学年別 冬休みに向けての重点単元対策はこうする
冬休みも後2週間となり、本格的に「冬休みに何に取り組むか」について、整理をしておく時間が少なくなってきました。
そこで今回は、主任相談員の辻先生から、冬休みに取り組むべき重要単元と、その重要単元の取り組み方について、学年別に詳しくお聞きしてきました。
動画にてお話していただいていますので、ぜひご覧ください。
(書き起こしも行っていますので、合わせてご利用いただけます)
目次
こんにちは
中学受験情報局の辻義夫です。
この動画では4年生5年生もうすぐ冬休みになりますから、冬休みに向けて勉強を少し見直して、準備しておいていただきたいことというテーマでお話ししたいと思います。
4年生5年生とも、学年の後半、2学期は特につまづきやすい単元、そして、つまづいて欲しくない単元を学習してきました。
なので「こういう単元を学習してきたので、こういう部分に注目して、冬休みに向けて準備しておいていただきたいというようなお話にしたいと思います。
1. 4年生の重要単元とその対策について
4年生の算数
まず4年生です。
算数では少数と分数です。
塾によってはまだ分数を習ってないということがありますけれど、とにかく少数、そして、習った場合は分数です。
そして、少数と分数の関係。
こういったところをしっかり理解できているか、問題を解けているかっていうところが重要です。
こういった少数分数に関しては、もちろん公開テストであるとか、定期的な塾のテストでは大問1の計算問題で出てきます。
どんな形で出てくるかっていうと、特に四則混合計算、つまり、足し算、引き算、掛け算、割算が混じった問題。
そしてその中でもやっぱり逆算です。
式の途中に□があって、答えが分かってると、そして、その□に当てはまる数を求める。
こういった問題でしっかり正解ができているか?この辺りを見ていただきたいです。
4年生の理科・社会
そしてもう1つは、理科社会の知識です。
まだ理科も4年生の場合は、計算問題のようなものはそんなに多くはありません。
多くは知識です。
しかし、知識だから丸覚えをするっていう勉強が習慣になっている、こういうお子さんもいると思うんです。
ちょっと、理社の学習方法を見直していきましょう。
「1回覚えたはずなのにどんどん忘れてるぞ」、とか、「もう1回テキストを見ながら、これやったよねってようなこと言っても、なかなか思い出していかない」こういった症状がある場合は、やっぱり、「どんどん覚えた忘れる」これを繰り返している可能性があります。
もちろん記憶は1回覚えたことでも忘れていくことは普通なんですけれど、例えば、「何かトリガーがあったら思い出す。こういった勉強というか、記憶の方法をしていくためにはどうしたらいいのか」こういった視点で日々の学習を少し見直す。
冬休みに向けて、こういった部分も気をつけていただければと思います。
理科の場合だったら、知識を覚えるにしても、例えば、一問一答で語句だけを覚えていくっていうことじゃなくて、逆に、こういう語句を聞いた時にそれが何なのかお子さんに説明してもらう。
「これって何のことだっけ。ちょっと説明してみて。教えて。」っていうような形で、お子さんに、親御さんが教えてもらう。
こういうことで、人に説明して、その語句のことを深く自分が理解していたかどうかを確認できる。そして深く理解していく。
こういう反転の学習。こういったこと心かけてみる。
あるいは、社会に関しては、やはり、勉強の仕方、手順としては、白地図を上手く使うことです。
これは日本の地図の中で、どの部分で起こっていることなのかを、しっかり理解しながら地理の学習をしているかにつながります。
地図帳もちゃんと手元に置いてるのか、塾のテキストだけをねにらめっこして、例えば、中部地方だったら中部地方だけの地図をにらんで勉強していないかを確認しましょう。
「これは日本全体のどの部分のことなのか」っていうのをしっかり理解しているか。
そして、白地図にそれを書き込んでいくと、自分なりに、例えば、工業だったら工業の白地図を仕上げる。そして、農業だったら農業だけの白地図を仕上げる。
同じ中部地方でも、工業、農業、そして、自然環境、山地、山脈、平野とか、色々分野があります。
これを全部一片にやるんじゃなくて、それぞれで書き込んで理解していく。
こういった勉強ができているか、やっているか、どうかこれを今一度確認していく。
こういうことを冬休みまでに気をつけていただければと思います。
2. 5年生の重要単元とその対策について
5年生の算数
5年生ですが、算数はとにかく割合と比です。
この学習が各塾もう終わってます。
夏休みあたりから比の勉強が始まって、2学期はその比の考え方を使って、これまでやってきた文章台を解く。
そして速さの問題。
今までは、速さ ✕ 時間 = 距離が出る。
これを中心にやってたんだけれども、比の感覚を使うと、例えば、同じ距離を進むんだったら、速さが2倍だったらかかる時間は半分だよね。
というような、この「逆比の感覚」が必要になります。
速さの比が3対5だったら、かかる時間は5対3だよね。
どうしてかって言うと道のりを最小公倍数の15っておくと、15を3で割ったら5、5で割ったら3だからちょうど逆数になる。
こういう逆比の考え方を使って解く。
こういった問題も数多くもうやってきたはずです。
これをしっかり理解できているか問題を解けているかです。
こういった部分を見ていっていただければと思います。
そして文章題ですが、速さの問題、いろんな問題を冬休みにもう一片、復習として冬期講習等でやると思いますから、ここでしっかり使えるようにこれまでのテストでちゃんと使えてるかどうかのチェックをしておいていただきたいんですよね。
5年生の理科・社会
理科で言うと、5年生になると、もう計算分野もかなりやってきているはずです。
例えばテコであるとか、それからものの溶け方もありましたよね。
こういったそれぞれの計算、それぞれの問題については、こういう切り口でやるとか、こういう風に整理してやるという、取り組む時の手順が大体決まっています。理科の場合は。
なので、その手順をしっかり守れているかっていうことを、今一度チェックいただければと思います。
そして社会ですが、歴史の学習を駆け足でやってきました。
夏休みが終わってから2学期の間、この数ヶ月間かけて古代から現代までやってしまう。
こういう駆け足の勉強をやってきてますから、流れに乗れているか、歴史の流れをしっかり詰められているかっていうのをチェックしていただきたい。
それからもう1つ注意していただきたいのは、年明け、例えば、サピの年明けの組み分けテストですが、この際にはこれまでずっと歴史ばっかりやってきてるんだけど、地理がドーンと結構な割合で出ます。
なので、地理が得意なお子さんはもちろんそうですけども、地理がちょっと苦手だったんだというお子さんで、歴史になったから、地理終わって良かったっということで、この何ヶ月間か地理をずっと放置状態にしてるお子さんは、ちゃんとこの年末年始にかけて地理の復習をしっかりやっていただきたいです。
結構な割合でテストに出たりしますから、その時に「うわっ、やってなかった」っていうようなことがないようにしていただければと思います。
3.冬休みにまでに「重点科目の洗い出し」をやるべき
で、何をやるかっていうことなんですけれども、それぞれの科目で全部できればいいんですけども、やっぱり洗い出しをして、特に、お子さんが弱点としてるところ、弱いところを洗い出してやりたいですよね。
なので、ここ数ヶ月間のテスト、塾の組み分けテストであったり、マンスリーテストであったり、こういったものをもう1回洗い出して、小問ごとに正当率表があります。
これを見て、僕がよく言ってるのは「100点からお子さんの科目別の目標の偏差値、例えば、偏差値が目標60の場合は、その60を100から引く。そうすると40です。なので、この40よりも正当率が高い問題について、しっかり直しをしておく。理解を深めておく。
こういう考え方です。
100-偏差値、これは目標です。あまり高すぎる目標を立てると、直しが大変になりますから、ちょっと手の届きそうな目標がいいです。
例えば、今偏差値が50台ぐらいでなかなか60に届かないという場合は、60ぐらいをターゲットにして、100から60を引いて、40%以上の正当率の問題について間違えてるのがどれぐらいあるかな、というように洗い出して、じゃあこの分はちょっと重点的に直しをしておこうということです。
ポイントはやはりその問題の直しをするっていうよりは、その分野です。
もちろん、その問題を1回直してみてどうだったかっていうのも大事なんですけれども、例えば、人体の消化吸収のところで、肝臓の働きについて間違っていたという場合は、肝臓だけじゃなく、例えば、小腸から肝臓への血管、門脈、肝門脈ですよね。これをしっかり覚えているか。
全身の血液循環とそれから栄養分とそれから、酸素、二酸化炭素の流れ、模式図をしっかり理解できているか。
これぐらいの範囲をしっかり、周辺分野まで含めて復習していくということが、この冬休みまでのこれから一ヶ月たらずありますけれども、この期間にやっていただくとスムーズに、例えば、冬季講習での復習がスムーズに進む。
サピのようにね冬季講習がそもそも復習じゃなくて、どんどん進むっていう場合は、もちろん、それまでにしっかりと復習した上で進んでいくということが大事になってきます。
是非この一ヶ月たらずの間に、しっかり冬に向けてそれから5年生の場合は来年受験学年ですので、ここに向けて準備を進めていくということをやっていただければ、勉強がスムーズに進んでいくと思います。
是非このお話を参考にしていただければと思います。
「自走できる子」の育て方 | 中学受験の成功は幼児期・低学年がカギ!
さあということでこの冬休みまでの勉強なんですけれども、もちろん、親御さんがサポートしながらっていう形ももちろんいいんですけれども、是非お子さん自身が自走できるところは自走して欲しいですよね。
そういったことを親御さんの方からどういった声かけとか働きかけでお子さんを自走勉強にさせていくのかっていうテーマで、僕たち、僕と中学受験情報局で主任相談員としてご一緒している西村先生との共著という形で書かせていただいた「自走できる子の育て方」、この書籍の中でも学習の内容そのものというよりは、そこに至るまでのお子さんをどういう風に自走できる子に育てていくのか、こういったテーマで色々お話しています。
是非、興味のある方はお手に取っていただければと思います。