理解がぐんと深まる 宿題の前に「復習」を
宿題はなぜ出されるのか
塾に通っていれば、毎週宿題が出されると思います。
大手進学塾では宿題が出ない、ということはまずないでしょう。
もちろん、塾が宿題を出す目的は、授業で習った内容を定着させるためです。そ
の日の記憶をその日に整理するというのが理想で、習ったときは「わかった」と思っていても、時間が経つとどんどん記憶は曖昧になり、失われていきます。
授業であることを習って「わかった」と思っているだけでは、いわば不完全な状態で、それを「自分でできる」状態にするために、習った内容の類題などを宿題で演習し、記憶に定着させるのです。
しかし、塾から帰ってくるのは夜。お子さんが高学年ともなると、夜の9時や10時に帰ってくる、ということも珍しくありません。その時間から宿題をさせるにはちょっと無理がある、ということも多いでしょう。
宿題の前に授業の「復習」を
塾から返ってすぐに宿題ができればいいのだけれど、時間的に難しくて、というご相談も多いのですが、まずは宿題の前に、授業の「復習」をすることを心がけてみてはどうでしょう。
復習は、宿題をすることとイコールではありません。復習とは、授業の内容を頭のなかで再現すること。
何を習ったのか、そして習ったことを自分はどのように理解したのかを考えることです。
これこれこういうことを習って、自分は「なるほど、これは◯◯なんだ」と理解したので、その考えをもとにこの問題考えれば、自分の力で解けるはずだ、と納得することです。
もちろんそれは宿題演習の中でもできますが、実際に宿題をしなくても、授業の内容を思い出すことは出来ます。
その方法として、主任相談員の西村先生が提唱しているのが「家庭内ミニ授業」です。塾で習ったことを、お子さんが授業という形で再現するのです。生徒役はお母さん、お父さんです。
「家庭内ミニ授業」で得られる収穫とは
お子さんの説明を聞いて、お母さん、お父さんが実際に理解できれば合格です。
算数が苦手で教えられない、というお母さんも、生徒役なら何の問題もないですし、算数が苦手なお母さんが理解できれば、お子さんの説明がとてもわかり易かったということで、授業内容をよく理解できているということです。
わかっているつもりでも、いざ誰かに説明しようとするとうまく説明できなかったり、辻褄が合わなくなる場合もあります。そうやって理解が不十分であること、「わかったつもり」になっていたことに気づけば、それも収穫といえますね。
誰かにわかりやすく説明するには、自分が十分にj理解、納得していなかればならず、そこから得られる気づきは非常に大きいのです。
授業当日は「復習」のみでもいい
塾から帰ってきたら「今日はどんなことを習ったの?」「お母さんに教えて」を口癖のようにし、宿題ができないまでも、授業の再現だけはその日のうちにするということを心がければ、次の日になって忘れてしまったとか、昨日はわかっていたのに、ということが激減します。
高学年になって内容が難しくなると、この復習法は非常に大きな効果を発揮します。
ぜひ学年が上る前、秋から冬にかけて、「家庭内ミニ授業」を習慣化してみてください。
授業内容の理解がグンと深くなるはずです。