中学受験 算数以外の科目にも役立つ基礎学習について
中学受験の算数は、学校の学習とはかけ離れているということは、多くの人に知られています。
学校のテストで満点を取れるお子さんでも、進学塾の入塾テストでは2割ほどしか解けないと言われています。
中学受験の算数の難易度は、それだけ聞いても想像がつくほど高いのです。
今回は、「中学受験 算数以外の科目にも役立つ基礎学習について」と題して、中学受験で必ずおさえておきたい基礎学習のポイントについてお話しします。
小学校1年生の学習が大切
中学受験の算数は小学校の学習ではたちうちできないと言いましたが、基礎としての小学校の学習が重要なのは事実です。
算数について初めて学び、数の数え方や量の感覚を理解しはじめる小学校1年生。
この小学校1年生の学習が身についていないと、必ずつまずいてしまいます。
「1年生の内容は簡単だから、つまずくことなんてない」と思っている方も多いのですが、意外にこの時点で問題の火種を抱えるお子さんは多いのです。
問題にある助数詞(「〜個」や「〜人」などものを数える単位となることば)が分からなくなってしまい、混乱してしまうお子さんもいます。
たとえば、”ウサギが1匹います。4本の人参を・・・”という問題があるとします。
ウサギは”いっぴき”と読みますが、”いちひき”と読んだり、”4本の人参”を”しほんのにんじん”と読んで、混乱するお子さんもいます。
また、何番や何人という数字が2つ以上出てくることで、どっちが◯番でどっちが□人だったか、数字がごちゃごちゃなってしまうこともあります。
条件整理の「基礎の基礎」といえるでしょう。
小学校1年生の学習は、簡単に見えて、実はとても深く中学受験の勉強にも関係しています。
ていねいに数字を書くことが成績につながる
私の経験上、丁寧に数字を書くことができるお子さんは、算数でつまずくことが少ないように思います。
「それだけで?」と思われる方もたくさんいらっしゃるでしょうが、実は本当に”ていねいに数字を書くことで成績は伸びる”のです。
計算ミスをするお子さんを見ていると、数字の書き方が雑だったり、ときには数字の書き方を知らない場合もあるのです。
“自分の書きやすいように書けばいい”わけではなく、漢字に書き順があるように、しっかりと数字の書き方も習慣づけておく必要があります。
また、急いでいるときも、数字はていねいに書くことが大切です。
自分だけが見てわかるような字ではなく、誰でも読める字を書かせ、見間違いを防ぐようにしましょう。
解答欄から文字がはみ出るのも、気づいた時から修正したいですね。
早く終わらせることにとらわれてはいけません。
お母さんも、早く解かせるよりも、ていねいに取り組んでいるかを見てあげ、褒めてあげてください。
自分で図を描き写す
算数の問題では、計算や文章題だけではなく、図形に関する問題も多いですね。
算数に苦手意識を持つお子さんの多くは、図形でつまずいています。
それを防ぐためにも、低学年のうちから文章問題を”図解”して考える習慣をつけましょう。
まずはじめは、教科書にある図形を手書きでノートに描かせてみましょう。
最初はきちんと描けなくても大丈夫です。少しずつ感覚を掴んでいけばいいのです。
図を描き写すには、正しい姿勢とノートの位置、鉛筆の持ち方も重要になってきます。
一気に変えていく必要はありません。
徐々に見直していきましょう。
算数に限らず、基礎は本当に大切です。読み方や書き順を知り、図に表す習慣をつけることは、他の教科にも通じます。
国語・算数・理科・社会だけでなく、日常生活の様々なことにも役立ちますね。
お子さんのつまずきで悩んでいるときは、今一度基礎を見直してみることをおすすめします。