中学受験の勉強法 将来にまで役立つ受験勉強の具体的な方法とは
中学受験の学習は、志望校合格だけにとどまらず中学、高校、そして将来に役立つ学習ができてこそ成功と言えます。
将来役立つ学習のしかたとは、どのようなものなのでしょうか。
暗記学習の落とし穴
社会や理科を中心に、語句や解き方を覚える必要がある分野では、お子さんの学習は”暗記学習”になりがちです。
何度も同じ問題を、暗記するまで解くといった学習ばかりでは、理解力を付けることはできません。
暗記学習だけでも、基本問題は解けるようになります。
習ったとおりに「当てはめる」ことで答えが出る問題が多いからです。
しかし、そのような学習に終始すると応用問題が解けるようにはなっていきません。
難関校合格を目指すには、応用問題を解く実力をつけることが必須になります。
応用問題を解くために必要なのは、”どうしてこうなるのか”、”もしこうだったらどうなるのか”ということを考えながら解き進める学習です。
暗記学習だけでは乗り切れないのです。
偏差値が高くても不合格になる理由
「アクティブ・ラーニング」「思考力・判断力・表現力」といったことが叫ばれる近年、中学受験にも確実に変化が起こっています。
塾内の偏差値が高いだけでは、合格できない学校が多くなってきたのです。
「塾の基準偏差値では届いていたのに受験に失敗した」というお話も増えています。
これは、出題される問題の質が変わってきたということです。
試行錯誤して解法を予測し、自分なりに考え方や解き方を見つけて答えを出すことが求められているのです。
数年前までは御三家など難関校しか出さなかった、その場で条件を与えられて考えるといったタイプの問題が、中堅校などでも多く出題されるようになってきています。
難易度は想像するまでもなく、全般的に高くなっています。
多くの学校が、自分自身でしっかり考えることができる「本質的に頭がいいお子さん」を求め始めたということかもしれません。
本質的な頭の良さとは?
近年の中学入試問題のトレンドは、試行錯誤した上で解決の糸口を見つけ、自分の予測に従って確実に問題を解いていかなくてはいけないというものです。
それは、国立大学の二次試験の数学入試で求められるものと似たようなもの、ともいうことができると思います。
「国立大学の二次試験と似たようなもの」というとびっくりするかもしれませんが、近年の中学受験は、それほどにまで難易度が上がっているのです。
公式を覚えているだけでは解けないのです。
与えられた条件から、自分で考えることで何かを見つけ出す力が必要です。
塾で習っていない「新しい解法」が出題されるたびに、塾ではテキストにその新しい解法を載せ、子ども達が解けるようになるまで繰り返し解かせます。
でも、それを繰り返す勉強のしかたでは、暗記学習で頭がいっぱいになり、本来養いたい「考える力」がうまく育っていきません。
本来の理想は、中学受験の勉強を通して、解決策を考え自分なりに見つけたり、知識を得る喜びを体感することです。
それが学習面においてもこれからの生活においても、お子さんの未来を豊かにしてくれるのだと思います。
暗記学習だけに終始することがない受験勉強を続けるヒントは、「スピーディーな学習」と「スローな学習」を使い分けることです。
計算などの「作業」や基本的な「パターン問題」はスピーディーに正確に、そして応用問題を考えるときには「なぜそうなるのか」「だったら次に何がわかるのか」をしっかり考えて「理詰め」で解くことです。
忙しい塾通いですが、この勉強法を実現するには、やるべきことの取捨選択が必要になります。
「塾の宿題は全部やらなければならない」という固定観念を捨て、お子さんにとっての優先順位をしっかり考えて「やるべきことを選ぶ」ということを心がけてみましょう。