中学受験 国語 記述力の伸ばし方①
~普段からできること~
中学受験の国語において、記述問題は大きく差がつくところです。
それは、生徒によって得意・不得意がはっきり分かれること、そしてなにより、記述の配点が非常に大きいことにあります。
中には、選択問題が中心で、記述があまり出題されない学校もあります。
しかし、多くの人が第一志望とする上位校の国語では、記述力を問われることがほとんどです。
たとえば麻布、開成、海城、武蔵、駒東、桜蔭、雙葉、普連土、鷗友、フェリスなどの学校は、記述力がなければ勝負になりません。
大学受験が記述式の新テストを導入するにあたり、中学受験全体としても、今後そのような傾向がみられることが予想されます。
また近年人気が上昇中の、都立中高一貫に向けた対策にも記述力は欠かせません。
今日は、そんな記述力の伸ばし方についてお話します。
1.記述問題の配点ってどれくらい?
ところで、国語の入試問題において、各分野の配点はどれくらいなのでしょう。
入試問題の配点
漢字 | 約1~2点 |
---|---|
知識分野 | 約2~3点 |
書き抜き・空所補充など | 約5~7点 |
記述問題 | 約10~20点 |
(大問各1問につき)
つまり、記述問題を1問正解すると、その他の問題×数問分の点数が稼げる。
ということです。
2、国語の記述が得意な子・苦手な子のちがい
国語の記述が得意な子の特徴
- 読書が好きである。
- 細かい作業が好きで、こだわりがある。
- 素直。
- しっかりした字を書く(適度な筆圧があり、丁寧。※上手い・下手ではない)。
- 精神年齢が高い。
- 分析好き。
- 集中力がある。
- 会話が好き(積極的か消極的かは関係ない)
- 書き直す際、自分の間違いを消さずに残す。
- 負けず嫌い。
記述が苦手な子の特徴
- 読書が好きではない。
- 細かい作業が好きではなく、こだわりがない。
- 素直ではない。
- 頼りない字を書く(ミミズの這うような字、雑な字、薄くて読めない字など)。
- 精神年齢が低い。
- 分析することに興味がない。
- 書き直す際、自分の間違いを消したがる。
- 負けず嫌いではない。
- 会話があまり好きではない、もしくは話を落ち着いて聞けない。
受験生の皆さんはいかがですか?どちらの特徴が多くあてはまりましたか?
3、記述力を付けるために、普段からできることは?
①『読書』
記述が得意な子の特徴にもありましたが、国語の力をつけるために普段から
できることとして、読書は有効です。
ただし、受験直前になって何十冊も本を読む時間をとることは不可能ですし、
短期間では読書の効果は成績に表れません。
読書はできるだけ早い段階から、積極的に行いましょう。
本をたくさん読むうちに、読むスピードが上がるのはもちろん、様々なテーマの文章に触れることで、知識・語彙力も増えていきます。
そのうち、問題文をある程度読めば、その題材やキーワードから問われる内容を予測したり、文章のテーマを見つけたりすることもできるようになるでしょう。
(例1)主人公の家族や大切な人が亡くなる→テーマ:死・家族・生命
(例2)クラスで仲間はずれ、喧嘩が起こる→テーマ:いじめ、友情
(例2)ネット、新聞、テレビ→テーマ:メディアリテラシー
など。
②『要点まとめ』『あらすじまとめ』
学校の宿題で、「天声人語」など、短いコラムの要点まとめをしたことはありませんか?この、『要点まとめ』は、文章の要旨を掴む力を鍛えるのに最適です。
お家でとっている新聞などを使って、ぜひ毎日やってみましょう。
また、読んだ小説の『あらすじまとめ』も同様に、主題を掴む力が鍛えられます。
要点まとめ→説明文の読解力アップ(要旨を掴む)
あらすじまとめ→物語文の読解力アップ(主題を掴む)
に、それぞれ有効です。
③『音読』
今さら音読?と思う人もいるかもしれません。
しかし、国語の成績が良いのに音読が苦手な(つっかえてばかりいる)人はいません。逆に、音読が苦手なのに、国語の成績が良い人もいません。
音読のもたらす効果は大変大きいため、大手の集団塾でも5年生までは授業中に音読をさせたり、音読を宿題に課す所は多く見られます。
国語が苦手な場合は、6年生でも毎日音読練習を行いましょう。
時間がない時は、5分程度でも構いません。続けることが肝心です。
■音読の方法・効果について
方法
- 初めから早く読む必要はありません。まずは無理のないスピードで、つっかえずすらすら読めることを目指します。
- 一つ一つの言葉や、その区切りを意識して読みます。
- 慣れてきたら、徐々にスピードを上げていきましょう。
効果
音読では、黙読のように斜め読みをしたり、適当に読むことは出来ません。
分からない言葉も口に出して意識することで、語彙が増え、漢字や熟語もイメージを伴って頭に入ってきます。
また、一つ一つの言葉や区切りを意識することで、助詞=「て・に・を・は」が自然に身に付き、自分が記述する際にも、正しく使えるようになります。
記述力アップのために、普段から出来ることはたくさんあります。
まずは、これらの作業をぜひ実践してみましょう!
(次回、『記述力の伸ばし方②~実践・記述の解き方~』に続きます。)