苦手克服の方法
苦手単元をはっきりさせる
「算数が苦手」「文章題が苦手」などといいますが、お子さんの苦手単元、分野を詳しく把握しているご家庭は、意外に少ないものです。ぼんやりと考えている苦手単元と実際の苦手単元は違ったりするものです。
きちんと苦手単元を把握して克服するには、テストを活用するのがよいでしょう。数カ月分の大テスト(日能研なら公開模試、SAPIXならマンスリーといった月例のテスト)の結果から判断するのが最適です。
苦手単元を洗い出すには、テストの正答率表を使用します。正答率が高い問題で、お子さんが間違っているものをマーカーでチェックし、その問題がどの単元なのかを見ていきます。間違った問題そのものを直すことも大切ですが、その問題の類題を数問解くことがさらに重要です。
基準となる正答率ですが、おおまかに100からお子さんの偏差値を引いて基準とする方法があります。たとえばそのテストのお子さんの偏差値が55だとすると、100から55を引いて、出てきた答えの45を基準として、正答率45%以上の問題を直すと決めるのです。
同じ単元、分野でも、問題の種類は様々です。たとえば一口につるかめ算といっても、オーソドックスなつるとかめ(とは限りませんが)が登場するものから、3者のつるかめ算、速さのつるかめ算、弁償のつるかめ算など、お子さんがつまずいているのがどこなのかをはっきりとさせるには、できればプロの助言をもらうようにします。
正答率表でのチェックから、この単元を克服したいという問題が出たら、その問題を塾の先生に見せ、どの問題をどのくらいやればいいか意見を求めるのが最も効率がいいでしょう。
家庭で苦手を克服する
科目や単元によって、家庭で克服できるものとそうでないものがあります。家庭で克服できる可能性が高いものは、理科の生物や地学など暗記分野、社会の暗記などです。逆に算数など解法を理解することが重要なものは、教えてもらうなどしたほうが効率がよいでしょう。
解法が詳細に書かれている問題集などを探してみるのも一考です。たとえば東京出版の「プラスワン問題集」という問題集がありますが、この問題集は問題ページよりも解説ページのほうが多いのです。同社の「ステップアップ演習」も同様です。このような問題集を丁寧に解いてみることも効果がある学習法です。
理科や社会の暗記は、充実した資料や写真などがある問題集を選ぶことで効率が良くなります。四谷大塚の「予習シリーズ」というテキストは、写真や図などが多いことで知られています。1冊ですべてを賄うことは難しいですが、参考書としての使用には向いています。
ハンディサイズの図鑑を1冊用意しておくのもよいでしょう。小学館の「NEOポケットシリーズ」や、旺文社の「野外観察図鑑」などです。知らない植物名が出てきた時などに、索引で調べてすぐに見る習慣をつけると、植物の苦手は克服しやすくなります。
塾で苦手を克服する
塾の先生に質問できる環境にあるなら、積極的にするようにしましょう。分からない問題を聞くだけでなく、そのような問題を自力で解けるようになるために、どんなことをすればいいかも質問するようにするのです。
塾の先生は教えるプロですが、問題選択のプロでもあります。1つの問題が解けない、わからないときに、そこからわかる他の分野や類似の分野の弱点を克服するのに、どんな問題をどのくらい解けばよいかを知っているはずです。担当してもらっている先生なら、お子さんの特性もよく知っているはずですから、どんどん意見を聞くようにしましょう。
塾の先生に質問しても、今ひとつ理解が進まない場合があります。そのようなときは、教えてもらっている解法と、お子さんが受け入れやすい、理解しやすい解法にズレがある場合が考えられます。個別指導や家庭教師の無料体験などを利用し、理解が進むかどうかを見る方法もあります。
1つ苦手を克服できたら、それが自信や弾みになって、その科目自体が好きになったり、得意になったりすることが、お子さんにはよくあります。何か克服しやすそうなものからまずは始めてみるのがよいですね。