成績上げる家庭学習のステップアップ術(社会・理科編)
中学受験には必要なんだけど、ついつい算数、国語を優先してしまい、後回しになってしまいがちな理科と社会。
勉強しなければならないのは分かっているけど、では具体的にどういうふうに進めていけば成績が上がるのか、今ひとつわからないというお子さんも多いようです。
ここでは、具体的に学力をつけて成績を上げるための、理科と社会の勉強方法を考えてみたいと思います。
一問一答にプラスアルファのアイデアで社会の得点力を上げる
最近の入試では社会科での記述問題で点数を取れるどうか、が合格のきっかけになることも多いのです。
そんな社会科は、親子でクイズ形式にして一問一答する方法が効果的です。
しかしこれを実践している家庭を見てみると、口頭だけでやっている場合が多いようです。実はこのクイズは答えを子どもに書かせることが重要ポイントになります。
社会科の解答では漢字で書けないと減点されることもあり、書いて答えることができるかどうかで学習効果が全く変わってきます。
社会科の記述問題に関してはキーワードだけではなく、そこにまつわる歴史的背景も知識としてつけておくことが大切です。
それには、たとえば歴史的な事件の年号が言えて名前を漢字で書けるだけでなく、その事件が起こった原因や背景を説明できるようにしておくということです。
一問一答の際に「その事件はどうして起こったの?」「その人はほかにはどんな事をした人だっけ?」といった質問をしてあげましょう。
あまり文章がうまく書けていなくても、そのような知識が散りばめられていれば部分点を取ることができます。
たかが1点でも本番試験では合否の分かれ目になります。
記述の得点を少しでも上げるために、そのもととなる知識をしっかりつけておくよう準備しておくのです。
「なぜ?」とテキスト以外のものの活用で理科の得点力を上げる
理科の試験というと暗記と計算だけで大丈夫だと思っている家庭が多いですが、実はそれだけでは不十分です。
理科では「なぜ?」という考え方が非常に大事になってきます。
「なぜそうなったのか?・・・だったらどうなるのか?」と原理を知ることで道筋が立った考え方や説明をすることができます。
たとえば天体の動きを例に出すと、月の見え方、形が日によって変わりますが、これを塾によっては「上弦」「満月」「三日月」などの名称とともに出没する時間や沈む時間を書き出して暗記させようとします。
しかし月の動きの仕組みを分かっていれば、無理な暗記をする必要もありませんし、応用問題にも対応することができます。
中には「覚えやすいように一覧表にしてほしい」という要望を出す子もいます。
「暗記型」の勉強がついてしまっていることが、よくわかります。
一覧表にして覚えると「満月が昇ってくるのは何時頃?」という一問一答的な問いには答えられても、入試問題にでてくるような思考問題には対応できません。
その意味でふだんから「なぜ?」「どうして?」と原理原則を考えるような習慣は大切なのです。
しかし、いきなり全てのことに関して「なぜ?」という見方をしても親が教えられることには限界があります。
しかし、そのような思考のくせをつけるように誘導することは可能ですね。
ぜひ、「なんでかな?」という声かけで子どもが原因や原理を考えるきっかけを与えてみてください。
また理科では「テキストの中だけで勉強しない」という考え方も大切です。
たとえば、テキストに出てきた植物について別の参考書や図鑑などで調べることで、その植物の周辺知識をつけることができます。
中学受験の勉強は4年生から始めるご家庭が多いですが、できれば4年生のうちは「来週のテストに向けてテキストと宿題を完璧に仕上げる」という勉強ではなく、テキスト以外のものにたくさん触れる勉強法を目指しましょう。
そうすることで知識がつながり、厚みが増します。
そうなることで、総合問題などに取り組む際の得点力が上がってきます。
社会科も理科も、一見「回り道」のようですが、高学年になったときの得点力がアップすることを目指して続けてみてください。
上記のことに意識して取り組んでみると、お子さんが理科や社会の勉強を嫌がらない、楽しんで勉強できる子になっていきます。