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5年生10月 志望校に偏差値が10以上届いていないときは?3つのポイントで解説

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公開: 最終更新日:2024年10月23日

この記事では、5年生の10月時点での話を中心に今から解説をしますが、これはどの時点でも当てはまることでもありますので、是非最後まで御覧ください。また、合わせて動画を見ていただくことで、より理解を深められますので、是非ご覧ください。

1. 5年生10月で志望校偏差値に10足りていない場合

現時点で、例えば、志望校に対して偏差値が10足りないという場合についてお話をします。それ以上、以下でも同様の考え方ができますので、状況にあった数値に入れ替えて考えてみてください。

偏差値が10足りないという場合、ほとんどの場合が、志望校の偏差値が60以上で、いわゆる難関校に位置する学校を受けることが望まれているかと思います。つまり、現時点の偏差値が45-50程度という方がこのパターンに当てはまるでしょう。

この場合、すべての科目が平均的に50を切っているというケースもありますが、理系科目は50切っているけれども、文系科目は取れている、あるいは、文系科目は50を切っているけれども、理系科目は取れているといったアンバランスな状況であることが多くあります。

このような場合において、つまづいている原因として考えられるのは、家庭学習のやり方がうまくいっていない、過去に学習の中のどこかでつまづいてしまい、その余波で苦手が連鎖してしまっているという場合があります。

この場合の対策として、苦手科目のどのあたりでつまづいたのかをテストなどを用いて、過去のカリキュラムを辿っていくようにしましょう。お子さんと親御さんで取り組んでもいいのですが、塾の先生にテストの答案を見てもらって、どこでつまづいているか聞くことや、家庭教師や個別指導に通わせるといった方法で解消をすることが望ましいです

また、先程も話題に上げましたが、毎月偏差値が50を切る場合(志望校偏差値から10ポイントなど大きく乖離がある場合)は、家庭学習自体がうまく回っていない可能性が高いといえます。

実は授業の受け方を知らないお子さんがほとんど

授業の理解度チェック

授業を受けたあとに、お子さんに授業の話を聞いていますか?

なぜ、このようなことを聞くのかというと、今現在、お子さんが授業で受けてきたことをしっかりと理解できているかの確認になるからです。授業を受けたあとがお子さんの記憶の中に一番授業の内容が入っています。帰ってきて復習をするタイミングに必ず聞いてあげることで、記憶の整理にもなりますし、理解をしているかの確認をすることもできます。(どのように聞くのかは3章にて解説をしていますので、このまま読み進めていただければと思います。)

もし、このときに、親御さんに授業で受けたことを話すことを嫌がったり、授業の内容を正確に把握できていないなということを感じた場合は、お子さんは授業の内容をどこかで理解できなくなってしまっている可能性があります。

理解度を上げ、成績UPへとつなげる授業の受け方

では、どのようにして授業を受け、授業で習うことに対する理解を深めて行けばよいのでしょうか?

実は、塾では授業の受け方について先生が教えるということはほとんどありません。お子さんもなんとなく、先生が言っていることをノートに書き出したり、板書を写したりしながら、授業はこうやって受ければいいんだなと、自分で考えながら授業を受けていくことになります。

それでうまく行っている場合はいいのですが、5年生のこの時期になって、成績が伸び悩んでいる場合は授業の受け方に1つの原因がある可能性があります。

ここから、授業の受け方について解説をしていきます。

1つの方法として、塾の先生にどういう風に授業を受けたらいいか改めて質問してみる。ということも行ってみるとよいでしょう。

お子さんの状況にもよりますが、先生から言われたことであれば、お母さんやお父さんから言われたことより、納得しやすい可能性もあります。まずはこの方法を試してみるというのが、一番スムーズに授業の受け方に関するお子さんの納得を引き出せる可能性が高いでしょう。

それが難しい場合は、次のことをお子さんにアドバイスしてあげましょう。

「先生が話しているときは話を最後まで聞いてから考える。」

塾の授業は、先生の授業スタイルにもよりますが、「途中でわからなくなることはたくさんありますが、先生は最後まで聞くと理解できるようになっている」というのが一般的です。

塾の先生は一人ひとりの理解を確認しながら授業を進めることはできません。それでも最大限全員がわかるように(理解をしている人が多くなるように)授業をすすめるために、教え方を研究した結果、最後まで聞くことで理解をできる授業を行っています。つまり、お子さんもその方法に合わせて授業の受け方を変えていく必要が出てきます。

ですので、わからないと思っても、「今わからないことはこのあとで先生が教えてくれる。」「わからないと思ったことは書き出しておいて、説明されたときに解消しよう」という風にして、辛抱強く最後まで聞くようにすることが大切になります。

また、もう一点授業で注意する点があります。

先生が板書を書いていて、次の説明が始まっているのにもかかわらず、今の板書をノートに書くことに夢中になってしまい、次の内容が聞けていないという状況がよくあります。

ノートの取り方についての記事で解説をしていますが、極端な話、書けない部分が合ってもいいので、しっかり先生の話をきいて理解をすることに集中することを勧めています。

成績が上がる 理解度が上がる 塾では教えてくれないノートの作り方とお子さんへの教え方 まとめ

授業で先生が説明する内容は、テキストの中にかいてあることがほとんどです。板書が写せなかったとしても、先生の話をしっかりと聞いたうえで、理解をすることに集中をするほうが、圧倒的に理解をするために必要な要素を吸収することができます。特に、先生がここが大切といったことや、これは覚えておくようにといったこと、強調していったことなど、理解をするために重要なところをわかるように授業を行っている先生がほとんどです。

授業の理解を促進し、記憶に定着させるための家庭学習の方法

授業当日の復習の方法でガラッと変わる

家庭学習について、まずは授業の復習についてお話をしていきます。授業の復習については、授業の受け方の記事でも解説をしていますが、ここでも解説をしていきます。よりまとまった記事を読みたい方はこちらから御覧ください。

授業後の復習でやるべきこと まとめ

お子さんに授業の復習をさせようと思うと、まず何をしますか?

多くの方が、授業のテキストを見て、宿題をさせる、という方法を取られているかとおもいます。ここで、私がおすすめするのは、先程の授業の受け方の話でもお話した親子間で話をする方法です。

先ほどとは意図は違いますが、こちらは「他者に話をすることで、思考を整理することができる」効果が有ることは、どこかで聞いたことが有る方も多いかと思います。

学校に行き、塾に行き、塾で集中して勉強をしてきたお子さんは、脳も体力も疲れている状態にあります。この状態ですぐ宿題をやるというのは、思考力の低下した状態で、記憶に定着させるというより作業をするということになりやすくなります。なにより、子どもの気持ちとしては「しんどい」ですよね。

ですので、まずは親子間で会話をして、授業の振り返りを行いましょう。15-20分でもいいでしょう。ノートを見ながら、「今日はどんなことを習ったの?」であったり、「先生はどんなことを言っていたの?」といったことを、授業で聞いたことを思い出すように、じっくりと聞いてあげてください。この会話をすることで、思い返して整理をすることができます。とにかく、記憶をさせようとするのではなく、整理をさせることを目的として話を聞いてあげることにフォーカスしてください。

授業当日の復習はそれだけにしておきましょう。このときに大切なことは、何度も言いますが記憶に定着させることではありません。人間は1日ですべてを記憶に定着することはできませんし、実は当日に記憶をするための復習をすることは、翌日に行うよりマイナスの結果が出たという研究結果も出ています。

そして、よく寝た次の日に、宿題をし、記憶への定着を図るようにしましょう。

補足:宿題をする際は、必ず授業中に◯△☓という形で自分の理解を振り分けておいたものを参考に、取り組む問題を選定するようにしましょう。作業にならない、より理解を促し、記憶に定着をさせるための復習にしていきましょう。参考:塾の授業直後(その日の内)にやる復習

この方法を元に、復習方法を1から構築し直してみてください。

家庭学習でより理解を促すための市販テキスト活用

家庭学習をする際に、塾で与えられたテキストのみを使って家庭学習を行っている方で、なかなか今習っていることを理解できなくなってきている場合は、市販のテキストを使うことをおすすめしています。

塾で授業を聞いてわからないことについて、お子さんが一人でテキストを見て学習をして、理解出来るようになることは限りなく0に近いです。なぜなら、そのテキストを使って教えるプロが時間をかけた上で理解ができていないからです。もちろん、同じ理由でそのテキストを使って親御さんが理解をさせようと、努力をしても、なかなか理解することは難しいと思っていいでしょう。

その場合は、市販のテキストを含めて、使いやすいものを1度探してみるのもよいでしょう。塾のテキストが理解をするために最高のテキストであるとは言えません。市販には様々なテキストがありますので、お子さんにとって理解をしやすいまとめられ方や解説の仕方がされているものも存在します。

塾で授業を聞いて、分からなかった場合、もう少しで分かりそうだった場合は、そのような市販のテキストを「わからなかった部分だけ」見てみると、ちょっとしたことで理解につながる可能性があります。

ただし、市販のテキストを買った場合の注意点が1つあります。それは、せっかく買ったのにもったいないからという理由で、そのテキストすべてをやらせようとすることです。ただでさえ成績を上げるために最効率で勉強を進めないと行けない状態ですので、時間はいくらあっても足りません。

なので、塾の授業の補足、より理解をするため、少しでも応用が出来るようになるため、といった形で適材適所、塾のテキストと市販のテキストをうまく使い分けて学ぶようにしましょう。

おすすめのテキストとしては、私が著者をしている「魔法ワザ」というテキストは、このような場合を想定して、より理解を促すことを目的に作っていますので、ぜひ書店で見ていただき、理解出来ることを少しでも増やす一助としていただければと思います。

最後に

今回は、苦手の解消方法、授業の受け方、復習方法、より理解を促す方法についてまとめてきました。

塾では、中学受験で戦えるようになるために、日々新しいことを教えています。このペースについていくことができなければ、どんどん理解しなければいけないことが山積みになっていき、お子さんは窒息する思いで、宿題に忙殺され、わからないことに苛立ちを覚え、できることがあれば喜び、できないことがあれば無力感を感じながらも「中学受験に受かりたい」という希望を叶えるために日々努力をしています。

親御さんもその希望を叶えるために、時には口喧嘩をしたり、苦悩しながらも日々サポートをされています。

タイパという言葉が流行っていますが、中学受験にとって、タイパは本当に重要です。いかに授業で理解をするか、いかに復習時間を少なくし、理解でき、記憶に定着させるか、少しでもお子さんの負担が少なくなり、成績を上げることができるようになるかはとても重要なことです。

私たちの方でも、できるだけ最効率で進めていただくために「今月の学習プラン作成セミナー」というサービスを提供しています。

親御さんが普通にサポートしているだけでは手が届かない、来月何を塾で勉強してくるのか、そして、勉強してくることについて、何がポイントとなるのかについてまとめたものや、来月学習をする上で何に気をつけていかなければ行けないかをチェックするためのセミナーなどを行っています。

ご興味が有る方は是非、下記のページを御覧ください。
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