中学受験 社会の学習法その2
時代名、全部言えますか?
多くの進学塾では、4年生から5年生の夏までかけて地理を学習し、5年生の9月くらいから歴史の学習に入ります。そして5年生が終わるまで、つまり年が明けて1月末までかけて歴史の学習をするのです。
1年半かけてきた地理の学習に比べて、なんとわずか半年くらいの間に古代から現代まで学習するのです。そこの速度感についていけず、歴史の学習のしかたをつかめないまま過ごしたお子さんは奈良時代、あるいは平安時代の学習くらいには頭が混乱してしまいます。
歴史の学習でつまずいてしまうお子さんに共通するのは「全体像が見えていない」ということです。
旧石器時代⇒縄文時代⇒弥生時代⇒古墳時代⇒飛鳥時代⇒奈良時代⇒平安時代⇒鎌倉時代⇒室町時代⇒戦国時代⇒安土桃山時代⇒江戸時代⇒明治時代⇒大正時代⇒昭和・平成と、ここまでを半年足らずで駆け抜けると混乱するのも無理はないですが、まずはこれらの時代が大まかにどんな時代だったか、おおまかなイメージを持っておくことが大切です。
その1つの方法として、「◯◯時代といえば」という象徴的な人を1人、まず覚えてしまうこと。たとえば「平安時代といえば藤原道長」といった具合いです。平安時代といえば貴族の時代。娘を天皇と結婚させ、天皇と親戚関係になり摂政、関白といった朝廷で高い位を独占、実質政権を動かす摂関政治が隆盛を極めた、時代の「主役」ともいうべき人物ですね。
このように、時代名とその時代を代表する人物名をセットで覚えておく、これが歴史学習の「引き出し」になります。あとは細かなパーツを習うたびに引き出しに追加していくイメージです。
年号は覚えるべきか
「年号は覚えるべきですか?」
というご質問をよく受けます。この質問への返答として、わたしは「はい、覚えておくのがいいと思います。」と答えます。社会の先生の中には「年号を覚えるよりも、出来事どうしの因果関係を覚えておくほうが良い」「年号の丸暗記よりも流れで覚える方が良い」「そもそも年号を問う問題はそんなに多くない」といったご意見を持つ方もいます。
いずれも正論なのですが、それでも「年号は覚える方が良いですか?」と質問されると、私はYESと答えます。
理由はいくつかありますが、1つの理由として、「中学入試の社会では、年号を覚えていることで解ける問題が一定量存在する」ということがあります。因果関係はもちろん大切なのですが、年号を覚えていることで圧倒的に速く、正確に解くことができる問題がたくさんあるのです。特に難関校を目指す受験生は、年号を正確に覚えている子がほとんどです。
2つ目に、他の記憶の補完の役割をするということです。琉球王国の成立は1429年なのですが、これを正しく覚えている受験生はごく少ないと思います。また多くの中学校の入試において、必要ない知識かもしれません。
しかし1428年の「正長の土一揆」を正しく覚えている子にとっては「正長の土一揆の次の年か」と、すっと頭に入ります。時代の空気がより立体的に、リアルに頭に入りますね。
年号をいかに覚えるか
年号を覚えるときに強い味方になるのが「語呂合わせ」です。塾の先生が教えてくれる場合もありますし、参考書などにも載っているものがありますね。向き不向きもありますが、覚えやすいようなら活用しましょう。
いくつかご紹介しておきましょう。平安時代の終わりくらいまでだと・・・
などなど・・・。
とにかく口ずさんで覚えやすいならOKとしましょう。
以上、社会の学習法(その2:歴史編)でした。5年生は1月中に歴史の各時代、整理しておくといいかもしれませんね。