国語の苦手を克服!中学受験で国語偏差値をアップさせる勉強方法
国語勉強法の4つのポイント
国語の勉強法は算数や理科と違い、問題集をとにかく解いて解法を覚えたり、学習後すぐに結果が現れたりするといった急激な変化は、普通に取り組むだけではあまりありません。
そのため、何をいつからどのように勉強をすればいいのかわからず、結局国語の受験勉強になかなか手をつけないと言ったケースもよく見られます。
けれども、実は次に紹介する国語学習の4つのポイントをバランス良く押さえて学習することで、1段も2段も、より深く理解できるようになるのです。
①語彙力を高める
まずは、土台となる語彙力・ボキャブラリーを養うこと。
これは、ただ言葉を数多く暗記しているだけではなく、その言葉自体をどういった形や文脈で使うのかという点に意識を置くことが大切です。
例えば、「悲しい」「切ない」「いたたまれない」「ひもじい」といった言葉はどれもネガティブですが、使われ方や使う場面によって、読み手に与える印象が違ってきます。
この語彙力がしっかりとついていないと、残りの3つのポイントもなし崩しになってしまいますから、普段から語彙力を身につけるための学習が重要になります。
②読む力を高める
文章には型があります。
物語と論説文、随筆は文章の書かれ方が違い、その中で読み取るべきポイントも異なります。
物語には物語の読み方があり、論説には段落の組み立ての形に伴って読んでいく方法があるのです。
まずは、書かれている文章がどういう型なのかを知りましょう。
その上で、これまで自分が読んだ文章を思い出してみることです。
さまざまな文章を読んで知識を蓄積していくことで、新たに出会う文章でもこれまでの経験を活かし、さらに深く読めるようになります。
また、蓄積した知識と異なった文章に出会った場合、「どこが違うのか?」「どうして結論の違いが生まれるのか?」などと考えながら読むこともできます。
③解く力を高める
国語の問題には、さまざまなパターンがあります。
問題のパターンごとに解き方・解法があるので、それをきちんと学習しましょう。
設問の本文中には必ず「根拠」があり、それに基づいて答えていくのが国語です。
問題を見てパッとひらめいたことを書くのではなく、パターンごとの解き方や根拠を探すための方法を学習した上で、その方法を意識的に使って、求められている解答を答えるようにしてください。
また、解く力を検証することも大事です。
間違った問題の模範解答を見て、その場では納得できたから終わり、ではなく、
- 問題で求められていたことを理解できていたか
- 自分はなぜ根拠の押さえ方を間違えたのか
といったことを検証し、間違い直しをします。
模範解答を通じて解答の検証をするプロセスでは、自分の読む力や言葉の力を振り返ることもできますから、通り一遍の間違いなおしにならないように、この機会を活かしきるようにしましょう。
④解答力を高める
特に記述問題が中心となってきますが、答案用紙に解答する力を高めるためには、大人の添削を受けることがとても大切です。
「論理構成はわかりやすくて良い」
「表現が不十分である」
などといった添削コメントの差は、お子さんの言葉の組み立て方やチョイスの差でもあります。
経験値の高い人から教えてもらうことで、記述表現として完成しきれていない部分を補完してもらうことが不可欠です。
国語の偏差値の上げ方
国語の偏差値が上がらない、と悩まれているお子さんの中にはそもそも国語の勉強時間をほとんど取っていなかったり、後回しにしていたりする子供がいます。
「国語が嫌いだから」
「本を読んでも頭に入ってこないから」
「偏差値が思うように上がらないから」
など、国語学習に注力しない理由はさまざまです。
しかし、国語の偏差値をアップさせるのは、実は決して難しいことではありません。
ポイントをしっかり押さえた対策をすることで、周りの子供たちにぐんと差をつけて成績を伸ばすことも充分に可能な教科なのです。
原因を分析してみよう
まずは、国語の偏差値が上がらない原因が何なのかを分析しなければいけません。
「語彙力が低い」
「読解力が育っていない」
「問題を解くための解法の知識やパターンの理解が間違っている」
など、考えられる原因はさまざまです。
理由をハッキリ分析するためには、塾講師など専門性の高い人に分析してもらいましょう。
先生が正しく分析しているかどうかは、その先生が何を見ているかでわかります。
子供のノートや日頃使っているテキストの状態、家庭での日常会話、友達との遊び方など、日常生活のさまざまな要素まで確認を取っている先生は期待できます。
反対に、テストやノートだけ見ている先生は不十分だといえるので注意してください。
生活の記録をつけよう
国語学習にどうやって取り組んでいるのか、記録をつけてみましょう。
例えば、親子の会話、ニュースの視聴、本や新聞を読む時間など、情報のインプットに当たることを記録しておくのもひとつです。
しかし、どんなに読み方や解き方を教えても、語彙力がない子供は結局どうにもなりません。
だからこそ、ご家庭でどういった生活をしていて、子供が言葉や文章に毎日どれだけ触れる機会があるかを知る必要があるのです。
その意味でも、日々の生活のなかで国語学習にどうやって取り組んでいるのかを、記録してみてください。
セオリーのある先生に教わろう
中学受験においては、これこそ唯一無二の国語指導理論、といったものが確立しているわけではないので、進学塾や個別指導、家庭教師の先生ごとに読み方のクセがあり、それを子どもに押し付けてしまう傾向にあることは否めません。
各講師が自分なりの国語の法則やロジックを作り、子どもにわかりやすく伝える必要がありますが、それにはかなりの努力を要するため、大半の先生が出来ていないのが現状です。
理論化とは、誰がやっても同じ結果を生み出せる再現可能状態にするということ。
しっかりしたセオリーのある先生は限られていますが、読み方や解き方を理論的にしっかりと習い、それを意識しながら解けば必ずレベルアップできるでしょう。
テスト作成者は試験でココを見る
塾での模擬試験、学校の入学試験の問題の作成者は、主に子供たちの4つの能力をチェックしようとしています。
そして、事実を正確に押さえることができるか、文章中の情報をきちんと把握して使えるかを見ようとします。
①情報収集能力
段落分けや抜き出しといった問題では、文章全体を読んだ時、何がどこに書いてあるのかを整理しながら読めているかどうかを見ます。
いわば理数的な思考力、情報を整理して必要な物を選ぶ力を見極めます。
②対比的思考力
情報収集ができたら、与えられた情報を組み合わせて考えることが出来るかどうかの思考力を見ます。
この考える力には、対比する力が必要になります。
自分と相手の考えの違いはどこにあるか、反対意見として挙げているものは筆者の考えとどう違っているのかを比べる力です。
③感情理解力
物語や随筆で一般的にみられるのが、シンプルに気持ちを聞く問題です。
人の感情を理解できているかどうか、人間を理解できているかどうかを問われるともいえます。
「このときの主人公はどのような気持ちでしたか?」
などの問いは、対人関係を築く上で、置かれた状況や相手の仕草から感情理解ができているかどうかを問われているわけです。
これは相手の心を読むというわけではなく、人間の感情の知識をどれだけ持っているか、その場面に当てはめて判断する力があるのかを問われています。
④表現伝達力
記述問題を多めに出すテストでは、表現力や相手に伝える力がどれだけ高いかを見ています。
情報整理と対比する力、感情理解力があり、最後に表現によって相手に伝える力があるのです。
感情理解力を磨くには?
いつも同じような男の子や女の子が登場する物語ではなく、さまざまな立場の登場人物が出てくるお話を読むことをおすすめします。
いろいろな立場の人の心情を読み、それを知識として得ていくことがポイントになります。
感覚ではなく知識として、年代、世代、状況によって人はこういうことを感じ、考えるものなのだということを覚えていかなければなりません。
その上で、もし自分の経験したことや見たことなどがあれば、子どもなりの表現でいいので、その時どう感じていたか気分を再現させましょう。
そうして、身体で思い出した感覚と知識として目にしている文字で書かれた気持ちをつなぎ合わせていくと、生きた感情の知識となり、より深く表現できるようになります。