【四大塾別】夏の復習をしながら4・5年生が9月から結果を出す家庭学習のポイント
今回の記事では、塾別に4年生・5年生の9月からの勉強について考えてみたいと思います。
夏休みの総括、そして新たにカリキュラムが進み始める9月にお読みいただけるとよいと思います。
夏休みも進み続けるサピックスの9月からの学習のポイントは「日々の15分」
サピックスの夏期講習は、平常の授業(デイリー)同様、どんどん進み続けるカリキュラムです。
ふだんは1週間で1つの項目を進めていきますが、夏の間は1日に1項目進めていく スケジュールになりますから、とても慌ただしい毎日です。
9月からの学習に関しては、まず 夏休みの間の学習で理解が不十分な項目がどれぐらいあるかを把握することから始めましょう。
参考になるのは、8月マンスリーテストの結果と内容です。
8月のマンスリーテストは、ほぼ夏期講習中に学習した項目から出題されています。
その内容をよく見て、間違った問題に関しては「 内容がわかっていない」「内容は分かっているが、計算や処理のでミスをしたり間違いがある」この2つをしっかり区別する必要があります。
内容がわかっていない項目が多い場合は、9月の学習と並行して少しずつ復習する必要があるでしょう。
夏期講習のテキストに戻るのもよいのですが、進度の早いサピックスのカリキュラムを進めながら、同じサピックスの夏期講習テキストを復習していくのは、負担が大きいと思います。
当該単元の内容を、簡潔にまとめた市販の使いやすい問題集などを探して、まとめて復習するという方法でもよいでしょう。
9月以降もカリキュラムはどんどん進んでいきますから、日々の学習の中で復習にあまり長い時間はかけられません。
方法としては、例えばデイリーで今週学習する内容に関連した過去の内容を家庭で復習し、その状態で今週の授業に出かけるなど、少しずつ日々の学習に折り込んでいくのが ポイントです。
シラバスを上手に活用し「来週は過去のどの内容に関連したことを学習するのか」をしっかり把握して毎週の授業に臨みましょう。
朝学習、または夜寝る前の学習のうち15分程度、少しずつこういった項目を復習していくのもよいでしょう。
目まぐるしい夏休みを過ごした四谷大塚生は「迷子」になっていないか確認を
四谷大塚の夏期講習は、近年どんどんカリキュラムが目まぐるしいものになっています。
たとえば5年生は、予習内容が中心の夏期講習が夏休みの前半に行われ、夏休みの後半には復習内容が中心の「8月 授業」と呼ばれる講座が行われます。
いわば「夏期講習を2回分繰り返す」くらいのボリュームです。
授業日数と項目数が非常に多く、お子さんたちは「いま学習している内容はすでに習った内容の復習なのか、新しく習う内容なのか」がよくわからない状態になる子も多く、夏休みが終わった段階で「自分がどこまでわかっていて何がわかっていないのか」がはっきりしない 状態のお子さんが続出します。
9月初旬には 組分けテストがありますが、上記の結果、このテストで大きく成績を落としてしまうお子さんも出てきます。
カリキュラムに関しては、算数では9月から比を使った応用問題を多く解いていきます。
図形や速さの問題を比を使って解くのですが、夏期講習中に学んだ比の概念がしっかり腑に落ちていなければ、秋の学習内容の習熟度も下がってしまいます。
9月の組分けテストの結果・内容をもとに、理解があやふやな項目がどこにあるのか、特に比や割合の単元でつまずきがないかを確認し、秋の学習と並行して復習を進める必要があります。
早稲田アカデミーは四谷大塚の「予習シリーズ」のカリキュラムにのっとって学習が進む 準拠塾の一つですが、夏期講習は四谷大塚に比べるとカリキュラムがすっきりしており、予習内容と復習内容の区別がしやすくなっています。
そういった意味では「 今新しいことを習っているのか、過去の復習をしているのか」で混乱するお子さんは四谷大塚ほど多くはないようです。
ただし、もともと「やるべきこと」の非常に多い塾 なので、純粋に演習量の多さでこなしきれていないというお子さんは、特に夏休みにこの問題が顕著になります。
四谷大塚 同様、 9月の組分けテストをしっかり確認することが大切です。
日々の家庭学習の中に過去の項目を少しずつ組み込んで、9月からの家庭学習メニューを考える必要があるでしょう。
講習会がすべて復習内容だけに、理解不足は「1学期の積み残し」との認識で
日能研の夏期講習は、純粋な復習内容だけで構成されています。
今や大手四塾で、講習会が純粋な復習内容だけで構成されているのは、日能研だけです。
講習会の日程、時間もそうハードではありませんので、まとめテストの結果を参考にテスト直しを丁寧に行った、というご家庭も多いと思います。
夏期講習のテストで理解が不十分だとわかった項目は、1学期の学習内容からの積み残しということになります。
大きな「穴」が見つかった場合は、早めに復習しておいた方がよいでしょう。
幸い日能研の カリキュラムは、9月以降もじっくり進んでいくタイプのものになっています。
つまずきを発見した場合も、現在の学習内容と並行して復習を進めやすくなっていますので、ぜひふだんの学習から「いま習っている内容だけでなく、関連する過去の内容も家庭学習に織り込む」ということを意識されるとよいと思います。
成績上位のお子さんに関しては逆に、このゆったりしたカリキュラムが退屈に感じられるかもしれません。
上位クラスではプリントなどを併用し、この問題を解決している校舎も多いですが、日々のカリキュラムが「ゆっくり過ぎて物足りない」という場合は、市販の問題集などを併用し、少し踏み込んだ内容まで学習することを心がけるとよいでしょう。
たとえば東京書籍「プラスワン問題集」「 ステップアップ演習」(算数)や、実務教育出版「中学受験 すらすら解ける魔法ワザ」(算数・理科)「中学入試 塾技100」(算数・理科)などがおすすめです。
各塾、夏休みの総括をしつつ新しい9月からのカリキュラムをこなしていく、という点で大変ですが、ポイントは「9月からの日々の学習に、復習内容を少しずつ折り込む」ことです。
そして実はこの学習スタイルが、コツコツと学力をつけ成績を伸ばしていく近道でもあります。
ぜひ実行してみてください。