【3月から始める】苦手を無くして、成績を上げる春期講習・春休み対策
中学受験の春期講習で成績を上げるには、どうすればよいかご存知ですか?
受験の天王山と言われる夏期講習と比べ、春期講習はあまり重視されない方も多いのですが、中学受験において春休みは苦手教科・苦手単元の対策をするのに最適の時期です。
そもそも春期講習を受けるのか?どうかかも含め、春休みの学習を上手に回すことができれば4月以降の成績が大きく上げることも難しくありません。
今回の記事では中学受験の春期講習の攻略法、春休みの学習スケジュールを初め、春休み中に対策すべきことと、その方法をまとめました。
1. 塾の春期講習は受講するべき?
中学受験の夏期講習は、ほぼ100%の生徒が受講するのに対して、毎年春期講習は1〜2割ほどのご家庭で受講を見送ります。
実際に春期講習は受講しない方が良いですか?という質問もいただきますが、結論から申しますと、一部の塾では春期講習の受講を見送った方が成績が上がるというのは事実です。
春期講習を必ず受講しなくてはいけない塾とは?
サピックス・グノーブルなどの、春期講習中も通常授業が進行する塾については、春期講習の参加はマストです。
これらの塾では学年にかかわらず、春期講習は絶対に受けなくてはいけないカリキュラム構成になっています。
春期講習の受講を見送ることを検討すべき塾
一方で、四谷大塚・早稲田アカデミー・日能研・浜学園・希学園など、多くの塾で春期講習は、これまでの復習を扱います。このような復習型の講習をしている塾では受講を見送ることも可能です。
春期講習の受講を見送るべきご家庭の特徴
復習型の春期講習の受講を見送ってよいご家庭は2つにわかれます。
1. 過去の内容がほとんど理解できているお子さん
成績が安定して伸びており、家庭学習の習慣もしっかりついているお子さんで、これまでの復習よりも先のことが学びたいというモチベーションの高いお子さんは春期講習の受講を見送ってもよいです。ただしその場合でも、予習ばかりに気を取られず、一定量の復習はご家庭の裁量にて行う必要があります。この点だけ、ご注意ください。
2. 授業内容の理解が浅いお子さん
復習型の春期講習の授業に出て、もう1度塾の授業を聞いて、理解できるようになるか?というと、実はそうではありません。これは、同じ先生が、前にやったことを前提とした授業をするので、もう1度授業を聞いても、結局理解できないお子さんが多いからです。このようなケースでは個別指導や家庭教師などを利用するなど、ご家庭で個別に対策をした方が成績が伸びることの方が多いと言えます。
結局のところ、4年生〜6年生まで共通して、春期講習での「復習」にあまり意味を感じない場合は受講を積極的に見送ってもよいと言えます。
とはいっても、もちろん塾の先生は春期講習の受講を勧めるでしょう。
あまり大きな声では言えませんが、これは塾の商業的な側面からのお勧めであることも頭において検討されるとよいでしょう。
復習型の塾でも春期講習の受講が必要なご家庭
ただし、家庭教師や個別指導をつけずに、親御さんもお子さんの学習を見てあげられず…
- ご家庭で勉強に手がつかないお子さん
- 個別に対策が立てられないご家庭
といったケースでは、春期講習への参加は必須です。
春休みは、お子さんの苦手対策・積み残しの対策をする絶好の機会ですので、春期講習を休んで、お子さん1人1人に合わせた復習対策ができれば、成績は大幅に伸ばすこともできます。
ただし、それには大人の力が不可欠です。
春休みを成績UPのチャンスに変えていくためにも、復習型の塾では受講を見送り、攻めの対策を行えると良いのですが…このバランスをどう取るかをぜひ、今一度お考えください。
2. 春休みと春期講習で達成すべき目標・受講のポイント
春休みと塾の春期講習を通して達成すべき目標が何かはご存知でしょうか?
春休みは、4月から本格的に始動する新学年カリキュラムの準備期間と考えましょう。
予習型の春期講習をする塾と、復習型の春期講習をする塾で、若干の違いがありますが、どちらの塾でも「苦手対策」ができるかどうかが、今後の成績を大きくわける鍵になります。
ここでは、予習型と復習型の塾に分けて、春休みに達成すべき目標を分けて簡単に解説します。
予習型の塾の春期講習(サピックス・グノーブルなど)の目標
予習型の授業の目標は2つあります。
■ 毎回の授業の振り返りの精度を上げること
■ 講習内容とは別に、苦手単元の復習の時間を予め確保すること
毎回の授業の振り返りの精度を上げること
講習中も通常授業が進む予習型の春期講習では、1日に1単元が進められます。
1週間で1単元が進められる普段の授業の倍以上のスピードで、新しい単元が消化されるのです。
ただ授業に出席しているだけでは、学習内容が頭に定着する前に、また新しいことに取り組むことになるため、講習が終わってみると、忘れてしまって、何も身についていないというお子さんも珍しくありません。
次の授業に臨むまでに、毎回の授業を効率よく、確実に振り返ることができるか?で、4月以降の成績に大きく差がつきます。
ですので、3月の通常授業から、講習内容を確実に振り返る習慣を作って春期講習に臨みましょう。
講習内容とは別に、苦手単元の復習の時間を予め確保すること
春休みに通常授業が進められるからといって、過去の積み残し・苦手単元は放ったらかしにして良いというわけではありません。
塾からの説明はありませんが、予習型の春期講習を行う塾では、苦手単元の復習をすることは基本的にはご家庭任せです。
いつもの倍以上で進められるカリキュラム進度で、ただでさえ忙しい中ですが、そんな中でも成績を安定して伸ばしているご家庭は、過去の苦手単元の振り返りを消化する時間も、なんとか捻出していることが共通しています。
もちろんすべてをやり切ることは、物理的に不可能です。
そのため、あらかじめ春休みで対策をする単元をご家庭でピックアップし、復習のスケジュールの時間を確保しておきましょう。
復習型の塾の春期講習(四谷大塚・早稲アカ・浜・希など)の目標
さすがの塾も2週間という短い期間の中で、過去単元の全てを補強する余裕はないため、復習型の講習といっても、お子さんの苦手としていることが全てカバーされるわけではありません。
そのため「春期講習に参加していれば復習できる」と考えるのではなく、お子さんに合わせた復習が必要です。
具体的には、2つ目標にしていただきたいことがあります。
■ 授業でカバーされない範囲は、家庭学習でカバーする
という2点が、復習型の春期講習の受講のポイントです。
こちらのケースでも予習型の塾と同じように、春休み前からお子さんの「苦手」が何かを見極めて、優先順位をつけて対策の時間を予め確保するようにしましょう。
【目標】苦手教科に得意の核を2つ作ろう!
春休み中に苦手教科の克服を達成するために、春期講習に通うかどうかを問わず、まず苦手教科に得意単元2つを作ることを目指しましょう。
より多くの苦手単元を克服できることに越したことはないのですが、現実的な目安としては、各教科ごとに苦手単元を2つずつ克服できることを第一の目標にすると良いです。
その際は、少し時間をかけることで理解ができそうな単元から対策をしてください。
苦手教科の中に、得意な単元を作ることで「意外とやればできるんじゃないかな?」とお子さんに自信をつけてもらうことで、苦手意識を薄めていくことを目的としています。
中学受験では「苦手」という思い込みがついてしまっているだけで、苦手意識さえなくなれば、成績が上がることもよくあります。ぜひ、得意単元を2つ作ることから始めていきましょう。
3. 春期講習中の1日の勉強時間目安
中学受験において、塾の春期講習中・春休み中はどれくらい勉強すると良いか?という質問も多くいただきます。
ここでは学年別に、成績を安定して上げているご家庭の…
■ 春期講習を受講しない場合の1日の勉強時間
について解説します。
春期講習を受講した場合(塾のある日・ない日)の1日勉強時間
塾のある日は、授業内容を反芻するために、帰ってきてからの振り返りを大事にしてください。
春期講習を受講する場合
春期講習を受講しない場合の1日の勉強時間
講習を受講しない場合、本来講習に使う予定だった時間は勉強するようにしましょう。
「講習に行ってる分は勉強しようね」とお子さんが納得できることが大事です。
休ませすぎると夏期講習などに行きたがらないという別の弊害が出てくるので、注意していきましょう。
春期講習を受講しない場合
4. 春期講習までの準備
春期講習をどう受講するかも大切ですが、春休み中に苦手単元の克服を達成するためには、何に集中して対策をするのか?を予め考え、苦手対策を計画しておくことが大事です。
その観点から、春期講習が始まるまでにご家庭で取り組んでおくべき準備が2つあります。
■ 苦手のピックアップ&優先順位の決定
■ 授業内容の振り返りの習慣化&効率化
この2つを春期講習が始まるまでに実践していきましょう。
苦手のピックアップ&優先順位の決定
過去半年のテスト内容を振り返り、お子さんの苦手単元をピックアップしてください。
目安としては、
100ー(お子さんの偏差値) = 対策すべき正答率の目安
です。
お子さんの偏差値が50の場合、正答率50%以上の問題で不正解となっている問題が対策を取るべき苦手単元になります。
苦手単元のピックアップが完了したら、春休み中に対策すべき問題を選んで、予め復習するスケジュールに組み込みましょう。
春休みに対策すべき苦手単元の数:各教科 2つずつ(得意教科は無しでも可)
対策すべき苦手単元の選び方 :少しの努力で、できるようになりそうな単元
を目安に選んでください。
春休みが始まってしまうと、どうしても復習の時間は後回しになりがちです。
そのため春休み前から、対策する単元を予め決めておき、必ずやり切ることが大切になります。
あくまで目安ですが、4年生・5年生は日曜を完全休みにすることを想定しています。
もちろん習い事の量や、お子さん1人1人の環境によって変わります。
詰め込みすぎになっておらず、お子さんに意欲があるなら、目安時間以上の学習ができることは非常に良いことなので、学習時間を多めに取ることは全く問題ありません。
最難関校を受験する場合は、特別特訓の予習・復習なども含め、上記の目安に加えて、1週間あたり2〜3時間ほど学習時間を多く取ると良いでしょう。
■ 授業内容の振り返りの習慣化&効率化
春期講習は、どの塾も授業の進度が通常授業より早めです。
各教科ごとに1週間に複数回授業があるため、次々と新しい内容を学習していきます。
お子さんは新しいことを学ぶと、前に学習したことがドンドン抜けてしまいます。
そのため、ただ授業を受けているだけでは、春期講習の内容は頭に定着しません。
授業後〜次の授業までに、どれだけ振り返りができるかが大事です。
そして、それは塾に出された宿題をやるだけでは不十分です。
授業から帰ってきてから、その日の内の振り返りが必要になります。
確実かつ、効率的な授業内容の振り返りの習慣を、春期講習までに身に着けていくことが重要です。
中学受験では、理社ともに、現象・語句を説明できるレベルの理解が求められます。
春休みをきっかけに、再度、暗記学習の習慣を見直していきましょう。
5. 春休み中、教科ごとに気をつけること
続いて春休み中の学習で、算国理社の各教科毎に押さえておくべき学習について説明します。
春休みの算数の学習
4月以降の新単元の学習に必要な知識を補強する必要があります。
4年生:計算トレーニングと概数の概念
5年生:倍数と約数
6年生:苦手単元の補強
を重点的に補強しましょう。
特に5年生の「倍数と約数」については、これから勉強する受験算数の鍵となる「比と割合」の単元の基礎となる考え方です。
春休み中に対策をしておくことで、今後の中学受験算数全体の理解が円滑になります。
6年生に関して多くの塾で、既に受験に必要な知識が完成しつつあります。
過去単元で苦手なところから2つピックアップして対策をする予定を組めるとベストです。
いずれのケースも、まずはお子さんが「ちゃんと頑張ればできるんだ」と自信を持てるようにやり直しをしていけるようにしてあげましょう。
春休みの国語の学習
国語の勉強については、何をすればよいか?わからないと、ご家庭で「苦手」を克服することが難しいと感じられている方も多いでしょう。
まず、基本的には塾でやった長文読解をやり直します。
やり直しをして、お子さんが納得して正答できている場合は、それで問題はありません。
お母さん・お父さんから見て、反対に「この子本当にわかっているのかな?」と思う場合は下記の点に注意してください。
【国語の復習のチェックポイント】
– 塾の解説をちゃんと聞いてこれているかどうか?
– 与えられた「読み方」テーマを意識できているか?
– ご家庭のやり直しで、本文をちゃんと読み直してできているかどうか?
「接続詞」を意識して読むトレーニングを目的にしている長文など、塾のテキストの各長文には「テーマ」が設けられています。
テキストの意図に沿って学習ができているかどうかを見直してみると、多くの気付きが得られますので、ぜひ一度見直してみてください。
春休みの理科・社会の学習
理社については再々度となりますが、引き続き「語句の丸暗記」になっていないかに注意してください。
特に5年生の理科では「電流」などの目に見えない単元について、「図」や「グラフ」に書き起こして視覚化し、現象を目で捉えることを大事にしましょう。
社会に関して、
「地理」
常に白地図を用意して、どこに何があるか?その結果どうなっているのか?までセットで覚える
「歴史」
5年生は、そろそろ「まんが 日本の歴史」を読んで時系列とストーリーを頭に入れ始める。
(歴史の授業が始まるまでに全巻読み切ることが必須)
「公民」
授業だけでは伸びない。日々のニュースなどをもとに、親子で会話することも必要。
まとめ:春休みは「苦手」の対策をご家庭主導で
以上、春休み・春期講習の勉強方法について解説しました。
春休みは、忙しい中ですが、1年間の中では比較的時間に余裕を持って、お子さんの苦手対策がやりやすい非常に重要な時期になります。
お子さんの苦手意識を和らげながら、苦手教科の中にも「得意なこと」を作っていき、苦手教科というイメージを消してあげることで、今後の成績を大きく伸ばすことが可能です。
ぜひ苦手対策の計画を春休み前から立てて、少しの努力でできるようになることから優先順位を決めて苦手対策を行っていきましょう。
またこの期間に、塾の授業の振り返りの習慣を固めることで、今後の塾の学習の理解がスムーズになりますので、授業の復習の習慣も身につけられるように頑張ってください。