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中学受験で大切な「スロー学習」の実践法【じっくり読む】

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公開: 最終更新日:2022年12月22日

中学受験の学習は「スピーディー学習」を基本としていますが、そこに「スロー学習」を取り入れたら、志望校合格に大きく近づくことができます。
今回の記事では、「スロー学習」の中でも「じっくり読む」学習の取り入れ方について考えてみたいと思います。

「スロー学習」を取り入れて、じっくり読む

中学受験のための学習に限らず、すべての学習の基本は「読む」「書く」「考える」の3本柱です。

お子さんが普段どういう風に勉強をしているか、一度じっくり観察してみてください。
もし、問題を解くときに問題文を読まずに解いているような様子があれば、できるだけ早くやり方を変える必要があります。

アタフタと慌てて学習するのではなく、スロー学習を実践することによって、学習内容を確実に身につけ、テストや模試で落ち着いて力を発揮できるようになります。
できれば4年生のうちから「スロー学習」を取り入れるとよいですが、5年生からでも遅くはありません。

塾などで必要とされる「スピーディー学習」とこの「スロー学習」が両輪でうまく回ってこそ、前に進めます。
そのやり方を続けることで6年生の受験直前期には心身共に余裕が生まれ、入試本番では実力を発揮できるでしょう。

正しい「読む作法」を身につけよう

例えば算数の問題を解いているとき、問題文を読み飛ばしている子はすぐにわかります。

チェックすべきポイントは、子どもの視線です。
冒頭の問題文から視線が流れるように「小問1」まで進んでいるでしょうか。
読み飛ばしている子は明らかに「先へ、先へ」と視線がせき立てられるような動き方をしています。

もしお子さんにミスが絶えないのなら、正しく「読む作法」が身についていない可能性があります。

①「図1」や「表1」、「三角形ABCについて」などを文中で読むたびにそれを必ず見る
②算数や理科の3行程度の前提文を読み切ってから小問を読む
③算数や理科の長い設問の「仮定」と「結論」にあたる部分は頭の中で音読するように黙読する
④国語や社会も設問の中の大切な言葉や文を音読するように黙読する

「落ち着いてやりなさい」「ミスをなくしなさい」と声かけするよりも、上記の「じっくり読む作法」を具体的に伝えるほうが効果的です。

じっくり読むコツ①理科と社会では必ず「表の見出し」を読む

表やグラフが苦手な子どもは多いですが、そのほとんどが「見出し」を読んでいません。
表の縦見出し、横見出しはとても重要な要素です。
必ず真っ先に読んで頭に入れながら数字や他の文章を読むようにしましょう。

表やグラフは理科と社会で特に頻出します。
もし子どもが苦手意識を持っているなら、一度親御さんが隣に座って、「縦は何?「横は?」と見出しを確認させてあげてください。
その習慣づけによって、ひとりで勉強するときにも自然に「見出し」に目線が動くようになります。

じっくり読むコツ②国語の長文は「意味がわかるまで」

国語は、難関校になればなるほど素材文の文字数が多くなる傾向があります。
スピード感を持って読み切ることは大切なことですが、4年生、5年生のうちは「何分以内に」と時間で区切らず、意味が頭の中に入ってくるまでていねいに読み込む習慣をつけましょう。

読んだあとに、親御さんが「どんなことが書いてあった?」と聞いてあげるとよいでしょう。
そこで理路整然と説明できるならいいですが、しどろもどろになる場合は意味が理解できていないことが多いです。

速く読めることももちろん大切ですが、文章の内容をしっかりと入れながら読むスローな読み方を習慣づけておきましょう。
中身をしっかり読まないと正解できない問題が出題されるので、素材文を読むことの重要性を6年生になるまでに身につけておきましょう。

じっくり読むコツ③算数の「前提条件」を必ず全部読む

算数の文章問題を解くときに、たった3行の問題文(前提条件)を読まずに設問1を解こうとする子がいます。

そういう子はたいてい「早くやらなければ」と焦っています。たくさんの問題を次々に解くことが勉強だと思っているので、とにかく前に進もうとします。
スピード感はもちろん大切ですが、前提条件がちゃんと頭に入っていないと、その問題を正確に解くことはできません。

過去に解いて正解できた問題を思い出し、「これでいけるはずだ」と強引に公式にあてはめてしまう子もいます。
これまでたくさんの問題を自分なりの当たりをつけて解いてきたのですが、本質的な理解ができていないので必ずどこかで壁に当たってしまいます。

「問題文に書いてあったことでまだ使ってない条件がないか探してみて」と声かけをすると、「あ!」と子どもが気づくことがあります。

じっくり読むコツ④暗記するときは因果関係を確認して

テキストを読むときに、例えば社会の地理なら地名だけに、理科の植物なら植物名や花びらの数だけにマーカーを引いていないでしょうか。

暗記する箇所に印をつけるのは重要ですが、もっと大切なのは因果関係を確認しながら読むことです。

社会の歴史なら「○○の変が起こったのは、こういう人物がいたから」という流れを意識しながら読みます。
地理なら地名を暗記するときに、地図と一致させながら読みましょう。
これは理科の植物や動物でも同じで、固有名詞や数個を覚えるだけでなく、絵や写真で確認しながら読むのです。

このやり方を実践するだけで、ものごとを現象の因果関係で理解できるようになり、知識と知識がつながる機会もどんどん増えていくでしょう。

ぜひ試してみてください。

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