約10点、4科は約15点加点した ※同時出願に限る |
攻玉社 | 1・2回受験し、かつボーダーラインに近い成績の者に加点 |
芝 | ボーダーラインの際に優遇 |
城北 | ボーダーラインの際に優遇 |
立教池袋 | 同成績の場合、考慮した |
跡見学園 | ボーダーラインの際に優遇 |
鴎友学園女子 | ボーダーラインの際に優遇 |
カリタス女子 | 各科目の高得点を合計 |
共立女子第二 | 制度はなかったが考慮した |
佼成学園女子 | ボーダーラインの際に優遇 |
実践女子学園 | 各科目の高得点を合計 ※第1回・第2回の受験者を対象に、第2回の判定のみに適用 ※同時出願に限る |
品川女子学院中等部 | ボーダーラインの際に優遇 |
十文字 | ボーダーラインの際に優遇 |
女子聖学院 | 各科目の高得点を合計 |
日本大学宝山女子 | ボーダーラインの際に優遇 |
三輪田学園 | ボーダーラインに複数回なった場合、正規合格とした |
八雲学園 | 各科目の高得点を合計 |
もちろん優遇措置に期待しすぎずに、最後まで諦めず実力で合格を勝ち取りたいものですが、チャンスはすべて活かすという考え方も大切です。
得点などの具体的な優遇措置はなくても、複数回受験するメリットはあります。
1回の受験では緊張のために結果を出せない、そんなお子さんも、2回、3回と受験すると、いわば「受験慣れ」するもので、結果を出しやすくなるという効果が期待できます。
また、1回、2回と受験することでそれ以降の出題の予想ができたりといったこともあります。
費用面でもメリットがある場合も
複数回受験の場合、費用にもメリットがあります。
入試が始まる前の段階で、複数回受験をする意思があれば、まとめて受験料を払っておくと安くなったり、複数回出願をして1回目や2回目で合格した場合、それ以降の入試の受験料が戻ってくる学校もあるようです。
複数回受験による優遇措置やメリットは学校によって様々です。
どうしても入りたい学校がある場合、ぜひ事前にチェックして活用したいですね。