【中学受験での理科の勉強法】問題傾向や暗記物の覚え方を公開!
理科の勉強はいつから始めるべき?
理科が「知識」の科目であることは、あなたも既にご存知でしょう。
実は、その「知識」を頭に入れ留めておくためには、問題集を解くことに加えて「実体験」もとても重要になってくるのです。
この考えを念頭に置くとするならば、中学受験の理科の勉強は、「中学受験をする!」と決めた瞬間から始めるのが理想的です。
例えば、夏の季節にはひまわりが咲きます。
ひまわりの花を見たことのない子どもは、花の色が「黄色」であることは図鑑を見なければわかりませんし、背の高さは実物を見ないことにはわかりません。
もちろん、教科書にはひまわりの背の高さが数値として載ってはいますが、直接見てみないことにはどれくらい背が高いかはなかなか実感できないものです。
このような理由もあり、小学校の授業での体験学習をきちんと行うことがとても大切になります。
たとえば小学校では朝顔の観察が実施されています。
実際に朝顔を育てることで、花がいつ咲き、どのように種を作っていくのかという成長過程を見ることができ、実体験から知識へと落とし込めるのです。
ですから、中学受験をすると決めたら、国語・算数の読み書きと同時進行で、理科の実体験を増やしていかなくてはいけません。散歩をしながら花や土を触ってみたり、昆虫を捕まえてみたり、夜空の星を眺めてみたりと、このような体験から学び、知識量を増やすということは、受験を決意した瞬間から始めるのがベストです。
理科の効果的な2つの学習法
①暗記物を固める
理科は「物理単元」「化学単元」「生物単元」「地学単元」の4つに分けられます。
大人からすると「化学単元」は、高校の化学のように計算がたくさんあり大変な科目だと思うかもしれませんが、実は中学受験での化学単元の6割は知識の問題、いわゆる「暗記物」なのです。
また、生物単元と地学単元に関しては9割方が暗記ですが、物理単元だけは全体の10%くらいしか暗記物がありません。
そのため、実際に入試で点数を取るためには、出題されやすく得点になりやすい項目から攻めていくのが効果的です。
まずは化学、生物、地学の暗記分野を固めてしまうことが、理科の効果的な勉強方法のひとつです。
★参考:中学受験 理科の暗記対策!どんどん覚えられる語呂合わせ
②計算の解き方を暗記する
暗記物の問題はしっかり固まっているものの、計算物の問題が解けないと悩む子どもはたくさんいます。
そんな子どもに対して効果的な勉強方法は何かというと、ずばり「解き方」を暗記してしまうことです。
理科という科目は、いかに簡単に、そして確実に暗記をするかが重要です。
単に「暗記しなさい」とだけ言われてしまうと、暗記量の多さに気持ちが引けてしまう子どもも珍しくありません。
しかし、中学受験の範囲では、「このような解き方で解く」という基本フォームから逸脱するような理科問題はほぼ出題されないのです。
覚えるべきことを最小限に覚え、その最小限の暗記量をどれだけ増やしていくのかがポイントになるでしょう。
「物理単元」は難しい!?
物理単元には、全体の10%程度しか暗記の要素がなく、多くの計算問題が出題されます。
つまり、物理には算数の解き方の知識も要求されるのです。
数学の発展と同時に、発展してきた学問が物理学です。
塾の生徒にはよく、「根本の先祖は一緒だから、数学と物理はいとこ同士のようなものだよ」と説明しています。このような起源を踏まえると、算数の知識が必要不可欠となる物理の勉強は、なかなか大変だと思います。
しかしその一方で、入試で問われるポイントは限られています。
今問われている事が何か、今計算して出てきた数値の単位は何か、と言ったポイントを逃さない学習を行えば、確実に得点できる分野でもあります。
苦手意識のあるお子さんが多い分野ではありますが、逆に言えばライバルたちに大きく差をつけることが出来る分野でもありますから、単元ごとにきちんと理解を積み重ねておきたいところですね。
理科4単元の出題傾向
中学入試で出題される全体の問題傾向を見ると、「物理単元」「化学単元」「生物単元」「地学単元」の4単元は、ほぼ平等に出題されています。
関西の男子最難関といわれている中学に関しては、計算単元がやや多めに出題されるため、化学単元や物理単元のウェイトが大きくなる傾向にあります。
一方、関東の中学受験では、4つの分野がバランスよく出題される傾向にあるため、つまりは暗記単元が問題の多くを占めることになります。
また、関東・関西、男子校・女子校問わず、最近の傾向として「総合力」を問う学校が増加しています。
理科として出題されるものの、算数の解法や計算力を要求する問題や、文章に書いてある事実を読み解く読解力が必要な問題が増えてきているのです。
実験データに基づいて何かを考えさせるような、純粋な理科の問題はあまり多くありません。
むしろ、どの学校も問題処理能力がどれだけついているかを問う傾向が強くなっています。
理科が苦手な子供への対策
「例外」を覚えさせる
子どもが理科を嫌いになってしまう理由のひとつとして、暗記量に圧倒されるケースがあります。
そのため、暗記を苦手としている子どもには、常に「例外を覚える」ことを意識させてください。
例えば、暗記しなければならない内容を、全体の70%と30%を占める問題の二つに大きく分けるとします。
そのうち、30%の方を先に覚えてしまい、残りの70%をその他大勢のように捉えてしまうのです。
このような覚え方をすると、自分の頭の中にある30%に当てはまらない問題が出てきた場合、その逆の問題が出ているんだなと認識して問題を解くことができます。
要するに理科の暗記問題は、数の少ない例外の方を覚えることがポイントとなるのです。
多くの学校では入試の得点比率が国語と算数の方が高いため、この2教科に勉強時間を割かなくてはならないのが現実です。
そう考えると、必然的に理科の勉強時間が限られてくるため、暗記する時間をどれだけコンパクトにまとめられるかが勝負の分かれ目になってきます。
「実体験」を増やす
計算単元が苦手な子どもは、テキストや参考書の問題図を見ても「よくわからない…」と感じてしまっています。
このような場合は、実体験をさせることが重要になってきます。
例えば、星の動きが分らないという子どもをプラネタリウムに連れて行き、実際にリアルな星の動きを見せることも打開策になるでしょう。
「百聞は一見に如かず」です。
文字で説明されても頭に入ってこないという子どもには、実際に「見せる」「体験させる」ことで苦手意識をなくせます。
理科の家庭学習のコツ
多くの中学では、3教科入試では試験の配点割合の比率が国語2:算数2:理科1となり、4教科入試では国語2:算数2:理科1:社会1の割合となります。
割合を見てもわかるように、中学受験では国語と算数が重要視されているため、この2教科に多くの勉強時間を割く傾向にあります。
よって、理科の家庭学習は、限られた中での短い時間で行うこととなるでしょう。
このような状況下で理科の点数を上げていくためには、勉強するテーマを絞ることがポイントです。
理科は4単元が分かれて出題されやすい傾向にありますが、今週は「物理単元」だけ勉強するというように、あえて単元を絞って学習してしまうのです。
暗記といっても、さまざまなジャンルのものを一緒に勉強して覚えようとしてしまうと混乱し、手が付けられなくなります。
一日にいろんなものを覚えるのではなく、「今日は植物の仲間わけの暗記をしよう」と具体名を出し、そのジャンルだけに絞って勉強した方が、親子ともにやるべきことが明確になるでしょう。
勉強するテーマをギュッと絞り込んで家庭学習に取り組むと、時間的にも効率がよくなります。
覚えることが整理されるぶん、学んだことを忘れにくくなるというメリットも期待できます。
★参考:「因果関係」の理解と情報の「見える化」で、理科の成績を上げるコツ
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