中学受験情報局『かしこい塾の使い方』

理科の成績が上がる自由研究

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公開: 最終更新日:2021年07月21日

「何をやるか」で迷ったら、入試で出てくるものを

夏休みといえば、小学生、お父さん、お母さんたちも苦労するのが自由研究。
中学受験情報局のアンケートでも、回答者の約半数が「親が自由研究に関与する」と回答しているように、お子さんの自由研究に協力するお父さん、お母さんは多いようです。

さて、自由研究でまず悩むのが「何をやるか」です。
中学受験を目指すお子さんにオススメなのが、「入試問題に出てくる定番の実験を再現する」というもの。
忙しい受験生、毎日観察するとか、時間や手間がかかるものは避けたいものです。短時間でできて、入試問題にもよく出てくる「定番」の題材を選ぶのが実質的なのです。

鉢植えのアサガオで、光合成の実験

たとえば、光合成に関する実験。入試問題では定番です。
一日暗所においた(ダンボール等暗箱をかぶせます)鉢植えのアサガオを使って、光合成の実験をするのです。

暗箱を1日かぶせた後、アサガオの葉の1枚をアルミ箔で覆います。ふ(色が白い部分)がある葉がある場合は、それも観察に使いましょう。
朝から数時間アサガオを日光に当て、その後

  1. ①ふつうの緑の葉
  2. ②アルミ箔をかぶせた葉
  3. ③白い部分のある葉

を摘み取ります。

その後の処理は、入試問題で出てくる通り。

  • 葉を熱湯につける
  • 葉を湯せんで熱したアルコールにつける
  • 葉を水で洗う

その後、ヨウ素液でデンプンができたか反応をみますが、ヨウ素液は市販のうがい薬(イソジンなどの商品名です)で大丈夫です。

ヨウ素液の反応は、葉をキッチンペーパーなどではさみ、堅いものでたたいて少し潰してからのほうが色の変化が見やすいなど、実験してみてわかることもあります。
アルコールを使う実験なので、アルコールに火がつかないよう注意が必要です(アルコールの沸点は約78℃。直火にかけると沸騰して発火するので、湯せんで温めるのです)。
必ず熱したお湯で、火を止めてからアルコールの入った器を湯につけて温めましょう。

なぜ葉を湯につけるのか、なぜアルコールにつけるのか。

このあたりが入試問題で問われるポイントです。
塾のテキストで出てきた問題をあらかじめチェックし「この実験をやろう」と当たりをつけておきましょう。

鉢植えのアサガオには別の利用法も

アサガオは、観察の対象としても有効です。でも観察といっても、成長の観察記録ではなく、植物としてのアサガオのつくりを詳細に観察するというものです。いちばんの観察ポイントは、花のつぼみの様子。アサガオの花は、キュッと花びらをねじったような作りになっているのですが、そのねじりの向きが入試頻出なのです。

またもう一つ頻出なのが、アサガオのつる(茎)が支柱にどのように巻き付いているかです(真上から見たときに反時計回りになるように巻き付いていきます)。逆向きに巻きつけようとしても、うまく巻き付きません。

アサガオの花の花びらは5枚。くっついてろうとのようになっています。
ろうと状の花びらをよく観察すると、その星形の模様から5枚の花びらがくっついていることがわかります。
おしべ、めしべもバラバラにして数を数え、形をスケッチします。デジカメやスマホで写真を撮るといいですね。

ヘチマもいい観察対象

同じように、夏の代表的な花、ヘチマもいい観察の対象です。なぜなら、ヘチマも入試頻出だからです。
もちろん植物としても大きな特徴があるというのが、頻出の理由です。

ヘチマはアサガオとは違い、支柱などに巻き付く巻きひげが茎ではなく「茎から生えた別のもの」だと、観察すればすぐにわかります(葉の一部が変化したものです)。巻きひげの「巻き方」もしっかり観察です。巻き方が途中で逆向きになっていることがわかると思います。このあたりも「この巻きひげはどうやってできたのか」を考えるヒントになります。

花がお花とめ花に分かれていることも特徴で、め花のがくの下には「いかにも将来ヘチマの実になりそうな形」の子房がついています。

このあたりを詳細に観察し、スケッチや写真を交えてレポートにまとめるだけで、立派な自由研究になります。
わからないこと、不思議に思ったことは調べ、調べた結果をレポートに記載しておきます。

このように、簡単な実験をしたり、単に植物を観察するだけでも立派な「自由研究」になります。また自分でした「発見」は忘れにくいはずです。だからこそ、「入試頻出」な実験や観察対象を題材に選ぶのがポイントです。
半日で済んで理科の成績にもつながる自由研究、ぜひ試してみてください。

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