成績を上げる家庭学習のステップアップ術(算数・国語編)
子どもの成績は上げたいけれど、自分が勉強を教えるのは自信がない、と思う親も多いのではないでしょうか。
ここでは、成績を上げるために家庭学習で親ができる、具体的なサポート方法を教科別に紹介します。
今回は算数、国語編です。
成績を上げる家庭学習(算数)
算数は最重要教科ですが、中学受験の算数の解き方はなかなか教えることができない、と感じる親も多いでしょう。
親は算数の専門知識がない場合は無理に教える必要はありません。
その代わりに子どもが効率的に学習できるようにサポートしてあげてください。
算数の問題集を解いたあと、その問題の理解度を「○」「△」「×」でマークします。
・「○」 完璧にできる
・「△」 ちょっと不安、類題が出たとき解ける自信がない
・「×」 全くわからない
問題がこの3種類に振り分けられたら、親が「△」マークがついた問題を集めて独自の問題集を作ります。
「△」がつくということは完璧に理解できていない、あいまいな状態が続いてるということです。
その「△問題」をコピーして、順番をランダムに変えてノートに貼っていきます。
これはどんなパターンで出題されても解けるようにするためです。
このオリジナルの問題集は自分のためだけにカスタマイズされた「弱点問題集」なのです。
これを月1回の塾の確認テストの前に解くことで、確実に弱点が克服されて効率的に学習ができます。
子どもは自分の自信がない問題を解いていても1ヶ月もすれば忘れてしまっている場合が多いです。△問題に再チャレンジする日程をあらかじめ立てておくといいですね。
成績を上げる家庭学習(国語)
国語を学習するのは、国語の成績だけではなく算数の文章題など、他の教科にも影響があります。
そして、特に大切なのは語彙力をつけることです。子どもは長文の中に知らない言葉が出てくると、それだけで問題を解く気力を簡単に失ってしまうのです。
単純に漢字練習をたくさんしたり、熟語を端から覚えるだけではあまり意味がありません。
その漢字をどうやって使うのか、意味がよくわからない、というのではなかなか国語としての力が育ちません。そのため親のサポートが必要になります。
たとえば子どもがわからない言葉に関して、親は子どもがイメージをつかめるように誘導してみてください。
子どもに知らない言葉について聞かれると、親はつい「辞書で調べなさい」と言いがちです。
子どもが辞書で調べても、 その説明がイメージのつかみにくい言葉だと理解できないままになってしまいます。
親がいっしょに調べたり、子どもが調べた言葉を聞いて具体的に説明して言葉のイメージがつかめるようにしてあげましょう。
たとえば「思慕」という言葉を「広辞苑」で調べると「恋しく、なつかしく思うこと」と書かれています。
大人であればこの説明でイメージができますが、人生経験の少ない子どもにとってはこの説明ではいまいちどのような使い方ができるのかがわからないでしょう。
そこで、親が実際に使い方などを説明します。
「思慕」を例とするならば、
「転校したお友達に会いたいなと思うとき、『○○くんへの思慕』というふうに使えるよ」
「田舎のおばあちゃんに会いたいと思ったときも、『おばあちゃんへの思慕』と言えるよね」
身近なところで例えると子どもはかなりイメージがわきやすくなります。
成績を上げる家庭学習(記述力)
「書くことが苦手」という子どもは多いですが、中学試験では年々「書かせる」問題が増えています。
「書く力」は地道な積み重ねでしか伸びません。低学年のうちから慣れ親しむようにしたいですね。
「書く力」を備えるトレーニングは特にむずかしいことをするわけではありません。
まずは算数の問題を解くとき、式を紙やノートなどに書いてから計算していく習慣をつけるところから始めましょう。
思考の過程を残すことは「書く力」そのものです。
算数の場合はその過程を言葉ではなく数字で表現します。算数で答えを出す前に図や式を書く習慣をつけることで、「書く力」がついていく子が結構います。
逆に記述が苦手な子は解答用紙に計算しか残っていません。すなわち思考過程=「書くこと」を残そうという意識がないのです。
親が「算数のときは必ず答えだけじゃなくて、式や図などを書いてね」と声かけするだけでその意識づけをすることができます。
子どもが「質」の高い家庭学習をすることで、効率的に成績を上げることができます。
算数では「○」「△」「×」で自信のない「△問題」を集中的に取り組み、国語では単語や熟語だけではなく、親が具体的な使用例を出すことで意味を理解させて記憶させるようにしましょう。
書く力はまずは算数の式を書いてから解き始めることが大切です。
どの教科も毎日の学習の中で習慣づけさせることが大切なので、そのための親の声がけから取り組んでみてはいかがでしょうか。