成績が上がる塾ノート確認のポイント3点
子どもたちは、塾の授業をうけてノートをとります。
ほとんどの塾の先生は、解き方や考え方などを子どもたちに説明したあと、ノートをとるための時間を与えてくれます。説明しているときにノートをとるのに夢中になっていて、内容をちゃんと聞くことができなかったら、そこから理解不足や苦手単元が生まれてしまうからです。
ていねいな先生だと、自分の授業ではノートはこうやってとりなさい、とルールを説明してくれる場合もあります。色ペンや余白の使い方など、決めなければ子どもたちが「独自ルール」で済ませてしまう部分ですが、きちんとルールを決めることで、子どもが混乱せずにスムーズに授業をうけられるのです。
一方、子どもたちが実際にとったノートをチェックしてくれる先生は、そう多くありません。
お子さんが塾でどんなふうに授業を受けているのかを知る手がかりになるノートは、ぜひお母さん、お父さんがチェックしてあげてください。
ポイント1 子どもの「イライラ・不安」が表れていないか
子どもがとったノートには、
①あとで見返すことが前提となっている部分(塾の先生の板書を写した部分)
②子どもが自分で計算などに使ったメモの部分
があります。
①は比較的見やすく、ていねいに書いている子どもが多いのですが、②には子どものその時の心理状態や勉強に向かう姿勢などが表れるものです。
先生の板書を写した部分にくらべると、どうしても乱雑になってしまうのはある程度しかたないですが、極端に乱雑な場合は注意が必要です。
チェックするポイントは、
- 消しゴムを使っているか
- 字の濃淡が一定か
の2点です。
この2点には、子どもの「イライラ」が表れています。
消しゴムを使わない理由の多くは、「時間がない」こと。
授業のペースがお子さんの理解のスピードより速く、ストレスを感じていることも多いです。
また字の濃淡が一定でないのも、「速く鉛筆を動かさなければ」という焦りの気持ちが筆圧を弱くさせるからです。
このようなノートをとっているとき、子どもの理解度は低くなっていて、成績を下げる場合が多いので、ノートチェックで見つけたら、まず授業の様子をしっかりお母さんに話すことができるか、それくらいの余裕が授業中にあるかをチェックしてあげましょう。
ポイント2 書き出し位置が右へずれていないか
鉛筆の持ち方が悪いと成績に影響が出る、と主任相談員の西村則康先生は言います。
たとえば鉛筆の持ち方が悪く、自分の書いている文字が手や鉛筆に隠れて見えにくい場合、書き間違いや写し間違いも多く、それだけでテストの偏差値が違ってくるのです。
また鉛筆の持ち方は正しくても、書くときの姿勢が悪いために(寝そべるように書いているなど)同じように手元が見にくく間違いやミスが多い、という場合もあります。
自分の手元が見にくい状態でノートをとっていると(右利きの場合)、書いている文字を見ようとして、下の行に移るたびに、書き出しの位置が右にずれていきます。このようなノートに気づいたら、鉛筆の持ち方、勉強するときの姿勢をチェックしてあげるといいでしょう。
ピシっと行の始めの揃ったノートがとれるようになる頃には、ミスもなくなっているはずです。
ポイント3 ノートがきれいすぎないか
きれいにノートをとっているにもかかわらず、授業の理解ができていないという場合もあります。
カラフルなペンを何種類も使い、とても美しいノートなのですが、授業の理解は今ひとつ、という例です。
きれいにノートをとろうと努力しているのはいいのですが、そちらに意識が傾きすぎて、授業内容をじゅうぶんに理解できていないのです。
「ちゃんとノートをとっているから大丈夫」と安心せず、カラフルすぎるノートの場合は注意が必要と考え、定期的にチェックしましょう。
一般に、塾の先生が使うチョークやマーカーの色は4色程度のはずです。
そして、色の使い方にも目的や意図があるはずです。
その目的や意図を理解した上でノートをとると、比較的スムーズに授業内容の理解も進みますから、気になったら塾の先生に尋ねてみるのもいいかもしれませんね。
また授業が黒板を使って行われている場合、黒板で目立つ色と白地のノートで目立つ色は違うので(たとえば黄色は黒板では目立ちますが、ノート上では非常に見えにくい)、「黒板に書かれた文字、図を何色のペンでノートに書くべきか」も、塾の先生に対しての確認ポイントです。
さて、塾ノートのチェックポイントを3つ解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
このようなポイントについては、「かしこい塾の使い方」主任相談員の先生方のブログやセミナーでも解説されることが多いので、ぜひチェックしてみてくださいね。