公立中高一貫校、国立大学付属校を第一志望校にする場合の対策と気をつけるべきこと
近年、人気が高まっている公立中高一貫校、国立大学付属校を第一志望校にする場合は、どのようなことに気をつけたらいいのでしょうか。
ここでは、国公立系の中学校を目指す場合に気をつけておきたいことを考えてみたいと思います。
公立の中高一貫校の「適性検査問題」とは
公立の中高一貫校は、年々、試験問題が難しくなっています。
近頃人気が高く、専門の塾もありますが、実際はどうなのでしょうか。
適性検査問題1、2、3という形で出題され、たとえば東京の場合は、適性検査問題1、2は共通問題になっています。適性検査問題3はその学校独自の問題ですが、これを出さない学校もあります。
おもに、適性検査問題1は国語・社会関係、適性検査問題2は算数・理科関係の問題です。
算数・理科関係といっても、一般的な中学受験の算数や理科の問題のような「難問」ではなく、道筋を自分で立てられればわかる可能性がある問題が中心です。
とはいえ、一般的な6年生が太刀打ちできるレベルの問題ではないので、受験するならそれ相応の学習が必要です。
適性検査問題3の独自問題は、たとえば「温暖化を防ぐためにあなたが協力できることを書きましょう」など、与えられたテーマについて300文字程度で自分の考えをまとめなければなりません。
これも、ちゃんとした対策をしていないと書けないでしょう。
「合格したらラッキー」という感覚?
公立の中高一貫校を受験するなら、専門の塾に通うことをおすすめします。
そして、子どものレベルと照らし合わせて、志望校の選定や対策を決めましょう。
桜蔭や麻布を目指して記述問題の対策をしてきて、すでに合格の目処が立っている子なら、公立の中高一貫校の塾で模擬テストを何度か受けて調整していくことで、合格することもあります。
言い換えると、そのレベルまで至ってないと、公立の中高一貫校は倍率が高すぎて、不合格になってしまうこともあるのです。
一般的な出題傾向の私立中学受験のために、塾で一生懸命勉強して色々なテクニックを身につけても、それは公立の中高一貫校の問題を解くときに必要とされる力の一部にしかすぎません。
合格倍率が極端に高いので、どうしても運試し的な受験になってしまうということを念頭に置いておきましょう。
公立の中高一貫校の受験勉強は、将来の役に立つ
でも、もし結果が不合格だったとしても、公立の中高一貫校の適性検査問題の対策をすることは、子どもにとって大きな学びになると思います。
時間内に長い文章を根気よく読み切る力、自分の考えや意見をまとめて文章にする力、算数と理科で原因と結果の因果関係に気づく力など、中学以降の勉強や「学問」につながる、幅広い視野と教養を身につけることができます。
学力としてはかなりプラスになり、高校受験や大学受験にも役立つことがあるでしょう。
結果的に地元の中学に行ったとしても、公立の中高一貫校の適性検査問題の対策がきっかけで、勉強がおもしろくなったり、特に興味を持つ分野が出てくることもあるようです。
今すぐに結果は出ないかもしれないけれど将来的に役に立つという風に考えて、受験に踏み切ってもいいのかもしれませんね。
国立大の付属中学校は学校ごとにまったく違う
国立大付属中に関しては、学校ごとで大きく特徴が違います。ひとくくりにはできないので、学校ごとにご説明します。
まず、学芸大付属は、受かったからといって安心できない学校です。高校進学時に選抜試験があり、外部で受ける子と同じレベルの問題が出ます。
最難関私立高校と同等のレベルで、とても難しい問題です。
中学3年間はとても厳しく勉強をすることになるかもしれません。
実際に、中学校から学芸大付属に通っているけれど、付属高校に進学するために最難関私立高校受験用の塾に通っている子も少なくありません。
筑波大付属は、小学校の技能教科もしっかり取り組んできた子が合格する学校です。
試験科目に家庭科、音楽、体育、美術があるのです。家庭科では本返し縫い、半返し縫いの実技があります。
音楽では小学校の教科書にある曲を聴かせて、その譜面を選択する問題、美術では自分の手を描くデッサンをしなさいといった問題なども出ます。
特色があるので、それに合った対策が必須となります。
筑波大付属駒場は、首都圏の最難関中学です。
2月1日に開成や麻布を受験した子たちが、3日にこの中学校を受けるという流れが続いています。
知識型問題と試行錯誤型問題が最高レベルで融合されているので、受験するならかなりの実力が必要です。
それぞれの学校で求められる力の種類が違うので、入試問題の傾向の違いをしっかり把握して対策をしましょう。
出題傾向が似ている学校が他にないとなると、併願も難しいので、そこはよく塾の先生と相談するようにしてください。
中学受験では、第一志望校に合格する子どもは30〜40%、それ以外の子は第一志望校以外の学校に通うことになります。
志望校以外の学校選びも重要になってくるので、よく考えて受験するようにしましょう。