【教科別】組分テストで各教科「+10点」を狙う方法まとめ
こんにちは。
中学受験情報局主任相談員の西村則康です。
多くの塾では、今週末に組分けテストが控えています。
特に5年生は、6年生のクラスが決まるため、非常に重要なテストとなっています。
今回の組分けテストで希望のクラスに入ることはもちろん大事ですが、
何より大切なことは、組分けテストの結果を受けて、苦手なことを洗い出し、お子さんの現状(塾での順位)を把握した後、志望校合格のために、どのような学習をしていくのかスケジュールを立てることです。
ここが本日お伝えしたい最も重要なポイントです。
本年も含めて、安定して志望校を目指せるご家庭は、1月の組分けテストの結果を受けて、すぐに志望校合格までの学習スケジュールを立て、学習を進めているということが共通しています。
反対に、夏休み前の段階でも、まだまだ志望校合格への道が見えないというご家庭は、1月の組分けテストの結果を分析することができず、気づいたときには、ゴールデンウィークが終わり、夏休みが始まってしまっているというケースが大半です。
なので、5年生最後の組分けテストが、受験がスムーズに進められるかをわけるといっても過言ではありません。
そこで、今回の記事では、「1月の組分けテスト」に焦点をあてて・・・
についてお話しようと思います。
教科別の細かいポイントは5年生向けの内容となりますが、「テストの受け方」や「テスト前の声掛け」、「年間スケジュールの大切さ」などは4年生にもぜひ参考にしていただければと思います。
1. 【教科別】組分けテスト対策 復習ポイント
(※1章は、水曜日にメルマガ配信した内容の復習です。すでに実践済みの方は2章から、お読みください。)
組分けテストまで残された時間は少ないため、
今から総当りの復習をすることは現実的ではありません。
ですが、ポイントを絞って復習をしておくことで、「わかっていたのに、得点できなかった・・・」ということを減らすことができます。
具体的には下記の様なポイントに気をつけて復習をしてみてください。
【算数】
「割合と比」・「速さ」の単元の基本ができているかを、最終確認しましょう。
具体的には、各単元ごとに、3行程度でシンプルにまとまっている、簡単な問題を選び、まとめてお子さんに解かせてあげてください。
その中で、わからないものがあれば、その単元を再度見直してください。
これだけで、「わかっているはずなのに、得点できなかった」ということを防ぐことができるようになります。
また「単位換算」は必ず出題されるので、こちらも並行して、まとめて再確認しておくとよいでしょう。
【国語】
5年生で学習した漢字、語句の復習・確認をしておくと良いです。
ただし、残された時間の中で、総当りで取り組むのは現実的ではありませんね。
具体的な対策としては、これまでのテストから問題を取ってきて、やり直すとよいでしょう。
あまり時間が取れないという場合は、過去のテストで、まちがえてしまった漢字・語句だけでも、復習しておきましょう。
【理科】
理科では、一問一答の復習のみになっている場合は、注意が必要です。
言葉の意味や仕組みまで理解できていない場合、問題の問われ方が少し複雑になったり、テキストと違う問われ方をした際に、対応できなくなってしまいます。
例をあげてみます。
「葉をヨウ素液につけました。何色になりますか?」という問題に対し、「青むさらき色」と解答ができたとします。
その際に、どうして「青むらさき色になったのか?」を説明できるかどうかを、
確認してあげることが大事です。
暗記型の学習をしているお子さんは、植物の単元で、「ヨウ素液」が出たら、「青むらさき色」と解答すれば良いとおぼえてしまっているケースが多々あります。
どうして、そうなるのか?
本当に理解できているかを確認し、理解できていない場合は、再度お母さんと一緒に仕組みを復習してみるとよいでしょう。
具体的には、お子さんが苦手そうな単元の再確認を優先し、過去に正答している問題の「理屈」を説明する機会を作ってあげてください。
言葉の意味や、「仕組み」や「理屈」をうまく説明できない場合は、重点的に再復習を行いましょう。
【社会】
社会も理科と同様に、一問一答になってないかの確認が大切です。
また、特にサピックスですが、社会については、地理の復習が必要です。
5年生では「歴史」を中心に勉強しているため、「地理」を忘れてしまっていることが多く、組分けテストで、得意なはずの「社会」で点数を落とすお子さんが毎年一定数います。
まだ地理の復習ができていない場合は、地理の復習を優先してください。
具体的には、都道府県・都市、そして山地、川、平地などの重要地名と場所、特徴を確認しておくことです。
もちろん歴史分野もテスト範囲ですから、こちらも復習が必要です。
特に近現代は人物と出来事、流れを順を追ってしっかり把握しておくことが大切です
2. 【テスト前日】点数をあげる魔法の声掛け
テスト前日に、復習を詰め込んでも、あまり効果が期待できないのはご存知のとおりです。
テスト前日に大きく効果が出るのは、お母さん・お父さんによる「テストの受け方」を確認する声かけに他なりません。
ご家庭である程度、「テストの受け方」をお子さんと決めている場合は、今一度テスト前日に、「受け方」を確認する時間をとりましょう。
テストの受け方というのは、具体的には下記のようなテクニックになります。
効率よく回答するためのテストの受け方 例
■ 算数では、全ての大問の(1)には挑戦すること
■ わからない問題は飛ばして良い
■ 国語の記述は、自信がなくても「書く」こと
■ 国語の記述で理由を問われた際には、「から」「ので」と締めること
■ 選択問題は、わからなくても「記号」を書く
■ ただし前提として、選択問題は、「知っている答え」を選ぶこと
■ 語句問題で漢字がわからない場合は、ひらがなでも回答すること
といったようなことになります。
テストの受け方は、色々ありますので、ご家庭で普段からお子さんに教えている受け方がある場合は、前日に再度確認を行いましょう。
前日に確認することで、お子さんが意識しながらテストを受けることができるという利点があります。
ただし、あくまで普段から「こうしようね」とお子さんと話している内容に限ります。
というのも急に新しいことをテスト前日に伝えてしまうと、お子さんがパニックになってしまうからです。この点だけ、気をつけてください。
3. 【テスト終了後】お子さんへの声掛けのポイント
テストが終わって、お子さんが帰ってきたら、まず「頑張ったね。お疲れさま。」と声をかけてあげてください。
可能であれば、「できたかどうか?」はお子さんの口から自発的に聞く方が良いと言えます。
というのも、「よくできた」場合は、お子さんが自分から「できたよ」と話してくることが多いのですが、「できなかった場合」は中々話しづらいものです。
そこに、お母さんが少し怖い顔で、「どうだったの?」と聞いてしまうと、
お子さんは、どうしても詰問されているように感じてしまいます。
なので、テストの結果を聞く際は、長時間のテストを受けた事に対し、まずは頑張ったことを声に出して認めてあげた上で、できる限り優しく聞いてあげることが大切です。
テスト後に行う、具体的な作業としては、小問ごとに自信のある・なしを確認していってください。
もし余裕があればテスト中に、お子さんに「○△☓」をつけてもらうのも有効でしょう。
基本的には「正答できなかった問題」を確認することになりますが、お子さんが苦手な教科や単元では、「正答していた問題」も自信を持って回答できたか確認してあげるとよいでしょう。
ただし、こちらも「詰問」しているような空気にならないことが大切です。
お子さんの立場になってみると、まちがったところを何度もチェックされていて、「あら探し」をされて、怒られていると感じてしまうかもしれないことがわかると思います。
お母さん・お父さんはご存知の通り、受験本番までに受けるテストは、あくまで「わからない」ことを調べて、「わかること」を増やすための確認作業にすぎません。
「できないことが、わかった」から、「次はできる」ように、お母さん・お父さんと一緒に勉強しようね。と伝えてあげることが大切です。
1月の組分けテストは、これまでの学習の進捗を把握するために非常に役立ちます。
なので、5年生の学習を振り返り、テストに出題されなかった単元で、お子さんが自信がなさそうなところ、過去に苦手としていた単元についても、「○△☓」の確認を行うことを強くオススメします。
これは、5年生で習った内容を、「あいまい」なままにしておくと、6年生の学習の思わぬところでつまずく可能性が高くなるからです。
春休みと合わせて復習の機会を取るために、今からでもわからないことがないかをチェックしていくことが大事です。
4. 1月は6年夏に偏差値で「5」差がつく勝負の分かれ目
組分けテストが終わって、
■ クラスを維持できた
■ クラスアップできた
ということは、もちろん大事です。
ですが、仮に「クラスダウン」したことを気に病む必要はありません。
大切なことは、6年生の学習がスタートする前に、お子さんの現状を正しく把握し、現状に合わせて、どのように学習を進めていくのか?を決めることです。
そのためのポイントは、目の前の課題を「取捨選択」し、暗記するのではなく、仕組みまで理解した「理解型学習」までお子さんの理解を高めることに他なりません。
この1月から2月にかけて、お子さんの現状を見直し、学習スケジュールを立てることが今後の1年間の受験の結果を左右するといっても過言ではないでしょう。
具体的な1年間のスケジュールの立て方に関しては、別途組分けテストが終わった後に、改めて記事にてお話させていただきます。
まずは週末の組分けテストが上手くいくように、教科ごとの復習ポイントを抑え、お子さんにしっかりと声掛けを行っていてみてください。
今週末のテストでお子さんが力を発揮できることを祈っています。
■ 今からでも各教科5点〜10点加点する「チェックポイント」
■ お子さんの緊張を解き実力を発揮させる、テスト前日の声掛け
■ 学習意欲をかきたてるテスト後のアフターケア