【中学受験 算数】応用問題までしっかり解けるようになるには?算数の学習ポイントまとめ
中学受験の算数は、中学受験の志望校合格を左右する最重要単元である一方で、苦手になってしまうお子さんも多い教科です。
結論から申しますと、「正しいやり方」さえ知っていれば、中学受験の算数はお子さんの才能にかかわらず、しっかりと成績を伸ばしていける教科です。
この記事では、中学受験の算数を得意にするためにはどうすればよいかを中心に、日々の学習方法、低学年からの先取り学習のやり方、応用問題まで解けるようになるまで理解を深めるにはどうすればよいのか?、中学受験算数に必要な考え方をまとめました。
目次
1. 中学受験の算数とは?
中学受験の算数は「難しい」と言われることは多くの人がご存知のとおりです。
では、中学受験の算数とは、「小学校の算数」や「数学」と何が違うのでしょうか?
まずは初めに中学受験の算数のレベル感や特徴についてまとめます。
「小学校の算数」と「中学受験算数」の違い
小学校で学習する算数と、中学受験のために学習する算数は、全く別と考えてください。
たとえば、小学校の算数のテストで毎回100点を取るお子さんであっても、中学受験の大手進学塾のテストでは全く点数が取れないことも普通です。
これは、求められる「知識の深さ」と「算数概念の理解」のレベルが違うことがあげられます。
小学校の算数で出題される問題は、基本的な計算や、パターン認識で回答できる問題が主です。
一方、中学受験の算数では、「複雑な条件を自分で整理し、自分の頭の中に持っている解法・知識から何を使えば解けそうか?」を自分で考えて、回答への筋道を立てる複雑な思考が求められます。
端的に言うと、難易度が全く違うため、中学受験専門の算数の学習が必要になります。
「数学」と「中学受験算数」の違い
数学と算数の大きな違いは、「抽象的概念」を扱っているかどうか?にあります。
「算数」は日常生活において必要な、「計算」や「形」を求めるための知識。
「数学」は日常生活においては目に見えていない「世界の在り方」を論理的に解明する知識。
といえます。
概念的な点としては上記があげられますが、「勉強」という点で最も大きな違いは「方程式の不在」 があげられます。
中学受験の算数では「方程式」を使いません。
わかりやすい例に「つるかめ算」があります。
問題:ツルとカメが合わせて20います。足の合計は56本です。ツルは何羽いるでしょう?
大人ならこの問題を、連立一次方程式でツルの数を「x」、カメの数を「y」として、次のように解く人が多いでしょう。
ですが、中学受験では、表に書き起こして「カメが1匹減るごとに、2本足が減る」ことに気づかせる解き方で回答を出していきます。
これは算数以外の理科・社会でも大事なことなのですが、表に書き起こすことで、条件を整理し、答えにたどり着く思考力が問われているのです。
中学受験の算数では、このように与えられた条件を正しく整理し、自分が持つ解法の選択肢から何を使えば解けるのか?そのプロセスを経て、思考力を育てることが重視されます。
中学受験の算数の知識は大人になっても役に立つ
上記の通り、数学は論理的思考を身につけるために学ぶものだと言われますが、むしろ算数のほうが、数学以上に論理的で、問題解決のための力やクリエイティブな力を育む一面もあります。
よく中学受験は必要かどうかということで、「つるかめ算・植木算」などをあげて、「大人になって使わない知識で意味がない」と言われる方もいますが、算数の目的は、そのような答えを求めることではなく、「どのように計算結果を出すのか?」そのプロセスをお子さん自身が考え、理解することで、思考力を伸ばすことを目的にしています。
このような問題を解決するクリエイティブな思考は、大人になっても役に立ちますし、「数学」をより深く理解するためにも非常に効果的なアプローチとなっています。
だからこそ、中学受験の算数で成績を伸ばしていくには、問題をたくさん消化して暗記をするのではなく、1題1題深い思考をし、理解を深めていく学習方法が必要になるのです。
2. 算数が中学受験の合否を分ける2つの理由
算数の成績が中学受験の合否を分けるとも言われます。
もちろん全ての教科が大事なのですが、他の教科と比べて、中学受験で算数が特に重視されるのには、やはり理由があります。
【理由その1】 1問の配点が大きい
算数の試験は問題数が少ないので、1問あたりの配点が高く、1問間違った時の影響が最も大きいからです。
たとえば、国語は小問の数が多く、100点満点の試験で30問くらいあると1問あたりの配点は3点ですが、算数の場合は、小問がだいたい20問くらいしかありません。
この場合1問あたりの配点が5点となるので、ミスをすると全体の点数に大きく響きます。
これは反対に言えば、1題正答を増やすだけで、合格の可能性がグッと高くなることでもあります。
【理由その2】 中学受験算数に特化した勉強が必要
2つめの理由は、中学入試の算数は学校で見たこともないような問題が出題されるので、中学受験用の勉強が必須になることです。
実際に受験者の点数を見ると、多くの学校でばらつき具合が一番大きい科目は算数です。
だから逆に、算数で高得点が取れると合格の可能性が高くなると言えます。
国語は日常的に使う言語の問題なので、日常生活の中でも積み重ねや学校の授業が入試でも基礎点になりますが、算数ではなかなかそうはいきません。
おおまかに言うと、国語、社会、理科は平均点あたりに多くの受験者がかたまるのですが、算数は平均点のずっと上とずっと下にふたつの集団ができていることが多いのです。
上記2つが、算数が中学受験の合否に大きく影響を与える理由になります。
3. 算数の成績を伸ばす1週間の学習の流れ
中学受験の算数の成績を伸ばすためには、1度塾で習った単元の理解を効率よく深めていくことが大事です。
授業に出て、宿題も全部やっているのに、算数の成績が上がらないというお子さんは、この機会に一度、1週間の学習の流れを見直してみましょう。
「算数が苦手」と思われているお子さんでも、毎週の算数の勉強のやり方を変えるだけで、意外と簡単に成績が上がりますので、ぜひ実践していきましょう。
【中学受験算数】授業の受け方のポイント
中学受験の進学塾の算数の授業で注意していただきたいことは大きく3つあります。
1. 解説中は板書の手を止める
ノートを取ることより先生の話を聞くことを大事にしましょう。これは、他教科も言えることです。
特に算数は作業や書く項目が多いため、ノートに気を取られてしまい、先生の話を聞き逃してしまうこともよくあります。
先生が話している時は板書の手を止めることから、算数の勉強の改善は始まります。
2.わからなくても最後まで先生の話を聞く
算数が苦手なお子さんは、先生が表や図を書き始めた段階で、「わからない」と話を聞くことを諦めてしまいがちです。
算数を理解するには、まず条件を整理することから始まります。
条件を書き出しているときは「何でこの作業をしているか?」はわからないのも無理はありません。書き終わったところから「ここから見えてくることは何か?」を先生は詳しく説明してくれます。
算数の授業は最後まで聞いて初めて理解できる問題も多いので、途中で諦めずに最後まで聞き続けてみよう。ということをお子さんに教えてあげてください。
3.帰宅後の振り返り/お子さんを先生にしたミニ授業
お子さんが授業から帰ってきたら、その日のうちに、「今日何をしたのか?」振り返りをしてあげてください。
うまく説明ができなくても大丈夫です。
大切なことは、その日の内に授業内容を反芻することです。
お子さんを先生に見立て、お父さん・お母さんに、授業のノートの内容を実際に説明してもらうことも有効です。お子さんが説明につまるポイントがあれば、そこが授業で理解ができなかったところです。
授業内容の振り返りは宿題を始める前に再度行うことも非常に有効です。
中学受験の塾の授業の受け方については、下記にも詳しくまとめておりますので、合わせてご活用ください。
【中学受験算数】 ノートの取り方のポイント
授業のノートの取り方をいくつか注意するだけでも、算数の理解は深められます。
下記3つの点に気をつけてノートを取れているか?を確かめてみましょう。
1.左を板書・右を計算スペースにする
ノートは授業後に授業内容を思い出すために非常に重要です。
大前提として、先生の板書内容と、ノートに書くように言われたことはノートの左半分に書いてください。
解説の際に行う、計算や、類題演習はノートの右半分を使うようにしましょう。
これで、先生の話した内容と、お子さんの作業を明確に分けることができ、「先生が何を話していたか?」が思い出しやすくなります。
特に算数は作業がたくさんありますので、左右ノートを使い分けるだけでも、ノートがすっきりします。
2.書く作業が遅い子は、あらかじめコピーをノートに貼っておく
どうしても書く作業が遅いお子さんもいます。
書くスピードについていけない場合は、授業前にテキストをコピーして図形や図をノートに貼っておくことで、板書スピードを大幅に改善できます。
3. 板書は全てフリーハンドで行う
図形・線分図・表など、全てをフリーハンドで書くようにしましょう。
物差し・三角定規・コンパスは一切不要です。
これは、真面目なお子さんで、ノートをキレイに取ることが目的になってしまい、授業内容を聞くより、ノートを取ることが優先されてしまうことがよくあるからです。
そのため、さっとフリーハンドで図を書くことで、授業内容に集中することができます。
物差しがなくても、ある程度線が引きやすくなるには、罫線ドットノートがおすすめです。
そもそも中学受験は一部の学校を除いて、本番の算数の試験での物差しの使用が認められていません。
そのため、普段からフリーハンドで図を書けることが必須となりますので、授業中もフリーハンドでノートを取るように心がけてください。
中学受験のノートの取り方や、おすすめのノートについては、下記にも詳しくまとめておりますので、こちらも合わせてご参考ください。
【中学受験算数】 復習/宿題のポイント
次に、算数の復習・宿題のやり方についてまとめます。
上記でもお話しましたが、中学受験の算数では「なぜそうなるのか?」理解を深めることが何より大事です。
そのため算数の成績を伸ばしていくために最も重要なのが「復習」です。
算数の成績を伸ばしていくためには、下記の点に気をつけて、ご家庭での宿題・復習に取り組みましょう。
1. 宿題を始めるまえに、まずは授業内容を振り返る
宿題を始める前に、まずは前回の授業内容を振り返る時間を必ず取りましょう。
「何をやって、なぜそうなったのか?」を振り返ることで、宿題で行う復習の精度は大きく変わります。
5分程度でも構いません。
前回の授業内容を振り返る時間を設けることで、算数の知識が定着する宿題の土台ができます。
2. 類題演習を「答えを出す」を作業にしない
器用なお子さんの中には、宿題を早く終わらせるために、「パターン」にはめて宿題を消化してしまう子がいます。
「今回のこのページの問題は、授業でやったこの式に数字を入れて計算すればいい」と考えてしまうのです。
これでは、宿題がただの「作業」になってしまい、お子さんの理解は深まっていきません。
注目して欲しいのは、算数の宿題の2問目・3問目をお子さんがどう回答しているかです。
・ 問題文を最後まで読んでいるか?
・手を動かす前に、考えている時間があるか?
に注目してみてください。
問題文を毎回最後まで読み、1題1題改めて考えて解くことができれば、お子さんの算数の理解はドンドン深まっていきます。
宿題を終わらせるかどうかではなく、毎問考えて問題を消化できているか?が重要です。
回答に必要な表や図形は、毎回必ず書くことも大切です。これが練習になり、算数の理解が深まっていきます。
3. 算数は特に過度な繰り返しを避け、必要な学習を絞り込む
高学年になってくると、算数の宿題は手が回らなくなってくるお子さんの方が多いです。
そこで必要なことが課題の取捨選択です。
算数が苦手で、ケアレスミスが多いお子さんにありがちなのですが、間違いを正すために、もう十分理解できている問題を繰り返し解かせたり、お子さんのレベルより随分低い計算問題を過度に繰り返してしまうというケースがよく見られます。
このような学習はお子さんのやる気を下げる最大の原因です。
また、今はどれだけ考えても理解できない算数の応用問題まで、全て終わるまで時間をかけてしまうこともありますが、これもどれだけ頑張っても、時間が過ぎるだけで算数の理解は深まりません。
少し頑張ったら理解の幅が広がる問題に集中することが大事です。
4. 塾で習った解法を優先する
算数には同じ問題でも複数の解法があります。
お子さんによっては自分のやり方で解きたいと思うことも珍しくありません。
もちろん、算数が得意で、十分成績が安定しているお子さんは、好きな解法で解いても構いません。
ただ、成績が伸び悩んでいるお子さんは、授業で習った解き方を覚えることにまずは集中しましょう。
また親御さんから見た際に、「方程式」を使ったら簡単に解ける問題もあると思います。
しかし、繰り返しになりますが、中学受験の算数では「思考のプロセス」をお子さんが納得し理解することが大事です。
塾の授業で教えている解法には必ずその解法を教える理由があります。
基本的には授業で取り扱った解法を踏襲することが、成績UPの第一歩です。
【中学受験算数】 次回授業の予習のポイント
復習と同様に、算数の成績を上げるには、1回の授業で理解できる幅を広げることも重要です。
そのために予習は必ず行うようにしましょう。
中学受験の算数の予習は、次回の授業で取り扱う内容を確認することが大切です。
問題文と解説を1回読んでから授業に臨む。これだけで構いません。
算数の予習は、授業の前日か、塾に行く前に行うようにしましょう。
余裕があって「挑戦したい!」とお子さんが思う場合は、実際に問題を解いてみてもよいです。
サピックスなど予習を禁止されている塾であっても、授業についていけていないと親御さんが感じるなら、授業内容は事前にわかりますので、四谷大塚の「予習シリーズ」を買っておき、該当の単元だけ先読みすることをオススメします。また、5年生、6年生になると、今までに習ったことの発展となる単元が出てくるので、以前の単元のテキストを読んでおくだけで、予習ができます。
お子さんだけでの予習が難しいという場合も、四谷大塚の「予習シリーズ」は子供が読むだけで理解できることを目的にしているので、予習のみ併用することもおすすめです。
【中学受験算数】 テスト対策
日々の算数の勉強に追われてしまうと、どうしてもテストの対策が後回しになりがちです。
ただ中学受験において、塾で行われるテストは、クラス分けはもちろん、お子さんのやる気に直結する重要な要素です。
あらかじめテスト対策の時間はスケジュールを確保しましょう。
毎月の算数のテストは、3週間〜4週間前に取り扱った内容を中心に復習をします。
実力テスト(組分テスト)は前3回の月例テストで、間違えた問題の中から、少し頑張ればできそうな内容を振り返っておくことで、テストの対策がスムーズに進められます。
【中学受験算数】 テスト直し
算数のテストが終わったあとに「テスト直し」ができているお子さんは、成績が安定して伸びやすいです。
必ずしも間違えた問題を全てやり直す必要はありません。
全体の正答率と、お子さんの現在の偏差値を基準にして、優先的にやり直すべき課題を絞り込んでください。
100−偏差値 = お子さんがやり直すべき正答率の目安
となります。
偏差値50のお子さんは正答率50%〜(余裕があれば45%)以上の問題で間違えてしまった問題をやり直しましょう。
算数の応用問題は全く手が出ないと思っているお子さんもいると思いますが、この積み重ねが応用問題まで解けるようになるための理解を深める第一歩です。
【中学受験算数】 基礎トレーニング/計算練習
低学年〜6年生の終わりまで、基礎トレーニング/計算練習は必ず続ける必要があります。
計算能力は算数のテストで正答率を高める「得点力」に直結するからです。
基本的には塾から出されている計算トレーニングをこなせていればよいです。
計算トレーニングは朝起きてから、学校に行くまでにやることをオススメします。
算数の処理能力を高めるために大切な習慣ですが、お子さんにとっては「面倒くさい」と感じる子も少なくなく、ただ解いているだけになってしまうお子さんも多いです。
筆算と暗算のバランスをしっかり取り、精度を上げながら、計算スピードをあげていく計算練習を心がけましょう。
4. 苦手な算数を得意にするには?
算数が苦手なお子さんが、算数を得意にする方法について解説します。
算数が苦手になる理由
算数が苦手になるお子さんは「才能がない」かと言われると、そうではありません。
苦手になってしまうのには、やはり理由があります。
中学受験の算数が苦手なお子さんを見てみると、大きく2種類の原因があることが見えてきます。
算数が苦手なお子さんの原因その1. 計算力不足
低学年からの計算力トレーニングが不足しているお子さんは算数が苦手になりやすいです。
計算力が足りないということは、間違いの数も増え、また1題1題にかかるストレスも大きくなります。
そのため計算力不足のお子さんは、成績・やる気どちらの面から見ても算数の成績が伸びにくくなってしまいます。
対策としては、計算力トレーニングの習慣をつけることですが、一度苦手意識がついてしまうと、トレーニングもやりたくないと感じてしまいやすくなるため、注意が必要です。
また高学年以降で、算数の他の課題の学習を優先するあまり、計算力トレーニングを怠ったご家庭でも同様に注意が必要です。
算数が苦手なお子さんの原因その2. 知識の理解が浅い/納得がいっていない
算数が苦手になってしまうお子さんには、実は「真面目で、納得できないと次に進めない」お子さんが多いです。
授業内での「なぜ、そうなるのか?」という説明が不足しているせいで、「どうしてそうなるのか?」がわからずに、そこから抜け出せなくなってしまうお子さんは珍しくありません。
わかりやすい例を挙げると、「図形単元の補助線」があります。
先生によっては、「ここに線を引きます」というだけで、「なぜ、そこに線を引かなければならないのか?」を説明しきれていない授業をする方もいます。
そのような「理解」しきれなかった穴が積み重なって、算数の苦手意識が強まってしまいます。
お子さんの理解を深めるためのポイントは、実際に問題を解かせたあとに「この問題の、どこが一番わかりにくかった?」と聞いてあげてください。
そのポイントこそ、お子さんの理解が最も浅い点になるため、しっかり解説をすることで理解を深めていくことができます。
算数の苦手別対策方法
算数の問題の中でも、特に「苦手」というお悩みの声が多い、計算問題・文章題・図形問題・数の性質の4つの問題について対策を簡単に解説します。
算数の苦手対策1. 計算が苦手なお子さんの対策法
一口に「計算が苦手」といっても、対策方法はお子さんの状態によって異なります。
まずは、計算法の知識がないのか?練習不足か?のどちらに該当するかを考えましょう。
計算の知識がないというのは、そもそもの「計算方法・計算の順番」を知らないことに加え、計算テクニックを知らないお子さんを指します。
計算の法則や、計算スピードを上げるコツを知らないお子さんには、改めて「やり方」を教えてあげるところから始めましょう。
そして、上記の「計算方法」を知識としては知っていても、計算力を上げるには、その知識を使えるようにするトレーニングが必要です。
計算練習は終わらせることが目標ではなく、1題1題工夫して、正確かつ素早く解けるかどうかを確認することが大事です。
丸付けだけでなく、時にはお父さん・お母さんが、お子さんの計算プロセスにも注目してあげてください。
算数の苦手対策2. 文章題が苦手なお子さんの対策法
文章題が苦手なお子さんは「何が聞かれているのか?」がわかっていないことが、問題が解けなくなる原因です。
まずは、文章題を「最後まで読んでいるか?」を確認しましょう。
文章題が苦手というお子さんは、問題文を読まずに解き始めているお子さんが非常に多いです。
ちゃんと読んでから問題を解いているか?については、お子さんの目線に注目してください。問題文の行数と同じだけ目線が往復しているか?が1つの見極めポイントです。
続いて、文章題を読んですぐに解き始めていないか?もポイントです。
読んだ内容を頭の中で考えて、どうやって解くか?を考える時間が必要だからです。
単純な問題では数字だけをピックアップして、式に当てはめてしまうお子さんがたくさんいます。
これも文章題で正答できない大きな原因の1つです。
また、少し長い文章題になると、文章題に苦手意識のあるお子さんは、読むのを嫌がったり、「どうせ解けない」と考えてしまいます。
このようなケースでは、「最後まで読んで考えれば、絶対に解ける」とお子さんに感じさせることが大事です。
そのためには、文章題の条件を順に書き出して整理することも必要です。このような「作業」を実際に一緒にやってみて、しっかりと問題を読めば、解けることをお家で実感させてあげましょう。
算数の苦手対策3.図形問題が苦手なお子さんの対策法
図形問題が苦手なお子さんには大きく2種類います。
1つは、計算が苦手なお子さんです。
円周率の3.14を代表に、図形問題では複雑な計算が要求されます。
そのため、図形の問題で計算が間違っているという場合は、計算練習をすることで、図形問題が得意にるということも珍しくありません。
もう1つは、「なぜ、そうするのか?」が理解できていないお子さんです。
「ここに線を引けば、線対称になって、面積が一緒になる。」といったことが、なぜそうなのか?どうしても理解できない場合は、折り紙を使って見せてみるという手も有効です。
お子さんが、図形問題の何がわかっていないか?を見極めるには、一度一緒に問題を解いてみて、お子さんが詰まるところを見つけてみましょう。
お子さんが詰まったところを重点的に説明し「なぜ、そうなるのか?」を教えてあげることが大切です。
算数の苦手対策4.数の性質の問題が苦手なお子さんの対策法
倍数・約数・素数などの「数の性質」の問題が苦手なお子さんは、掛け算・割り算の感覚が薄いことが原因です。
対策としては、低学年時に九九を覚える際に、1からの9の段まで言えることはもちろんですが、その後に、「掛けて〇〇になる組み合わせを教えて!」といったトレーニングが必要になります。
この数字の感覚をつかむことで、倍数はもちろん、約数・素数まで非常に解きやすくなりますので、「数の性質」が苦手なお子さんにはぜひおすすめです。
5. 低学年から中学受験算数の成績をしっかり伸ばすポイント
先取り学習はどこまで進めてよいか?
算数について、低学年のご家庭から最も多いご質問が「先取り学習はどれだけ進めてよいか?」というご質問です。
昨今「先取り学習の弊害」についても話題になることが多く、進めすぎても良くなく、やらないわけにはいかない…と、「先取り学習」をどこまで進めておけばよいのかは悩みどころだと思います。
結論から申しますと、「整数の計算問題」はどこまで進めてしまっても構わないというのが算数の先取り学習の目安です。
低学年で身につけた計算能力は高学年の最後まで役立ちます。
入塾までに、整数の四則混合計算までは終わらせておく必要があります。
反対に、安易に先取り学習で取り扱わない方が良いのが、「分数」「小数」の計算です。
小学校3年生までに、分数や小数の概念に触れることはあっても、計算問題になってくると、どうしても小学校低学年のお子さんには理解が難しいからです。
これは頭の良さの問題ではなく、お子さんの精神の成長がまだ不足しているからです。
小数や分数というのは、これまで取り扱ってきた「整数」と違い、「目に見えない」非常に曖昧な概念になります。
その目に見えない概念を視覚するために、2分の1(1/2)という方法で、目に見える形にしたのが分数です。
実は低学年のお子さんは、このように「こうやって表すんだよ」という決まりを、「これは、こういうものなんだ」とスッと理解できません。「どうしてそうなるのか?」が気になって仕方ないのです。
一方、4年生くらいになり、勉強にも慣れてくると、「このときは、こうする決まりなんだね」とスッと理解ができるようになります。
もちろん教え方が上手な先生がしっかり教えてくれるのなら良いのですが、低学年から通り一遍の授業だけしか受けていない状態で、無理矢理先に進めてしまうと、算数の本来の面白い部分が全く楽しめなくなり、算数に対する苦手意識を強めてしまいかねないので、注意が必要です。
「繰り上がり」や「分数」の概念の理解を大切に
中学受験の算数が苦手になってしまう根本的な原因のひとつとして、「深く納得できないまま、次に進んでしまう」というものがあります。
そのため、小学校低学年の算数こそ、難しい問題を解く必要はないので、ちゃんと子どもが納得してから次に進むことが大切です。
たとえば、「繰り上がりのあるたし算」なら、「繰り上がり」とは一体何のことなのか、十の位とはどういうことなのか、しっかりわかっていないと、ただの隣り合っている数字として思えなくなってしまいます。
これは算数という勉強の仕組みを理解することにもつながるので、低学年のうちにしっかりわかるように時間を割いてあげてください。
学校の授業では、この「繰り上がり」「繰り下がり」に比較的時間を割いて説明します。
しばらく、宿題に「繰り上がり」「繰り下がり」の計算問題が続く時期もあると思います。
このときに少しでも子どもがつまずいていたり、理解していないと感じたら、家庭でしっかりフォローしてあげてください。
「分数」も同じで、そもそも「分数」とは何なのか、どのような数を表しているのかを先にしっかり理解したうえで計算問題に進むことが大切です。
同じように「小数」という概念をわかっていないと、後に習う「小数のかけ算・割算」で「かけ算の答えはふつうなら大きくなるのに、なぜ小数のかけ算は数が小さくなってしまうのか」という疑問がふつふつと沸き上がってきます。
そのもやもやを抱えたままどんどん先に進んでしまうと、「わからないことがわからない」という状態に陥ってしまうこともあります。
最初は深く理解してなくても答えを出せるかもしれませんが、難易度が上がるとそれもできなっていくので、基礎をしっかり固めることが重要です。
【学年別】低学年の計算力で強化すべきこと
1年生 = 10の補数
1年生は「◯に何を足せば10になる?」という「10の補数」がすぐに回答できるようにしていきましょう。これが全ての計算力の基礎となります。
2年生 = 掛けて〇〇になる数は?
2年生の九九では「1から9の段」を言えるだけでは足りません。
九九は逆から言えることも大事です。(9×9=81、9×8=72….)
また、九九に加えて、「掛けて〇〇になる数字は?」という問に答える練習をしてください。
これは、後に習う倍数・約数及び、中学受験算数で取り扱う「数の性質」の基礎になる非常に大事な練習です。
3年生 = 四則混合計算
3年生は、掛け算・足し算・引き算・割り算の混合に慣れる練習をしましょう。
計算の規則(掛け算・割り算が優先される/括弧の中を先に解く)を身につけることが目的です。
四則混合計算では、お子さんが「計算しやすいところ」から計算しないように注意をしてください。
例)118ー18×36=
このような問題では、「118から18を引くと100になるから簡単だ!計算しちゃおう」と考えがちです。このように解きやすさに優先されて、四則計算の規則を忘れてしまわないように練習が必要です。
6. 【高学年】中学受験の3大つまずき単元と対策方法
小学生の高学年になると算数がどんどん難しくなります。
5年生では「割合」、6年生では「比」と「速さ」という、小学校の最重要単元が揃いますが、これらは「算数の三大つまずき単元」といわれています。
この3大単元をスムーズに進められるかで中学受験の結果は大きく左右されるほどです。
ここでは、「速さ」と「比と割合」の単元でつまずかないための対策方法について解説します。
ご家庭でできる「速さ」の対策
「速さ」に関しては時間を感覚的にとらえられているかどうか、ということが重要になります。
たとえば、「速さ」が苦手な子は、どのくらい早く歩いたら、どのくらい短い時間で目的地につけるか、という感覚がほとんどありません。
また、60分は1時間という60分単位の原則がわかっていても、15分と聞いて「4分の1時間」と即答できない子も時間を感覚的にとらえられていない子が多いです。
これらは日頃から時計の文字盤を見ているかどうか、ということが大きな要因になっています。
今では携帯電話やスマホなどもそうですが、家庭のあらゆる電化製品に時間がデジタル表示されていて、アナログ時計を見る機会がずいぶんと減りました。
アナログの腕時計をつける人もかなり減ったように思います。
もしも15分と聞いて時計の文字盤を四等分したひとつ、というビジュアルをイメージできたら、60分の単位で計算するよりも確実で早いです。
そのような感覚を養うにはアナログ時計を見ることが必須になります。
まずはリビングの時計をアナログ時計に変えてみるとよいでしょう。
日常的にアナログ時計を使うことによって、「15分後の8時に出かける」「あと30分、20時になったらお風呂に入る」「21時まで45分間で問題集を解いてみよう」など、時間とともに文字盤が何分の1を指しているか、というビジュアルでのイメージが感覚として身につきます。
ご家庭でできる割合の対策
「割合」は日常生活の中で養われる「感覚」がとても大切です。
塾では学習として「割合」の勉強をしていくものの、あくまで学習として理解をするためのものであり、「感覚」を身につけるための学習ではありません。
そのため家庭でどれだけ日常的に「感覚」をつかむ経験をしてきたかどうかが大きな差につながります。
たとえば、スポーツ好きの家庭の場合、親子で野球やサッカーなどで打率やゴール率の話をしてもいいでしょう。
好きな選手の打率やゴール率などでもいいですし、子どもが野球をしている場合などは子どもの打率計算をしてみてもいいかもしれません。
スポーツをしない女の子には、ショッピングの方が向いているかもしれません。
たとえば、買い物であれば「30%引きセールということはこの商品ならいくらで買える」という会話や計算をしながらセールでのショッピングを楽しむのもいいでしょう。
子どもの好みに合わせたものを取り入れて割合の計算をすれば、感覚も育ちやすいでしょう。
これは中学受験をするしないにかかわらず、家庭で取り入れたい習慣ですね。
買い物は絶好の割合学習の場
買い物は日常的に「割合」の感覚を養う最高の機会です。
洋服のセールなどの特別な買い物だけではなく、毎日のスーパーでの買い物などで消費税を計算したり、割引商品の計算をしたりして、親子でお買い得に買い物をすることならば続けられるのではないでしょうか。
「これだといくらになるのかな」「これってお買い得なのかな」など、親が子どもにたずねてみましょう。
子どもは、いくらになるのか一生懸命計算してくれるかもしれません。
あくまで勉強としてではなく感覚を身につけるためのものなので、「計算しなさい!」「どうしてできないの?」など、いっしょに買い物に行くのが嫌になってしまうようなやりとりにならないように気をつけてくださいね。
日常生活で感覚を育てるということは「割合」だけではなく、「比」や「速さ」に対しても同じことです。
数字の計算だけではなく、これらの感覚を養う機会をぜひ家庭で取り入れてみましょう。
小学生高学年でぶつかる算数の「三大つまずき領域」である「割合」「比」「速さ」はその後、中高でも全ての理数系につながるとても重要な単元です。
そこで、日常生活にその単元の要素の感覚をつかむ習慣への取り組みを行うことで、子どもにとってこれらのつまずきやすい単元は、ぐっと身近になります。
特に「割合」は日常の買い物などで感覚を養うことのできる、生活に密着した単元です。
親子で楽しく感覚を身につけられるように、毎日の買い物の習慣にしてみてはいかがでしょうか。
ご家庭でできる「比」の対策
「比」に関しては「割合」「速さ」に比べると、子どもにとって抵抗感が少ないようです。
これは小学生の「比」は基本的に「こっちの方が大きい、小さい」というだいたいの感覚があればつかめるからです。
中学・高校になると「比」は「濃度計算」としても出てきます。
その中でも代表的なものが高校の化学で出てくる化学反応の質量計算や気体反応の体積比計算の計算式です。
この辺りの計算で苦労するときは、たいてい「比」についての理解があやふやな場合が多いです。
この「比」に関しての感覚を家庭で育てるチャンスが多い場はキッチンでしょう。
ホットケーキを作ったり、ココアを作ったり、という普通のクッキングの場でも比が必要になります。
たとえば、ココアの作り方で「1人分はスプーン3杯のココアパウダーに牛乳200mlを加える」とあったとします。
しかし親の分も入れて2人分作ろう、家族全員の4人分作ろう、という場合にはココアパウダーを何杯入れればいいのか、そして牛乳は何mlにすればいいのか、と考えることになります。これは「比」の問題になります。
ミルクコーヒを作る場合などに「牛乳とコーヒーを3対1の割合で混ぜよう」というのもわかりやすい「比」の問題です。
ほかにも料理で「しょう油、砂糖、酢を2:2:1の割合で混ぜる」など合わせ調味料を作ることもあります。
これら調理で実際にものを使った「比」の計算は学校や塾ではできない、家庭ならではの感覚を育てる場となります。
7. 中学受験算数でやってはいけない「NG学習方法」まとめ
【算数のNG1】 計算式の丸暗記学習になっている
中学受験の算数は、とにかくやるべきことが多いです。
そのため、お子さんは宿題など問題を解く時に「終わらせる」ことが目的になってしまい、「このページの問題は、このやり方でやる」と計算式に、文章題の数字を当てはめて、答えを出すことだけを求めてしまうお子さんも少なくありません。
ただ、このような勉強法は「作業」をこなしているだけになってしまいます。
「思考」の伴わない勉強は頭に定着しないどころか、「楽しさ・やりがい」がないため、お子さんのモチベーションを大きく削り、勉強嫌いにさせる最大の要因にもなります。
1題1題しっかり最後まで問題を読んで、解きはじめる前に、一度考える時間を取る。
このルーティンが、成績を上げる算数の勉強には必須です。
【算数のNG2】 図・線分図を書かない
必要な図・線分図を書かずに問題を解くこともNG行動の1つです。
中学受験の算数の問題は条件を整理して、書き起こすことで回答の糸口が見えてきます。
「書かなくてもわかる」と言うお子さんもいますが、実際に算数の成績が良いお子さんを見ると、図を各作業を丁寧にこなしているお子さんばかりです。
問題文を読み終えたら、「どんな図を書けば解けそうか?」と考える時間と取り、普段から図を書く習慣をつけていきましょう。
【算数のNG3】 「方程式」を使って、解かせる
家庭学習などで子どもに算数の問題の解き方を聞かれたときに注意してほしいのが、方程式で解く方法を教えないことも大事です。
特に数学が得意なお父さんは、つるかめ算、和差式などを連立方程式で教えようとしてしまいます。
すでに方程式を習得した大人が、xやyを使った解き方を教えてしまうのがいちばんてっとり早い、と感じるのはわかります。
でも教えられた子どもも「ふーん」とは思っても、解けた快感や納得感はまったくありません。
もし本気で方程式を教えるなら、「移項」の意味もわからせなくてはならないし、それには「マイナス」の扱いを教えなければなりません。
中学1年の1学期に学ぶ内容を教えなければ方程式は理解できないのです。
小学生はまだマイナスの概念を習っていないので、裏ワザ的に連立方程式の解き方を教えても、むしろ混乱してしまうこともあります。
何より、中学入試の本番試験は「方程式」を使って考えると到底解けない問題もたくさんあるのです。
【算数のNG4】 算数を優先して、他教科が疎かになる
中学受験で非常に多いケースが、算数の勉強にかかる時間が多すぎて、他の教科の勉強を後回しにしてしまうことです。
算数は他教科と比較してもやることが多く、全教科の成績を安定して上げているお子さんを見ても、1週間の勉強時間の4割〜5割が算数になるのは普通です。
ところが算数の勉強が追いつかなくなってくると、国語と社会、果ては理科までが後回しになってきます。苦手教科の算数に時間を取られるあまり、得意だった教科の勉強も手薄になってしまうというケースは非常に多いです。
そのような場合は、
頑張っても解けそうにない応用問題は、一旦切り上げる。
既に十分できる問題を何度も繰り返し解かせない。
といった工夫で時間をやりくりすることを意識しましょう。
8. 算数を得意にするための親の関わり方
子どもに「算数が得意」と思わせる
中学受験の算数は、学校での勉強と大きく違いがあると言いました。
学校のテストが毎回100点でも、受験用の勉強をしていないと入試問題はほとんど解けません。
学校の教科書をよく読み込んでみると、「難問にも対応させたい」「その基礎となる考え方を理解してほしい」という意図は読み取れますが、残念ながら学校の算数で実際に習う問題にはそれほど難しいものはなく、問題数も決定的に少ないのが実情です。
このように、中学受験には受験対策塾を利用することが必要不可欠ですが、それでも塾に行くのは4年生以降で十分です。
3年生までは、教科書の算数をしっかり楽しみ、深く納得しながら勉強してください。極端な「先取り学習」をする必要はありません。
具体的には、計算や漢字などを1学年上のものまでできるといい感じです。
2年生に4年生の問題をやらせると、たしかにできる子はいます。
でも先に学習することでアドバンテージを得るより、基礎をしっかりと固め、「わかる楽しさ」「解ける喜び」をきちんと知っている方が、中学受験を成功させるための近道になります。
「算数はおもしろい」「わかれば一層楽しい」という快感を知ったとたんに、子どもの頭の使い方は変わってきます。
そして「自分は算数が得意だ」と思わせることができたら、中学受験はほぼ成功といっても過言ではありません。
算数は考えれば「必ず解ける」という確信を持たせる
中学受験の本番試験の算数では、一見初見のような難しい問題が出題される学校も多いです。
ここで大事なこと、今まで習った知識で「解けない問題」を学校が出題することはなく、「条件を整理して、じっくり考えれば、必ず解ける」とお子さんが確信して問題を解けるかどうかになります。
中学校側はゼロから何かを創造したり発見する能力ではなく、頭の引き出しにあるものを目的に合わせて取り出し、組み立てる能力を見極めています。
難解な文章題にも必ず解法があるはずだと確信し、諦めずにチャレンジして「自分にはこの問題は絶対に解けるはず」という気持ちで解くことが大事です。
チャレンジや試行錯誤の末に「解けた!」という体験を重ねていくことで、「算数は考えれば必ず解ける」という気持ちを持てるようにしてあげましょう。
「難しい算数」を大人も一緒に学ぶ気持ちを持つ
子どもが算数を楽しく学ぶためには、まずは大人も算数に対する苦手意識を持たないようにすることが大切です。
文系のお母さんで「算数はちょっと苦手で…」と感じている方もいるかもしれませんが、実際にできるようにならなくてもいいので、まずはその意識をなくすようにしてみてください。
お母さんが中学受験の算数の問題をすべて解けるようになる必要はなく、それより、子どもと一緒にもう一度算数を勉強して楽しんでみようという気持ちを持っていただくだけでかまいません。
子どもが受験対策塾に通う前から、一緒に教科書を読みながら大人の知識もアップデートしておくこともオススメです。
「大人でもよくわからない」「先生はどうやって教えてくれたの?」といった会話の中で、子どもの理解度やつまずきを発見できるだけではなく、「なるほど、わかった!」という気持ちよさを一緒に味わうことができます。
お母さん・お父さんとの喜びの積み重ねが、お子さんの算数の楽しさにつながっていきます。
9. 中学受験 算数おすすめの問題集・参考書3選
苦手単元を狙い撃ち「つまずきをなくす」シリーズ
著者:西村則康(辻義夫/高野健一)(実務教育出版)
子どものつまずきやすいポイントに焦点をあてて、「何を教えてあげればスムーズに理解できるか?」を解説した苦手克服に特化した問題集兼参考書です。
1つ1つの手順を本に書きこみながらマスターしていく親切な構成で、問題に潜む落とし穴を避け、確実に正答する力が無理なく自然と身につきます。
計算問題〜立体図形まで、学年別・単元別に苦手対策が可能な人気のシリーズです。
基礎からハイレベルの応用問題まで「すらすら解ける魔法ワザ 算数・合否を分ける120問」
中学入試算数の頻出問題をピックアップし、この1冊で必要な考え方・解き方が身につく構成となっています。
まずは例題をなぞりながら、考え方・解き方が身につけていき、続いて練習問題にとりかかって知識を習熟させる、お子さんが読んで、算数の知識をみにつけることができる問題集ベースの参考書となっています。
実際の中学受験算数の本番試験で出てくる問題を予想して制作されているため、基礎学習から入試対策まで幅広く使用されています。
「すらすら解ける魔法ワザ 算数」はシリーズ化されており、これから受験算数に力を入れていく方には「中学受験 すらすら解ける魔法ワザ 算数・基本からはじめる超入門」もオススメです。
入試に必要な知識を吸収!「中学入試 算数 塾技100」
入試対策で困るのが、当たり前のことですがどんな問題が出るのか分からないことです。
結果、自宅学習では得意な部分ばかり勉強して苦手分野が疎かになったり、山をはって勉強したりと非効率的な方法に走りがちとなります。
しかし、受験に出てくる問題は範囲が広いようにみえて「定番」が存在します。
そして、その「定番」を押さえておけば合格に近づくことができる学校も多いのです。
「中学入試 算数 塾技100」は、そんな中学受験の定番ばかりを教えてくれる参考書です。
内容はまるで塾で教えてもらっているように段階的かつ丁寧な説明となっています。
算数は一度つまずくと挽回が難しい教科なので、基礎から学習するのにぴったりです。
算数に苦手意識があるお子さんも、解説を読み問題を解いているうちに勉強のしがいを見出せるようになるでしょう。
まとめ
以上、中学受験の算数について詳しく解説しました。
ぜひこの記事を参考に、今一度、算数の授業の受け方、復習・予習の習慣や、計算トレーニングのやり方を見直していただき、算数の成績UPの参考にしていただければ嬉しいです。