中学受験 効果の出るスケジューリングとは?
中学受験をしよう、とご家庭で決めたときに必要になるのが、塾通い。中学受験の学習内容は学校の勉強とはまったく違うため、塾通いが必須だからです。そして塾通いを始めると、それまでとはまったく違った生活になり、きちんとスケジュールを立てる必要が出てきます。
ここでは、中学受験を目指すご家庭の家庭学習のスケジューリングについて考えてみたいと思います。
塾通いと習い事の両立は無理?
中学受験の本格的な勉強、つまり塾に通わせ始めるのは4年生から、というご家庭が多いのですが、この時点である程度習い事を整理するご家庭がでてきます。
小さい頃から習っていたくもん、英会話教室などをやめたり、週2日通っていたスイミングを1日にするなど、週2日ほどの通塾と、その宿題をする時間を捻出するためです。
それでも4年生のうちは、高学年のお子さんより自由に使える時間が多く「これなら楽に中学受験を乗り切れそう」と思うお母さんも多いようです。
それが5年生・6年生になるにつれ塾の日数と時間、そして宿題の量も増え、土曜や日曜の特訓なども入ってきます。
6年生になると、塾以外の習い事はすべていったんやめるご家庭も増えていきます。ピアノなどのように一人でできることならまだいいのですが、野球やサッカーのようなチームプレーの習い事でレギュラーになると、日曜特訓があるから試合を休むということもできず、そもそも続けることが不可能、という場合もあります。
大手進学塾の一週間スケジュール
下に、首都圏の大手進学塾の一週間スケジュールをあげます。
5年生・6年生と学年が上がるにつれて土曜日、日曜日がふさがって「休みのない毎日」になっていくことがわかります。お子さんがこれから受験を始めようという3年生までなら、あらかじめ親は「高学年になったときにどうなるか」までイメージして受験勉強に取りかかりましょう。
お子さんが4年生のご家庭が、一週間のスケジュールを立てるときにもっとも大切になるのが「宿題をやらせすぎない」ということです。先述のように、高学年にくらべると時間に余裕がありますから、どうしてもテスト(範囲の決まったテスト。サピックスならマンスリーテスト、日能研ならカリキュラムテストなど)に向けて「暗記学習」をさせがちです。
この「習ったことを完璧に覚えるために予備の時間をすべて使う」という学習に馴染んでしまうと、高学年になって土曜も日曜も授業となったときに対応できなくなってしまいます。宿題は「ひと通りやって、間違った問題だけもう一度解きなおす」程度にとどめ、応用問題をじっくり考える時間や、過去に習った単元を復習する(過去のマンスリーテストやカリキュラムテストをもう一度解いてみるなど)時間をスケジュールに入れておくと、実力テストに強い子どもになります。
「いつ、何をやるか」がスケジューリングの最大のポイント
国語・算数・理科・社会の四教科、毎週の宿題もあれば過去の復習、テスト直しなどやるべきことは様々。計算や漢字もさせたいし、理科社会の「暗記もの」の時間もとりたい。
やりたいこともいろいろありますが、大切なのは「いつ、何をやるか」です。
どの科目の授業が何曜日にあるかで、ある程度それぞれの科目の宿題にあてる曜日は決まってきます。
たとえばお子さんが首都圏のサピックスに通う5年生なら、平常(デイリー)の授業は下記のようになりますから、算数の宿題を火曜日に、国語の宿題を木曜日に、そして理社の宿題は土曜日に、そして土曜か日曜に算数、国語の復習をもう少し、といったスケジュールになっているご家庭が多いかもしれません。
問題は、それ以外の時間と「やるべきこと」をどこに配置するかです。親にとっては同じ「塾のない日」であっても、子どもにとっては「乗れる日」とそうでない日があったりします。土曜は明日に日曜を控えて頑張れるなら、土曜のメニューを充実させ、日曜はゆっくり休む。
その土曜の使い方も、時間によって変えるなど工夫しましょう。朝は計算と漢字、そして暗記を集中して短時間でこなす。午後はじっくり考えて解く問題に時間をあてるなど、お子さんの様子を観察して「この時間に何をすればもっとも効果的か」という視点でスケジュールを立てるようにしましょう。
以上、中学受験生のスケジューリングについて考えてきましたが、いかがでしたでしょうか?
塾の曜日だけにとらわれず「もっとも効果的な勉強」という視点でスケジュールを考えてみてくださいね。