学力、得点力をつけ、成績を上げるための学習法
学力をアップさせる基本「◯△☓学習法」
同じように塾に通い、同じ授業を受けて、同じテストを受けているのに、ぐんぐん成績が上がるお子さんと、そうでないお子さんがいる・・・どうしてうちの子は・・・というお悩みは、お子さんを塾に通わせるお母さんならだれでも一度はお持ちになることがあると思います。
塾に通って学力をつけ、その結果として成績が上がり、志望校合格に近づいていく。このサイクルがしっかり出来上がることが、我が子を塾に通わせる親に共通する願いだと思います。もちろん、その先には我が子が自分の可能性を広げ、豊かで充実した人生を歩んでほしいという願いがあります。努力して成果を得ること、何かを成し遂げること、そんな経験は中学受験の成功にとどまらず、お子さんが人生を歩んでいく上での大きな財産になることでしょう。
では、学力をつけて成績を上げる第一歩となる学習法は何か。「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」主任相談員がおすすめするのが、「◯△☓学習法」です。お子さんが「この問題は簡単。楽に解ける。」と感じる問題や「難しい、分からない。」と感じる問題はひとまず避け、「難しいけど、ちょっとがんばれば解けそう」と感じる問題、つまり問題を
- ◯=簡単、楽に解ける
- △=難しいけど、がんばれば解けそう
- ☓=難しい、わからない
と分類したときの、△の問題に絞って学習させるのです。
自分にとって重要度の高い問題を、子どもが自分で選択、判断するという学習法ですが、少し不安を感じられるお母さんがいるかもしれません。「全部子ども任せでいいのかな・・・」という不安です。
まずは「第一歩」ですから、判断はお子さん任せでも構いません。もちろん子どもですから、すべての判断が間違いなく、完璧というわけではないでしょうが、実際に塾の授業を受けているのはお子さん自身です。ある程度正確に自分の現状を判断できるはずです。つまり、全くわからない問題を「簡単」と判断したり、容易に解けるはずの問題を「まったくわからない」と感じたりすることは少ないということです。
お話ししてきたとおり、お子さん自身が判断した「△」の問題を自力で解き切れるようにすることが、今より学力を向上させる第一歩です。それだけでも成績的にはずいぶん進歩するでしょう。偏差値では5~10くらいの前進になる場合も非常に多いです。それまで漫然と、もう簡単に解ける問題にも時間を費やし、そして長時間考えても「知識がない」「知らない」などの理由で解くことができない問題にも労力をかけていたのを、「いま力を注げばもっとも効果が出る可能性が高い問題」に集中して取り組むようにしたことで、学習効率が上がるからです。
さらなる学力向上を目指すには、現状「☓」がついている問題を解けるようにすることですが、ここではプロの助言が必要になるでしょう。今「難しい」「わからない」とお子さんが感じている問題いついて
- 本当に今は解くことができない問題なのか
- 受験勉強の中での重要度、優先順位は高いのか
という2面からアドバイスを貰うことが重要なのです。
難しい、わからないと思っているけれど、実はあることに気づけば非常に簡単に解くことができる問題だったとか、少しのアドバイスで乗り越えられる問題だったということが、プロの助言を得ることができれば意外に多いものです。
また算数の割合や速さの単元のように、受験勉強全体から見て重要度が高く、多少手間や労力がかかっても身につけておくべき、乗り越えておくべき問題かどうかといった視点も重要で、それらを考えながら「☓」の問題のうちやっておくべきことをリストアップして乗り越えることで、お子さんの実力はさらにワンランクアップします。
弱点対策は6年生の10月一杯まで
ふだんから、苦手な単元や弱点科目を補強することは大切ですが、中学受験という短期的な目標を達成するという視点から考えると、苦手克服に労力をかけるのは6年生の10月まで、秋が深まっていく頃には徐々に学習の中心を得意科目、得点力のある科目、単元に移し、さらに得点力に磨きをかけながら、「できる感」を強く感じさせてあげるような学習スタイルに変更していくのが得策です。
当たり前といえば当たり前ですが「絶対合格できるはず」という強い自己肯定感を感じながら受験するのと、「不合格になるかも」という不安いっぱいで受験するのでは、結果は変わってくるものです。
学力と得点力は似て非なるものであり、学力があっても得点できるとは限りません。得点力をつけるには、学力をつけるとともに、精神面での安定も重要だということです。
この2点を意識しながら、お子さんの中学受験成功を信じて進んでいきましょう!