中学受験で重要!ノートや図の「正しい書き方」とは
中学受験では「どう書いて勉強するか」がとても大切な要素です。
算数の問題では図を書いて解く問題も多く、図を書くことも重要になっています。
今回の記事では、中学受験に特に大切なノートや解答用紙の書き方、図の書き方のコツについて考えてみたいと思います。
「書く」のを嫌がる子、雑な子は必ずつまずいてしまう
すべての学習の基礎に「読む」「書く」「考える」の3つがあり、中学受験の勉強でもそれは例外ではありません。
その中の「書く」は、ノートに書く、答案用紙に解答を書く、イラストや図を書くなどたくさんあります。
その中でも特にノートの書き方が重要で、自分の手を動かすことと成績アップは実は大きく関係しています。
書くことを嫌がる子、書いても雑に済ませてしまう子は必ずどこかでつまずいてしまいます。
耳で聞き取ったことをノートに書くという行為には思考力を伴います。
聞きながら「ここがポイントだな」と要点を確認したり、「これはもうわかっているから必要ない」など情報を取捨選択しなければ、自分の言葉でまとめることはできないからです。
「どう書いて勉強するか」はとても重要なのです。
正しい書き方を身につけよう
お子さんに以下の「正しく書く作法」が身についているでしょうか。
①〜④はノートの使い方ですので、実際に子どもの学習ノートを確認してみましょう。
①ノートを使うときは、まず日付、テキスト名、ページ数を左上に書く
②左側に揃えて書く
③詰めて書かずスカスカなノートにする
④イラストや吹き出しも積極的に書く
⑤テキストや図を写すのではなく、文章を読んで図に書き起こすようにする
⑥物差しを使わずフリーハンドで書く
算数が苦手な子は、ノートを見ればすぐにわかります。ほとんどの場合、計算式や図形をあまり書いていないからです。
特に苦手とする子が多い図形問題は、問題を読みながら問題文の趣旨に合った図を書くことができるかどうか重要なポイントになります。
手を動かして書くことで解ける問題が増えます。
また書くことで思考力が鍛えられ、成績が上がることがほとんどです。
ぜひ以下のコツを子どもに具体的に伝えてあげてください。
親御さんが見本で書いてみるのがいちばんわかりやすいかもしれません。
書くコツ①ノートはゆったり使う
ノートを書くときは、必ず左上に日付やテキスト名、ページ数を書き、内容は左にそろえて空間をたっぷり使った配置で書きましょう。
詰め詰めに書かれたノートは、あとで見返したときに読みにくくなってしまいます。
復習をするときに空間があると見やすいだけでなく、いろいろなことを書き込むことができます。
暗記のコツや先生のコメント、絵が好きならイラストを書き加えてもいいですし、プリントを切って貼るのもいいでしょう。
自分がどんなことを勉強してきたのか、振り返ることができるのがノートのいいところです。
ときどき親御さんがノートをパラパラとめくって「すごくいい字で書けているね」「読みやすいね」と関心を示してあげてください。
できていない点を確認して注意するような雰囲気だと子どもは嫌がります。たとえ雑でもまずはちゃんと書けていることを褒めることから始めましょう。
書くコツ②図や表は必ずフリーハンドで
難関校の算数では特に、問題を解くときに図や表を手早く書く力が必要になってきます。
表で解く、面積図で解く、てんびん図で解く、ダイヤグラムで解くなど図や表で解く問題が主流になりつつあります。
テストや入試本番で手早く図を書くことができるようするためには、まずは図を書き写す練習から始めましょう。
ポイントは、フリーハンドで書くことです。定規やコンパス、分度器は使わずに書く練習をしましょう。
書くコツ③思考錯誤の過程をすべて書き出す
手を動かすことによって、確実に解ける方法が見えてくることが多くあります。
「問題文が長いものは難易度が高い、短いものは難易度が低い」と勘違いして、問題文が短めだととにかく早く解いたらいいと思いがちですが、そうとも限りません。
文章が短めの問題こそが解くのに時間が必要なこともあります。
できるだけ問題を早く解き終わろうと式を書かなかったり、暗算できそうなものを頭の中で済ませたり、塾で先生に教えてもらった裏技でパパッと解こうとする子どもが少なくありません。
もちろんテストなどではスピード感が求められていることは確かですが、それより大切なのはああでもない、こうでもないと試行錯誤しながら解答にたどり着く過程です。
その習慣が身についていたら入試本番で難問に出会っても、平常心で取り組むことができます。
確実に正解にたどり着ける方法を知りたいなら、まずは書いてみることです。
式でも図でもどんどん書いて、書きながら思考を巡らせる癖をつけましょう。
お子さんが家庭学習をしていてある問題で思い悩んでいる様子を見かけたら、ぜひ「書いてみたらわかるかもしれないね」「時間がかかっても大丈夫だから書いてみたら?」と声かけしてあげてください。
時間に余裕があるときは、一緒に書いて考えるのもいいかもしれません。
少し時間をかけて親子であれこれ書いてみるのもいいでしょう。
そうすることで子どもは、書くことの重要性や考えることの楽しさを知っていくことができます。