新学年のスタートから成績を上げている家庭に共通する5つのこと
こんにちは。
中学受験情報局主任相談員の西村則康です。
冬休みがあけ、もうすぐ塾では新学年がやってきます。
新学年が始まるにあたって…
今のままの勉強で、うちの子は本当についていけるだろうか?
と、今年こそは、成績をしっかり上げて欲しいと思ってはいても、新学年で本当に成績を上げられるのか不安に思われているお母さん・お父さんが大半だと思います。
そこで、新学年が始まってから、どのように学習を進めれば、勉強した分だけ成績を上げていけるのか?をわかりやすく、5つのステップにまとめてみました。
毎年、学年が替わっても、安定して成績を上げることができているご家庭に共通していることを下記にまとめておりますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
Step1
学習量と難易度が上がる「学年替わりの壁」を意識すること
学年が変わると、取り扱う問題の量が増えることはもちろん、難易度も増加することを意識しておきましょう。
目安としては、
難易度がこれまでの1.5倍。
学習量もこれまでの1.5倍程度になると考えてください。
この上で、通塾時間も増えることになりますから、ご家庭で学習できる時間は、今までより少なくなります。
つまり、これまでより少ない時間の中で、より難しい課題を、これまで以上にたくさん消化することが求められることになることを予め意識しましょう。
特に、現段階で、宿題をするだけで精一杯、1週間の塾の課題をギリギリで消化しているというご家庭ほど、日々の学習のやり方を改善しないと、あっという間についていけなくなってしまいます。
これを私は「学年替わりの壁」と呼んでいます。
この「学年替わりの壁」をしっかり意識して対策を取ることが、新学年から、勉強した分だけしっかり成績を上げられるようになる第一歩です。
Step2
適切な学習時間に収めることを目指す/オーバーワークに頼らない
前述の通り、学年が替わると課題量と難易度が増加することはご理解いただけたと思います。
ですから、学年が上がると、学習に使う時間を、これまでより増やす必要がありますが、
「全ての課題を消化するために、使える時間は全て使う」というような学習を進めてしまうことは避けてください。
このような学習方法では、すぐに限界が来てしまうからです。
というのも、受験が進んでいくにつれ、難易度と学習量はドンドン増加していきます。
ですから、今からギリギリまで詰め込んで、何とか日々の学習を回すことができていても、すぐに限界が来てしまうからです。
例をあげると、5年生の段階でギリギリまで勉強を詰め込んでしまっているご家庭は、それ以上勉強に使える余裕が無いため、6年生の学習量と難易度を消化していくことはほぼ不可能になるのです。
結局のところ、勉強した分だけ、安定して成績を上げていくためには、学年毎に、適切な学習時間内で、日々の学習量を消化することが必要です。
下記は、各学年の学習時間の目安となります。
オーバーワークになっていないかの参考にしてみてください。
Step3
少しの努力で「わかる」ことを優先して消化する / 「課題の取捨選択」を今一度
つまり、
新学年を迎えるということは、限られた時間内で、これまで以上の難易度で、より多くの問題をこなすことが求められていること
になります。
よって日々の学習の効率を上げることが何より大切です。
効率を上げるために必要なことは、やはり「課題の取捨選択」です。
普段の学習で、
- A. 既に十分理解できていて反復の必要がない問題
- B. 今はどれだけ頑張っても理解できない問題
上記2種類の問題に時間をかけても、成績は全く上がらないのはこれまでご説明してきたとおりです。
これらの問題に使う時間を極力減らし、
- C. 少し努力すれば、理解できるようになる問題
を学習の中心にすることで、限られた時間内でも、成績を上げるために必要な学習を消化しきることができます。
今お子さんの成績が伸び悩んでいるなら、「勉強しておきなさいよ」とテキストを与えるだけでなく、お母さん・お父さんが課題を絞ってあげることが必須です。
Step4
「わからない」を放置しない / 空いた時間で復習を
上記までが、新学年を迎えるに当たり、最低限達成していただきたいことになります。
課題の取捨選択を行うことが習慣づくと、勉強時間に余裕が出てきます。
その時間を過去に積み残した「わからなかった問題」を消化するために使いましょう。
つまりは、先程の、
- B. 今はどれだけ頑張っても理解できない問題
のことになります。
「少し努力すれば理解できる問題」を消化していくことで、お子さんの知識が固まっていきますので、これまで理解できなかった問題も理解できるようになっていきます。
定期的に過去の積み残しや、テストの結果を振り返り、「もう少し頑張れば、できる問題」が増えていないかをお母さん・お父さんが振り返っていくことも後々習慣づけていきましょう。
Step5
塾の授業の理解度を上げる / 理解の確認を習慣化する
ここまででは、限られた時間内で家庭学習をどのように回していけばいいか?ということについてお話しました。
ですが、「できるなら、塾の勉強だけで、もっと理解して帰って来てくれないかな…」と思いますよね。
塾の授業の理解を上げるためには、塾からの帰宅後に、「何を習ったか」を聞く習慣をつけることが有効です。
具体的には、お子さんが帰ってきたときに…
「今日は塾で何を習ったのか、お母さんに教えてくれる?」と聞いて、お子さんの話を聞いてあげる習慣をつけてください。
そして何を習ったかの説明が終わったら、「先生は何が大事だって言ってた?」と聞きましょう。
うまく説明ができない場合は、宿題をやる前に、一旦習った内容を復習することで、宿題の消化スピードを上げることが可能です。急がば回れですね。
実は、この「何が大事だったか」を説明する習慣をつけることで、お子さんは「家に帰ったらお母さんにも説明してあげないと」と、自分から積極的に授業のポイントを探すようになります。
結果として、これが授業の理解を深めることになりますので、ぜひご家庭で塾で習ったことを確認する習慣をつけていただければと思います。
ただし、その際に、問い詰めるような形になってしまい、プレッシャーをかることにならないように、注意が必要です。
【学年別】1週間あたりの学習時間の目安
4年生 7時間(塾のある日0.5時間/日 塾のない日1.5時間/日)塾は週2/日曜休
5年生 7.5時間(塾のある日0.5時間/日 塾のない日2時間/日)塾は週3/日曜休
6年生 11時間 (塾のある日1時間/日 塾のない日2時間/日) 塾は週3を想定
※学校の宿題時間をやる時間は、別に用意してください。