中学受験の難関校合格対策まとめ 難関校はどこから?難関校に向いているお子さんとは?合格までのフロー
中学受験における「難関校」とはどんな学校を指すのでしょうか?
中学受験での難関校とは、一般的に日能研の試験の偏差値65以上(SAPIXの偏差値で60以上)の中学校を指すと考えてください。
特に、その中でも最上位に位置する偏差値70にもなる中学校は「最難関中学校」と呼ばれることもあります。
どの学校も一部の例外を除き、毎年の入試の倍率は3倍以上を記録しており、その人気から高い競争率を誇る、名実ともに「難関校」です。
この記事では、難関校とは具体的にどのような学校を指し、難関校に入学するメリット・デメリットから、実際に難関校を目指すためには、どんな学習が求められるのかをまとめました。
目次
1.難関校とは?
冒頭で触れた通り、中学受験での難関校とは、日能研の試験の偏差値65以上の中学校を指します。まず最初に難関校には、具体的にどのような学校が該当するのかを見てみましょう。
関東の男子難関校とは?
関東には、昔から「男子御三家」とされている、開成中学、麻布中学、武蔵中学があります。
しかし、今は偏差値を見ると、武蔵よりも駒場東邦中学(駒東)が随分上に位置しています。
また、サピックス(SAPIX)という塾の偏差値表でいうと、武蔵よりも海城中学や早稲田中学、慶應義塾湘南藤沢中学、慶應普通部が上に来ています。
武蔵が偏差値を落としてしまった理由としては、進学実績や教育方針が大きく響いているといわれています。そのため「新御三家」を挙げるとするならば、開成中学、麻布中学、駒場東邦中学となるでしょう。
東京以外の関東圏内では、「神奈川御三家」に含まれる、栄光学園中学、聖光学院中学といった男子校も人気が高い超難関校に入るといえます。
また、筑波大学附属駒場中学(筑駒)は、私立ではなく国立なので別格と考えてよいでしょう。
関東の女子難関校とは?
関東の「女子御三家」は、今も昔も変わらず、桜蔭中学、女子学院中学、雙葉中学の3校が挙げられます。
ただし偏差値的には、雙葉よりも豊島岡女子学園中学が上がってきています。
豊島岡女子学園は2022年の合格実績でも、医学部の合格者数は現役生のみで延べ136人。
実数でも56人が医学部に進学しており、これは卒業生のおよそ6人に1人にあたります。
STEAM教育にも力を入れていて、文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)にも指定されています。
豊島岡女子学園中学は、ともに近年人気が上昇している鴎友学園女子中学校・吉祥女子中学校とあわせて「新御三家」と呼ばれています。
また洗足学園も偏差値では雙葉と肩を並べるようになっており、女子難関校の選択肢は以前に比べると幅広くなっています。
関東の共学難関校とは?
共学校にも難関校は、たくさんあります。
渋谷教育学園渋谷中学(以下:渋渋)は共学校でも男女ともに人気が高い共学校です。
女子に人気の共学校の中でも、渋渋は偏差値でトップレベルといえるでしょう。
女子の志願者が合格できる人数、つまり「女子枠」がとても狭くて人数が限られているため、女子にとっては特に難易度が高く、偏差値的に桜蔭と並ぶ数値になってきているのです。
その他に関東の難関共学校としては、広尾学園中学校や、渋谷教育学園幕張中学校、慶應義塾中等部などが上がります。
サピックスの偏差値表で見ると、慶應中等部の偏差値が63で、渋渋は62となっています。
関西の難関校とは
一方関西では、東京大学、京都大学、もしくは医学部の進学実績を4~50名単位で出している学校は、「難関校」と判断して良いと思います。
関西の中学校で具体例を挙げるとするならば、灘中学が最難関校の代表格ですね。
その他、テレビ「クイズ選手権」の出場校としても名前を知られている、東大寺学園中学、大阪星光なども難関校だと考えられています。
塾の偏差値でいうと、偏差値58(浜学園偏差値)以上の中学校が最難関校と判断されるでしょう。
大学への進学実績が良い難関校として、男子校では、灘中学、東大寺学園中学、甲陽学院中学、大阪星光があります。
女子校では、大阪にある四天王寺中学、兵庫にある神戸女学院中学の2校がおすすめです。
また共学校では、洛南中学、西大和学園の2校が進学率が高く、人気の難関校です。
もちろん上記は代表的な難関校で、あくまで一例とお考えください。
2.難関中学校に通うメリット・デメリットとは?
続いて、難関校に通うメリットとデメリットについて解説します。
難関校に通うメリット
難関校に通う最大のメリットは、やはり高い進学実績に裏付けされた「大学受験」のノウハウがあげられます。最難関校では、将来「東大・京大」に合格するのが当然と考えられ、また学校側のカリキュラムに実際にそれらの大学に合格させることのできる確かな力があります。
また、周りのお子さんの学習に対する意欲が高く、学校全体で勉強を頑張るムード・環境ができあがっていることも難関校に通うメリットの1つです。このような環境に身を置くことで、お子さんが友人と切磋琢磨しあい、学習に対する高いモチベーションを持ち続けるからです。
難関校には、「自主性・自由を重んじる」校風を掲げて、生徒たちで学生生活を作っていく楽しさがある学校も多いです。勉強以外の観点でも、何十年何百年の歴史で培われてきた将来社会で活躍できる「人格形成」に長けた学校が多いのも魅力的な点でしょう。
難関校に通うデメリット
難関校に通うデメリットとして、学校側が「自主性」を重んじ、生徒が自ら勉強することを当たり前としていることが多いため、中学校入学後に「自由」に勉強をしないで過ごしてしまった結果、周りとドンドン差が開いてしまうお子さんが毎年一定量いることがあげられます。
ただ、このようなお子さんでも、やはり地頭がいいため、高校生くらいから勉強を始めて追いつく子がいるのも、難関校の面白い特徴でもあります。
反対に勉強を頑張りたくても、中学受験で過度な詰め込みと暗記で何とか合格できたというお子さんは授業についていけなくなってしまうお子さんもいるのも難関校の数少ないデメリットと言えるでしょう。
3.無理して難関校に入る意味はある?
子供がものすごく努力して何とか難関校に入学するのと、少しレベルを下げてゆとりのある学校に入学するのとではどちらが良いのかが、保護者にとっては最大の悩みと思います。
もちろんチャレンジできる力があるならば、ぜひ難関校の受験を目指すべきです。
ただ、頑張って実力より上のチャレンジ校に入学した生徒の学校生活を見てみると、やはり勉強に苦労しているお子さんがいるのも事実です。
例えば、1学年に生徒が200人いる学校に入学し、その中で200位近い順位しか取れず、授業のペースについていくのがやっとだというお子さんも、入学後には必ず出てきます。
本音を言うと、入学後にそのような状況になることが予想される生徒に関しては、難関校への受験をおすすめするべきか迷うところもあります。
鶏口牛後という言葉にもあるように、努力してやっとの思いで滑り込んだ学校よりも、無理のない学力レベルの学校に入学する方が良いというのも、子どもを思う親としてのひとつの考え方といえるでしょう。
しかし、1学年200人のうち下位数名なのは、ごく一部の子どもの話です。
その中に含まれない9割以上の子どもが大多数を占めるのだということも忘れてはいけません。
ですから、最難関校を目指せる力を持っているのであれば、積極的に目指すことをオススメします。
努力して難関校に入学した結果、中学校以降の人生設計において進める道が広がり、選択肢が増えるという事実もあると思っています。
最も大切なことは、中学受験をして難関校合格することをゴールにしないこと。また、中学受験を通して「勉強はもうたくさん」とお子さんが思わないように、日々の勉強の中で「学ぶことの楽しさ」を実感できるようにしてあげることも大切です。
4.難関校と比較すると、中堅校に入ることにメリットはない?
難関校へ入ることのメリットが大きいのなら、難関校下位(目安:日能研偏差値55〜60)や中堅校(目安:日能研偏差値45〜55)の中学校に行く意味はないのかと疑問に思う方も少なくありませんが、もちろん、そんなことはありません。
難関下位校・中堅校でも高い進学実績を誇る学校はたくさんあり、難関校に合格できなかったお子さんが、大学受験の段階で難関校に通っているお子さん以上の結果を出すお子さんも珍しくはありません。
難関校以外の学校でも、進学実績を上げるために様々な努力がされており、人気の学校はたくさんあります。最も大切なことは、入学後にお子さんが学園生活を楽しみながら、しっかり勉強ができる環境が整っているかどうかです。
難関校に入れるメリットも大きいですが、それは中堅校に入ることにメリットがないというわけでは決してありません。
5.いつから、難関校を目指す?5年生からの難関校合格は可能?
「難関校を狙う中学受験はいつから始めるのがよいのか?」というのも、よくある質問です。
中学受験では4年生からの通塾が現在主流となっています。
2000年代初頭の中学受験では5年生からの通塾が一般的だったのですが、競争が激しくなる中、4年生からの通塾が一般となりました。
やはり低学年から、中学受験に向けて、学校以外でもご家庭で勉強を始めることをオススメします。
一方で低学年から先取り学習を詰め込みすぎるのは逆効果です。低学年は、3年生の夏までに小学校の3年生までの内容を終わらせ、3年生の秋以降に入塾テストに挑戦するというのが王道です。
4年生からの通塾とともに勉強を始め、難関校の合格を達成するお子さんもいますが、5年生から中学受験を始めたお子さんが難関校を合格を狙うのは至難の業と言えるでしょう。
5年生から始める中学受験に関しては、別途下記の記事でも詳しく解説していますので、5年生から難関校を目指すことを検討されている方は下記の記事もご参考ください。
5年生から中学受験 無理?手遅れ?どうやって勉強を進めればいい?
過度な詰め込みと先取り学習を除いて、中学受験の対策は低学年から始めた方が、難関校の合格確率は高くなると考えてください。
6.【低学年〜6年生】難関校合格までの中学受験フロー
実際に毎年、難関校に合格するお子さんはどのように小学校生活を過ごしているのか?も気になるところでしょう。ここでは各学年で、難関校に合格するお子さんがどのように過ごしているのかを解説します。
難関校に合格するお子さんの低学年の過ごし方
低学年からの通塾を検討されるご家庭も多いと思いますが、低学年からの通塾は必須ではありません。
むしろ難関校の合格者を見た時に、低学年から塾に通っているお子さんが多いかと言われると、そんなことがないのが実情です。
低学年の期間は、4年生から始まる通塾に向けて「勉強を当たり前にする習慣」をつける時期です。教科書レベルの内容の勉強を決まった時間に、確実にコツコツこなすことが何より大事で、授業に出て勉強することよりも、家庭学習の習慣をしっかり身につけることが後の塾通いに良い効果が出てきます。
具体的な学習内容としては、
1〜2年生の間は「教科書ワーク」の算国2教科を毎日1ページずつ進めていき、学校内容に先行して半年ほど先を進めることをベースにしてください。
3年生になると、これに加えて少し応用問題も含んだ「自由自在」も併用しましょう。こちらも1日2教科各1ページを目安に進めていきましょう。
3年生の夏までに、学校内容の小学校3年生の内容を終わらせることが目標です。
3年生の夏以降は、入塾対策を行っていき、4年生の入塾時に、可能な限り上位クラスに入ることを目指してください。
入塾テスト対策としては、上位クラスでの入塾に特化した問題集「中学受験 入塾テストで上位クラスに入るスタートダッシュ」がおすすめです。
例外はありますが、難関校に合格するお子さんは入塾時のクラスが上位クラスでの入塾を達成しているお子さんが大半だからです。
上記が、難関校合格を実現しているお子さんに共通している過ごし方です。
中学受験 入塾テストで上位クラスに入るスタートダッシュ(3年生)
難関校に合格するお子さんの4年生の過ごし方
4年生は、まず塾に通いながらの塾の学習に慣れることが大切です。
難関校に合格するお子さんの中でも、上位2割のお子さんになってくると親の手伝いもなく、4年生内容を自分だけでこなせてしまう子も珍しくありません。
とはいっても、難関校に合格する多くのお子さんは、親御さんの協力ありきで、4年生の学習を無理なく回せているということが共通しています。
親御さんがある程度お子さんの学習を把握し、決められた時間で必要な課題をこなしながら過去の復習やテスト直しにまで、しっかり手が回って、かつ余裕があるようなご家庭が多いです。
反対に塾任せにしているご家庭や、過度に繰り返しの学習に頼ってしまい、4年生から時間が足りなくなってしまうご家庭は、難関校合格は難しくなってきます。
難関校に合格するお子さんの5年生の過ごし方
難関校に合格するお子さんは、5年生になると4年生までの学習習慣が身についてきた結果、一定の勉強は自ら行えるようになってくるお子さんが多いです。
4年生から余裕を持って勉強ができているため、塾の課題量が増える5年生になっても、土日の時間を活用して、無理のない範囲でストレスなく、日々の学習を回せるという点も共通しています。
この時期に難関校に合格できるお子さんに、共通しているのは、学習において「理解」を伸ばすことを大切にしている点です。
難易度が上がり、学習量も増える中で、繰り返しの暗記に頼り、肝心の中身が理解できておらず応用問題が解けないお子さんが多く出てくる時期なのですが、一方で難関校に合格できるお子さんは確実に「理解」を大事にした学習ができているのです。
特にわかりやすく、難関校に合格できるお子さんと、そうでないお子さんの「理解」の差が出るのが5年生算数の「比」の単元です。
難関校に合格できるお子さんは、比の概念が理解できるという点が共通しています。「比」の考え方は、後の算数の単元はもちろん、理科でも活用する概念のため、難関校合格を大きく分ける単元となります。
上記の条件が達成できているお子さんであれば、5年生の後半から行われる「志望校別判定テスト」では、合格確率20%以下(評価上は最低クラスの評価)が出たとしても、残り1年間で十分難関校合格をつかめる余地があります。
難関校に合格するお子さんの6年生の過ごし方
難関校に合格するお子さんの6年生に共通する特徴として、「過去問だより」の勉強をしないという点があげられます。
「志望校の過去問に絞り込んで、傾向と対策ができれば、偏差値が離れていても難関校に合格できる」と考えるご家庭は少なくありませんが、このようなご家庭は、まず難関校に合格できません。
難関校に合格するお子さんを見てみると、
6年生7月までは、基礎知識の完成(基礎力UP)
6年生の夏休みは、習ってきた知識を使う練習(問題演習による演習力UP)
6年生9月以降になって過去問対策を始めて、本番で確実に得点する練習(得点力UP)
といった流れで、どんな問題が出されても、自分で考えて答えにたどり着く力を、確実に身に着けていくことが共通しています。
また毎回の志望校別判定テストに親御さんが一喜一憂しないことも難関校合格には大切です。
1度テストで成績が下がっただけで、「志望校を変える」という話をお子さんにしてしまい、モチベーションを下がり、成績が下がってしまうご家庭も珍しくありません。
難関校に合格するお子さんは、9月段階で志望校別判定テストの結果が悪くても、そこまでの勉強ができていれば、受験の最終盤で成績が上がることはよくあります。そのため、志望校別判定テストの結果だけに気を取られないことも難関校合格には必要です。
難関校合格に必要な3つの大きな条件
上記をまとめると、難関校に合格するお子さんに共通している条件は大きく4つあります。
理解を大切にする学習ができている
難関校に合格するお子さんは、過度な繰り返しに頼った「暗記だより」の学習ではなく、何がどうして、そうなるのか?をしっかり考え、納得し、理解し、腑に落ちるという「理解」を伸ばす学習ができているという点が共通しています。
知的好奇心が強く、物事の成り立ちに興味が持て、自分で考えることが好きなお子さんが多いのが特徴です。一方で、漢字や語句の暗記など、単純な「暗記」が求められる勉強も嫌わず、しっかりとこなせることも、難関校に合格するお子さんに共通する特徴です。
塾の上位クラスで授業を受ける*
塾の上位クラスと下位クラスでは、授業で扱う問題のレベルに差が出ます。
下位クラスでは基礎をメインに授業を行い、応用問題まで手が回らないことも多く、一方で上位クラスで授業を受けているお子さんは、その間にドンドン応用問題まで学習を終えてしまいます。ところが「組分け・実力テスト」では、応用問題も含めた問題が出題され、全てのお子さんが同じ問題で試験を受け、クラス分けがされます。そのため1度下位クラスに入ってしまうと、難関校の受験で求められるような内容が勉強できず、更に上位クラスに入るのもドンドン難しくなっていきます。難関校合格を達成するには、塾で上位クラスに入ることは必須のため、できる限り上位のクラスでの入塾を目指すことが大事といえます。
6年生で、希望の学校専門の志望校別特訓を受講する権利を得る
各塾では、各難関校に向けた専門の志望校別特訓が開催されますが、この志望校別特訓には受講資格の試験があり、一定の成績が取れていない場合、志望校別特訓を受講することもできません。志望校別特訓では、志望校の出題傾向に合わせて、必要な知識をしっかりつけていくことに特化した授業が行われるため、塾通いで難関校合格を達成するには、この志望校別特訓に参加することは必須です。もし6年生の段階で、塾に通っていて、志望校別特訓の枠に入れなかった場合は、至急志望校の合格実績のある個別指導・家庭教師の先生をつけ、ご家庭で個別に対策する必要がでてきます。それほどまでに志望校別特訓の参加は難関校合格には欠かせないと言えるでしょう。
7. 難関校に合格できる子の共通点
ノートの取り方や勉強へ取り組む姿勢を見ていると、難関校を目指す生徒たちは勝ち気な性格が多いように感じられます。どんどん知識を吸収しようという意欲の強さや、習ったことを自分のものにしようとする積極性は、難関校を目指す子どもによく見られる特徴です。
一方で難関校に合格するお子さんの中には、マイペースなお子さんが多いのも面白い点です。
やることは、しっかりやれるけど、自分のペースで勉強することを好み、「勉強しているのかな?」とお父さん・お母さんが心配するものの、テストの成績はしっかり取れているというお子さんも多く見られます。
8.難関校合格に塾通いは必要か?
難関校に合格するには、塾に通わないといけないのか?と考える方も少なくありません。
結論から申しますと「塾通い」は中学受験においては、基本的には必要と考えてください。
中学受験専門の進学塾には、3年間という限られた時間の中で「難関校」に合格するための知識を習得するための独自の教材・カリキュラムがあるからです。
「近くに通える塾がない」「海外赴任で日本の塾に通えない」というような特別な事情がない場合は、塾に通うことが、難関校合格の基本的な手段と考えてください。
ただ、「塾なし」「塾に通わない中学受験」でも、毎年志望校合格を達成しているご家庭はあり、ご家庭の努力とお子さんの頑張り次第では、「塾なしの中学受験」でも、難関校合格に成功することは可能です。
「塾なしの中学受験」については、下記のページで詳細に解説しておりますので、こちらも合わせて参考にしてください。
中学受験 塾なしで合格できる?塾なし受験で成功する9つのポイント
9.難関校合格に強い塾とは?
「難関校合格に強い塾はどこですか?」というのもよく聞かれる質問です。
難関校合格に強い塾としては、やはり大手の進学塾があげられます。
大手進学塾には、膨大な生徒数から集めた、合格に必要なデータ、そして各塾が長年研究してきた合格への最短ルートである「カリキュラム」が充実しているからです。
特に難関校・最難関校に強い学校としては、関東では「SAPIX」、関西では「浜学園」・「希学園」が必ず名前が上がってくるでしょう。
これらの塾のトップ層は最難関校でトップ合格を達成する子もおり、難関校合格に向けたハイレベルのカリキュラムがあることは疑いの余地はありません。
続いて、関東で「四谷大塚」・「早稲田アカデミー」、関西の「馬渕教室」も難関校合格者を多く出している塾です。
中学受験で多くの生徒が通う「日能研」は、どちらかというと難関下位〜中堅校向けの塾と言えますが、日能研カリキュラムの中でも成績を伸ばし難関校合格を達成するお子さんも少なくはありません。
各塾の特徴を下記に簡単にまとめてみました。
やはり、難関校合格者を多く輩出している進学塾は、カリキュラム進度が早く、高難度の問題を取り扱い、かつ競争好きのお子さんが集まっていることが上記からわかります。
一方で、マイペースでゆっくり勉強した方が伸びるお子さんは日能研のような塾の方が成績が伸びやすい傾向がありますので、全てのお子さんが難関校合格には必ずSAPIXが良いとは言い切れないのが実情です。
また必ずしも大手進学塾に通うことが良いわけでない例として、「四谷大塚準拠塾」の存在も忘れてはいけません。
埼玉県の「立教新座」などの地域に根づいた難関校を受験するケースなど、その地域の「四谷大塚準拠塾」の方が、本家の四谷大塚より進学実績が高いことも珍しくありません。
大手塾も校舎によって、進学実績が異なり、先生のスキルにもばらつきがありますので、塾を検討する際は校舎毎の進学実績も確認し、難関校に強い塾なのかどうかを見極めてみるとよいでしょう。
10.難関校への挑戦が難しいと感じたときの対処法
中学受験を進める中で、難関校への合格が難しいのでは?と感じられることも出てくると思います。そんな時の対象法をまとめました。
勉強量を調整する
「勉強しているのに、お子さんの成績が伸び悩んでいる」場合は、必要な勉強に手が回っておらず、勉強に無駄が多いことが考えられます。結果の出ない勉強を続けてしまうとお子さんの気持ちが折れてしまい、学習効率はドンドン悪くなる一方です。難関校合格には、時には一度立ち止まって、勉強量の調整をすることも必要です。お子さんにとって今必要な学習を見極め、空いた時間で復習やテスト直しの時間を取れるように、学習スケジュールを見直してみましょう。これは、お子さんのやる気が下がっている場合にも有効な手段です。
勉強のやり方を変える
難関校に合格するには、お子さんが理解し、一人で考える力が求められます。
そのため、ただ塾に与えられた課題をこなしていればよいわけでなく、「どうして、そうなるのか?」「なぜ、そのやり方で答えを出すのか?」をお子さん自身が理解できていなければ、難関校が求めるレベルには届きません。お子さんの日々の勉強に、「思考する時間」「理解する時間」が取れているか、今一度見直しが必要です。1題1題がお子さんの理解を育てるということを意識して、日々の勉強を見直してみましょう。
転塾・転校を検討する
このままでは難関校合格が難しいと感じられるなら、塾を変えることも選択肢に入れましょう。
5年生後半までであれば、転塾をするなら、なるべく早い段階で転塾をするべきです。
SAPIXのように進度が早い塾からの転塾であれば、進度の緩い塾への転塾は比較的容易です。お子さんによっては、進度の遅い塾に転塾するだけで、自分の勉強のペースを取り戻せるお子さんもいます。
もし現在通われている塾の先生との相性が合わずに、成績が伸び悩んでいると感じているなら、塾は変えずに、通われる校舎を変える = 転校を検討することも1つの手です。お家から通える距離に難関校への進学実績の高い校舎があるなら、転校するだけで成績が伸びるお子さんも珍しくはありません。
個別指導・家庭教師を検討する
難関校受験の問題は大人でも難しいため、ご家庭でお子さんの勉強をみてあげることが難しくなってきた場合は、個別指導や家庭教師の先生を補助でつけることも検討しましょう。個別指導・家庭教師のを選ぶポイントは、難関校への進学実績があるかどうかはもちろん、ただ塾と同じような授業をする先生を増やさないように注意が必要です。家庭教師・個別指導に頼むべきことは、お子さんの学習全体の管理です。既に手一杯になっている塾の課題量に個別指導・家庭教師の勉強時間が増えてしまっては、物理的に時間が足りなくなります。塾の課題量を調整して、無駄な勉強を削って、勉強時間を確保し、お子さんの不足している知識を補えるような先生を探しましょう。
11. 難関校について、よくある質問
難関校受験には低学年から毎日、みっちり勉強が必要?
低学年からの詰め込みは逆効果
低学年から毎日塾に通わせ、友達と遊んだり思いのまま自由に過ごす時間がないというのは、子どもの健全な成長を考えた場合、良いことではありません。
犠牲を払った分勉強面で大きなメリットがあるかといえば、低学年からあまり管理を徹底して勉強をさせても、そんなにメリットがないのが実態です。
特に子どもが小さい間は、好きな事をとことんさせてあげる時間が必要です。
大人からすると、一見無駄が多いと感じることかもしれません。
しかしそれは子供時代にしか培えない大変貴重な時間で、興味のある事を追求して調べる行為は地頭の良さや学力の後の伸びへとつながります。
「自ら学ぶ」という習慣を育むことができるのです。
難関校に合格した子の多くが、親からあまり「勉強をしなさい」と言われたことがないと言うのも、このことと関連があるかもしれません。
お子さんが小学校低学年までの親ができることは、子どもを温かく見守り、子どもが興味を持っている事が何かを把握すること。その興味は日々変わるかもしれませんが、それに応じてさり気なく環境を用意してあげることです。
難関校は入ると保護者付き合いが大変?
難関校だからといって、特別に付き合い方を気にし過ぎる必要はありません
一般家庭の方の中には、「難関校は教育熱心な保護者が多いから、付き合いづらい親が多いんじゃないか…」と気にされるケースもあります。
実際、難関校・上位校を狙うご家庭は、どのご家庭も教育熱心です。
どの家庭でも、子どもにとって良い環境を準備するためには労力を惜しまないという共通点があります。
実際に入学した後は、父母会の参加人数の多い少ないであったり、活動内容によって付き合いやすかったり、付き合いにくかったりすることも多少あるでしょう。
ただ、これは私立中学校全般に当てはまることでもあり、公立の中学校でも保護者付き合いが難しい学校はありますので、難関校の生徒の保護者だからといって、特別に付き合い方を気にし過ぎる必要はありません。
何よりも、子どもの希望や学力に合わせた受験校選びを最優先にするべきでしょう。
まとめ
以上、中学受験の難関校とは?という疑問について、難関校に通うメリット・デメリットから、難関校受験に必要な情報をまとめました。
難関校受験は決して簡単なことではありませんが、お子さんの将来の可能性を広げることができるため、正しい方法で無理のない難関校合格を目指していただければと思います。
この記事が、「難関中学校受験」の参考になれば幸いです。