中学受験情報局『かしこい塾の使い方』

8割のご家庭がやっている「成績が上がらない3つの最大の原因」と対策方法まとめ

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公開: 最終更新日:2024年06月23日

こんにちは。

中学受験情報局 主任相談員の西村則康です。

先日実施した「2024年夏のお悩み聞き取りアンケート」に100件を超える回答があり、中学受験に挑戦しているご家庭のお悩みをたくさん共有していただきました。

やはり最も多かったものが、「成績がどうしても伸びない」というご相談です。

特に多かったご相談が…

■ 塾に通って宿題もしているけど、成績が伸び悩んでいる

■ 物理的に時間が足りず、お子さんのやる気も含めて、勉強量を増やすことが難しい

■ ただ、勉強方法を変えようと思っても、お子さんが中々挑戦してくれない/言っても、やらない

というものでした。

そこで今回は、ご家庭でできる範囲で、お子さんに負担をかけないことを必要条件に、

1ヶ月後に確実に偏差値5UP、3ヶ月以内に偏差値10UPを狙うためには、どうすればよいのか?

お子さんの成績を上げる方法をまとめていきます。

1. 8割のご家庭がやっている「成績が上がらない3つの最大の原因」

今回のアンケート結果を見ても如実に表れていたのですが、お子さんの成績が伸び悩むご家庭に来3つのことが共通していることがあります。

この問題を意識して学習計画を組んでいただくだけでも、お子さんの成績を上げるヒントを掴んで頂けると思いますので、まずはその3つの「成績が伸びない原因」からお話ししたいと思います。

このパートは少し耳が痛い話もあると思いますが、「確実な解決策」をスムーズに進めていただくために、ご説明が必須ですので、ぜひ読み込んで見てください。批判をしたいのではなく、具体的な解決策を続けてご説明することを予めお約束します。

【原因1】「これをやれば、確実に成績が上がる」という見通しが立っていない

お子さんの現状を見て、たくさんリサーチされて、ご家庭ごとに戦略は立てられている一方で、「これをやれば、次回のテストでは確実に成績が伸びるな」と断言できるご家庭は、ほとんどありません。

これこそが、成績が伸びない最大の原因とも言えます。

「これをやれば成績は上がる」という確実な答えがないまま、日々の勉強が進んでしまっているのです。

もちろん、偏差値60以上のお子さんが、偏差値5〜10UPを狙うとなると、プロの家庭教師でも何パターンか戦略を立てる必要があります。

ただ偏差値60までのお子さんの成績を上げるなら、お子さんの現状に合わせて戦略設計は必要になりますが、「とりあえず、ここだけ押さえれば、成績は上がるポイント」は必ず見つかります。

このポイントを見つけることができないまま、

■ 塾の宿題をできる限りやる

■ 問題集を繰り返し解く

■ テストでできてなかったところを全部やり直す

といった勉強を繰り返しても、本当に必要な勉強ができるかどうかはわかりません。

反対に「とにかく、これをやるべき」ポイントを押さえることができれば、次回のテストで5〜10点の加点は比較的容易で、1ヶ月で偏差値5UPは、決して非現実的な話ではありません。

【原因2】繰り返し「問題を解かせる」以外の学習方法が手薄

成績が伸び悩む大きな原因のもう1つが、「お子さんに問題を解かせる」以外に家庭学習の手立てがないことがあげられます。

これは中学受験特有の事情でもあり、多くのご家庭で陥りがちなのですが、1度理解できなかった問題は、お子さん1人で解説を読んで、どれだけ解き直しても、まず理解できるようにはなりません。

授業を聞いても、お子さん1人では理解できなかった問題こそが、お子さんが苦手な問題ですから、1人で問題を解くだけの勉強では、どうしても理解できるようにはなりません。(もちろん、これは、中高生になると話は変わってくるのですが…)

せっかく、テストの正答率などを参考に、「これがわかっていないから対策をしないと!」と有効な手立てをお父さん・お母さんが立てていても、「やったはずなのに、また正解できていない」といったように、成績が伸びない原因はここにあります。

【原因3】最優先で取り組むべき課題ほど、後回しになっている

今回のアンケート調査で、成績が伸び悩んでいるご家庭ほど、最優先で取り組まないといけないことほど、後回しになってしまっていることがわかりました。

最優先で取り組まないといけないこと ■ 理解が浅いと、先の単元が全く理解できなくなる知識
(代表例:算数の割合、約数の概念理解など)
■ わかっていないと、教科全体の勉強が崩れる知識
(代表例:国語の文章構成のルール、社会の白地図を使った仕組み暗記など)
■ 問題を解くスピードを底上げする基礎トレーニング
(代表例:漢字・語句・音読トレーニング、工夫をこなした計算力など)
■ 応用問題に対応するための、暗記ではなく、仕組みを理解する勉強
(代表例:月・天体の動き、電流など)

といったような、中学受験で成績を上げるためには避けては通れない学習ほど、日々の学習に圧迫されてしまい、「何とかなるだろう…」と先送りにされている傾向が際立っていました。

これらの学習は手間もかかるため、どうしても後回しになりがちなのですが、押さえておくことで先の勉強のスピードが格段に上がるため、結果として効率がよくなります。

反対に後回しにしてしまうと、次に習うことの習得がどんどん遅れてしまうということでもあります。

【結論】成績が上がらない原因は「真っ先にやるべきこと」に手が回りきっていない

ここまでをまとめると、お子さんの現状を踏まえて、

1. 何をしたら成績が上がるのか?

2. それは、どうすれば、すぐに理解できるようになるか?

3. どれらから順番に手をつけるべきか?

ということさえわかれば、お子さんの成績を上げる最短ルートが見えてくるということです。

ただ今の中学受験は、これがわからないまま、とにかく塾カリキュラムに沿って問題を消化する以外に手が無いのが現状です。

ご家庭では「とてもできない…」「頑張っているのに、どうしても成績が上がらない」となってしまうのは無理はありません。

それでは、具体的にどうすれば成績をあげられるのか?その方法について話していきます。

2. 1ヶ月後に偏差値5UPを達成するための3つのポイント

それでは、具体的にどうすれば成績をあげられるのか?その方法について話していきます。

短期間で成績をあげるには、3つの原則に沿って、お子さんの勉強を見直すことから始めてください。

【ポイント1】優先度の高いものから順とは、「全部やる」のは諦めていい

「何を勉強したら成績が上がるのか?」を改めて考えてみると、あれもこれもやらなきゃいけない…とやるべきことが溢れかえってきます。

中学受験専門のプロの講師であっても、これは同じです。

お子さんがしっかり理解するまでやりきることが大事ですから、「全部をやろう!」と思っても、とても時間が足りません。

だからお父さん・お母さんは、まず「あれもこれも、全部やるのは無理」と開き直ってほしいのです。

とはいっても、もちろん放置するのではありません。

最小限の努力でできて、短い時間で、理解できることから手をつけると考えましょう。

もどかしい気持ちもあると思いますが、理解できている知識が増えれば、勉強全体の効率はどんどん伸びていきます。少しずつできることが増えれば、お子さんのモチベーションも上がります。

これこそが成績を上げる第一歩です。

基礎知識の理解を固めることこそが、6年生の最終まで成績が伸びる力を育てます。

そういう意味では、応用問題は、今は後回しでも良いということです。

では、最優先で取り組むべき課題とは何なのか?ということになりますが、テストの正答率を見て、100ー現在の偏差値」%の問題で間違っているものは、早急なやり直しが必要と考えてください。

これがお子さんの成績を次のステージに進めるために補強すべき問題になります。

あまり量が多いと何から取り組めがよいかわからなくなってしまうので、まずは、直近3ヶ月のテスト問題から取り掛かるのがおすすめです。

【ポイント2】苦手な問題は、3つの質問で「わからない原因」を解消する

「これができれば、成績が上がる問題」が特定できても、お子さん1人に解説を読んで、この問題をやり直しなさいといっても、それでは理解できるようにはなりません。

一度できなかった問題は、大人のサポートがあって初めて理解できるようになります。

塾の先生に教えてもらうのも手ですが、ただ全部は頼めないと思います。

そこで、ご家庭主導で教えてあげるには「3つの質問」を意識してください。

まずは、できなかった問題をお子さんに読んでもらいます。

続いて…

わからない問題を解消するための3つの質問 1. この問題は何が聞かれているの? 2. それで、今何がわかっているの? 3. 何を書けば解けそう?(国語:どこに答えが書いてありそう?)

つたない言葉でも答えられれば問題ありません。

言葉につまったり、説明ができない場合、そこがお子さんの理解が不足している点です。

そこを重点的に説明してあげましょう。

解説を一緒に読んであげて、補足してあげるという形でもよいです。

ここまで2つのルールで、成績を最短で上げるために、真っ先に理解すべき問題を絞り込んだ上で、頭に定着させる流れが完成します。

【ポイント3】まずは週30分を目処に、最優先で取り組むべき課題を決める

普段の学習時間の中で、無理のない範囲で「弱点補強」を行う時間を確保しましょう。

最初は週30分程度で良いです。その時間は、塾の宿題ではなく弱点補強を必ず行う時間と決めてください。

続けている中で、1日1問できるようになれば、「これを続けていれば、絶対に成績が上がる」とお父さん・お母さんも強く確信できるようになるはずです。

何から手を付ければよいか?というと、下記は一例ですが、特に優先度が高いと考えてください。

また、これらをやり直す際に、必ず「正しい解き方(図や式を書く・丸暗記の当てはめではなく、1題ずつ考える)」ということを大切にしてください。

上記に加えて、問題を解くスピードを上げる = 勉強時間の効率が大幅にUPする「計算・漢字語句」の基礎トレーニングは並行して必須です。

以上いかがでしたか?

成績が伸び悩んでしまう根本の原因と、ご家庭でできる対策の立て方についてまとめました。

ぜひ参考にしていただき、1ヶ月後にお子さんの偏差値5UPを狙っていただければと思います。

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