大人の視点で、子どもたちが苦労する「植物の分類」を整理する
今回の記事では、植物のつくりに関する多くの問題で出題される、「双子葉と単子葉の違いを理解しているか」について考えていきます。
双子葉植物と単子葉植物 塾では「覚えなさい」と言われますが…
写真のような葉(アジサイ)が、双子葉植物のものなのか、単子葉植物のものなのかを答えさせる問題ですが、入試でも塾の公開テストでも、もうおなじみすぎるほどおなじみの写真ですね。
この写真のように、網目状の葉脈がわかる写真やイラストがあればいいですが、「アジサイ」という名前だけで正解するには、中学入試で扱われる主な植物について「○○は双子葉植物で、□□は単子葉植物で・・・」ということを知っていなくてはなりません。
でも、すべて覚えてしまうのは大変です。
学習塾でも「覚えなさい」とは言われるものの「おもにこれだけを覚えよう」とはあまり言われないようです。
そこで知っておいていただきたいのが「少ないほうを覚えてしまったほうが楽」ということですね。
では、どちらを覚えるとよいのでしょうか?
お父さんとお子さんの対話形式でご紹介してみましょう。
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お父さん「植物は芽生えや葉のつくりで2つの種類に分けられるって、塾の先生は言ってた?」
お子さん「う~ん、言ってたような気がするよ。」
お父さん「双子葉と、何だった?」
お子さん「えっと、単子葉だったっけ?あと多子葉もあるって。」
お父さん「そう!正解。よく覚えているね。素晴らしい。じゃあ、単子葉植物にはどんなのがあるって、先生は言ってた?」
お子さん「え~っと、あまり覚えてないや。あ、イネとかかな。」
お父さん「そうだね。イネの仲間はすべて単子葉植物なんだ。単子葉植物は、『ひげ根』と呼ばれる根を持つんだったね。(インターネットで写真を検索して)こんな感じなんだよ。ところで、イネの仲間には、他にどんなものがある?言えるかな?」
お子さん「わかんないな・・・。」
お父さん「イネの仲間には『主食』になるものが多いんだ。日本人はお米をご飯として食べるだろう?西洋人はパンを食べるよね?パンは何でできてる?」
お子さん「あっ!ムギだ!」
お父さん「そう。その通り。朝ごはんのかわりに食べる『コーンフレーク』ってのもあるよね?」
お子さん「あ、そうか。トウモロコシもイネの仲間なんだね。」
お父さん「そうだね。とにかくイネ科を中心に単子葉植物をしっかり覚えておけば「その他は双子葉植物」と判断しやすくなるね。」
お子さん「どうしてイネ科中心なの?」
お父さん「だって、イネ科以外の単子葉植物はユリ科(ユリやチューリップくらいしか覚えるべきものがない)、ツユクサ科(ツユクサくらいしかない)、アヤメ科(アヤメくらいしかない)くらいしかないからさ。」
お子さん「なるほど!よし、イネ科をどんどん覚えるぞ!」
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※ここでは多子葉植物については割愛しましたが、やはりマツやスギくらいしか習いませんね。
単子葉植物を覚えよう!
中学受験の理科で扱われる植物の中で、圧倒的に量が少ないのは、実は単子葉植物です。
覚えるべきものは、
イネ科・・・イネ・ムギ・トウモロコシ・ススキ・エノコログサ(ネコジャラシと呼ばれるものです)・タケ・ササなど
ユリ科・・・ユリ・チューリップなど
アヤメ科・・・アヤメ・カキツバタ・ハナショウブなど
ツユクサ科・・・ツユクサなど
くらいです。
少ないでしょう?
これくらいなら、自信を持ってお子さんに「覚えてしまいなさい!」と言えそうですね。
入試で扱われる植物を体系的に覚えるのに大きな労力はいらない!
下の図を見てください。
子どもたちは塾で「種子のつくり」の単元で有はいにゅう種子と無はいにゅう種子を学習し、「根・くき・葉のつくり」で双子葉植物と単子葉植物を学習します。
ただそのつながりについてきちんと理解している子は、意外なほど少ないのです。
塾では何週にも分けて種子から順に根・くき・葉・花と学習していきますが、それらがつながらず、全部をそれぞれ別のものとして認識しているために、効率の悪い暗記の仕方をしてしまっています。
ぜひ、お父さん・お母さんが上の図を書いて、お子さんに見せてあげてください。
そして「これさえ覚えれば大丈夫!」と豪語してしまってOKです!
ただ、有はいにゅう種子だけど双子葉植物である「例外」が3つあります。
(実は他にもありますが、当座これを覚えておきましょう)
これら「例外」については
「ゴマ・オシロイバナ・カキは ゴ オ カ 3点セットだ!!」
と親御さんがシャウトすれば、お子さんたちはたちまち覚えてしまうはずです。