算数がデキる子になる勉強法
図形はセンス?
算数の問題の中でも、お母さんたちが特によく感じているのは「図形ができるかどうかは、『センス』で決まるの?」ということです。
小さい時、積み木で遊ぶのが大好きだったり、レゴブロックですごく手の込んだものを作るぐらい「はまった」り、というお子さんもいるらしいけど、うちはそんなじゃなかったし・・・みたいに考えてしまうのです。
「図形のセンス」というものがあるかないかといえば、「あることはある」と言えます。
それは頭のなかで図形を回して裏側を見たり、展開図を組み立てたりといったことができたり、ということに関係があります。
転がるサイコロの上面の目がどのように変化していくかなどを、簡単に把握してしまうような子もいます。
このように、小さい頃から空間を把握するのに長けているお子さんは、確かにいます。
一方から眺めていて糸口が見つかりそうになかったら、素早く視点を変え、別の方向から見ることが、わりと早い段階でできるようになるお子さんもいます。
そのようなお子さんは、そうでないお子さんにくらべて中学受験の段階では「有利」なのも事実です。
中学受験の図形問題には「セオリー」がある!?
「じゃあ、センスがないうちの子は図形はできるようにならないの?」
と感じるお母さんもいるかもしれません。
大部分のお子さんは、上にあげたように空間把握に長けていたり、早い時期から素早く視点を変えて物事を見ることができるわけではありませんから、我が子を見ていて不安になるお母さんもいるでしょう。
では中学受験の算数は「センス」だけで勝負がついてしまうのかというと、決してそんなことはありません。
「一方から考えていてうまくいかなければ、また別の方向から見れば糸口が見つかる可能性がある」
ということを知識として知っていればいいのです。
算数に必要な力は
- ①計算力
- ②知識・解法
- ③問題選択力
- ④条件整理力
の4つですが、②の部分を補充することで補えるというわけです。
②の「知識・解法」をまる覚えするだけの学習に陥ってしまうと「考える力」が育たないとよく言われますが、「考える力」を育てるベースになる知識や解法は必要だということになりますね。
たとえば図形の角度の問題の多くは、「三角形の外角」を使って解きます。
つまり、角度の問題であればまず「外角を使うのか」を疑ってみるのがセオリーであり、その知識は「ひらめき」を得る上で必要だということです。
円に関する問題で補助線を引くとすれば、まずは「中心とどこかを結ぶ線を引く」というのも、必要な知識です。
学年によって育てたい能力は違う
では、知識だけで受験算数のすべてを乗りきれるのかというと、それは違います。
計算力と知識をしっかり身につけた上で、高学年で問題選択力や条件整理力をつけていくのが、算数の総合力を上げていくことにつながるのです。
高学年になると、習う問題のバリエーションも増え、内容・条件も複雑になっていきます。
だからこそ知識だけではなく、問題の条件を整理して「どの知識とどの知識を組み合わせて使えばいいのか」を考える事が必要になるのです。
この力が「条件整理力」です。
問題を解くとき「どうしてこの解き方を選んだのか」を明確に説明できるか。
ときどきお子さんに確認してみるとよいですね。
また、テストでの得点力を上げるには「問題選択力」も必要です。
「この問題にチャレンジしたら、自分には解き切ることができるのか」を判断する力です。
いわゆる「捨て問題」を見分ける力のことです。
テストの残り時間が5分あるとして、残りの問題のうちどれを解くべきか。
「この問題なら5分以内に解き切ることができる可能性が高い」という判断ができれば、さらなる得点を残り時間で稼ぐことができるわけです。
この力も、毎週の宿題の中で確認することができます。
問題を解き始める際、「解けそうかどうか」見当をつけてから始める習慣をつけるといいでしょう。
以上、算数の学習のしかた、必要な力についてお伝えしましたが、いかがでしたか?
毎週の勉強の中で、4つの力がついているか、常に意識しておくとよいですね。