中学受験情報局『かしこい塾の使い方』

中学受験 計算問題ってどのくらい重要?

このエントリーをはてなブックマークに追加
公開: 最終更新日:2021年07月26日

中学受験に限りませんが、算数の学習につきものなのが計算問題。お子さんの計算ミスで困っていたり、逆に「計算はできるんだけど応用問題が・・・」というご家庭もあるかと思います。ここでは、中学受験における計算問題の重要性や勉強のしかたについて考えてみたいと思います。

入試にはどんな計算問題が出る?

算数で、文章題などでない純粋な「計算問題」を入試に出す学校は、灘中・ラ・サール中・聖光学院中・海城中・桜蔭中・女子学院中・雙葉中・豊島岡中・フェリス女学院中・浦和明の星女子中・慶応中等部・渋谷教育学園渋谷中・青山学院中などがあります。純粋な計算問題の配点は高くはありませんが、確実に得点したいものです。

純粋な計算問題といっても、入試に出すくらいですからそんなに易しいものは出ません。また計算の工夫が必要だったり、単純に計算だけで解こうとすると非常に煩雑であったり、時間がかかるタイプのものもあります。1つ、実際に入試に出題されたものをご紹介しましょう。

(慶応普通部2016年度)

この「計算問題」を、通分して計算しようとすると大変なことになります。20と30と42と56と72の最小公倍数が分母となるはずですが、とんでもなく大きな数になってしまいます。

この問題は多くの受験生がよく知っているものですが、

と書き換えて考えるという知識がなければ正解することができません。

このように、中学入試の学習では計算の力を鍛えるとともに、計算に関する「知識」や「テクニック」などもつけていかなければならないのです。

計算力の違いは計算問題以外にも出る

中学入試の算数において、計算は大切だということを否定する人はあまりいないと思いますが、計算は大切というより、パーフェクトを常に目指すべきものです。それくらい大切だということです。

たとえば、10問の計算テストで9問正解したとしましょう。1問10点として100点満点で採点すると90点です。テストで90点というといい点のように感じるかもしれませんが、算数の大問1つを解くのに計算が10回必要だとしたら、どこか途中の計算で1か所間違ったら、その問題は「×」です。

「つるかめ算」などの解き方がわかっても、その計算途中で間違ってしまうと、得点面では解き方がわからないのと同じということになってしまうのです。

ですから計算間違いは「ケアレスミス」と放置せず、きちんと間違いの原因を突き止め、次は間違わないよう対策しておくことが大切です。

計算は算数以外でも必要!?

計算といえばまっさきに思い浮かぶのは算数ですが、理科でも計算は出てきます。てこの計算や食塩水の問題、中和の計算問題など、理科では算数以上に複雑な計算も出てきます。

特に食塩やホウ酸が水に何g溶けるかといった溶解度の計算などでは、小数第3位まで計算して四捨五入するという問題もたくさん出てきます。計算が不正確だと、いくら考え方が正しくても正解にはなりません。

高学年になって「理科嫌い」になるお子さんの何割かは、計算問題ができないから嫌いになるのです。基礎的な計算力は4年生のうちにつけておきたいですね。

計算を完璧にする方法

計算は「パーフェクトを常に目指すべき」とお伝えしましたが、どうすればパーフェクトになるでしょうか。

身も蓋もありませんが、基本的には毎日練習するしかありません。朝学習や夕食前の時間に組み込むなど、「ルーティン」にしてしまうのがオススメの方法です。1日に解く問題数は多くなくてかまわないので、毎日練習するのが大切。たとえば10問演習して、パーフェクトだったら次の日は5問にするとか、モチベーションが持続しやすい仕組みやルールを考えるのもいいですね。

計算用の問題集では、中学受験用で比較的始めやすいのが日能研ブックス「計算 マスター1095題」、やや難度の高い問題も解かせたい場合は桐杏学園「計算練習800題 より速く、正確に!」などがオススメです。

漢字と計算は毎日の練習が大切。習慣化するまではお母さんがつき合ってあげるなど、親子で取り組んでみましょう。

この記事を書いた人
アバター画像
Copyright (c) 2008-2021中学受験情報局『かしこい塾の使い方』 All rights reserved.